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モバライダー mobarider

宇宙の歴史のかなり早い段階で巨大サイズに進化した原始超銀河団“ハイベリオン”

2018年11月17日 | 宇宙 space
誕生してから約20億年後の宇宙に、太陽の1000兆倍以上もの質量を持つ原始超銀河団が発見されました。

このような大質量の構造は、形作られるのに時間がかかるので初期宇宙には存在しないはず。

“ハイベリオン”と名付けられたこの超銀河団を調べていけば、宇宙の大規模な構造の歴史が明らかにでき、宇宙の過去と未来の進化に関しても詳しく分かってくるのかもしれません。


若い宇宙に存在する巨大な銀河団

ビッグバンから約23億年後、今から約115億年前という初期の宇宙に巨大な原始超銀河が発見されました。

この超銀河団があるのは、ろくぶんぎ座方向の“COSMOSフィールド”の一角、ギリシャ神話の巨神の名にあやかり“ハイベリオン”と名付けられています。
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原始超銀河“ハイベリオン”を可視化したもの。
赤いスケールバーは近傍宇宙に存在する巨大銀河団の典型的な大きさを表している。
“ハイベリオン”に含まれる質量の見積もりは太陽の1000兆倍以上。
誕生から約20億年後という初期宇宙に、これほど莫大な質量を持つ構造が見つかったのは初めてのことでした。

このような大質量の構造は、普通は時間が経った宇宙… つまり、巨大な構造に進化するのに十分な時間があった宇宙に存在するはずです。

なので、“ハイベリオン”がかなり若い宇宙に存在しているのは驚くことなんですねー


かなり異なっている“ハイベリオン”の構造

“ハイベリオン”は非常に複雑な構造をしていて、その内部には銀河のフィラメントでつながった密度の高い領域が少なくとも7つ存在しています。
  コロッサス、テイラ、ヘリオスなど個別の愛称が付けられている。

  宇宙の網を作る暗黒物質のフィラメント構造
    

“ハイベリオン”の大きさは近傍の超銀河団に匹敵するものですが、構造はかなり異なっています。
近傍の超銀河団では、物質の分布がもっと集中していて、はっきりとした構造が見られる傾向にあります。

でも、“ハイベリオン”では、つながり合っている塊の中で物質の分布は均一で、緩くまとまった銀河が集まっているようです。

こうした違いが生じたのは時間の長さが原因なのでしょうか?

近傍の超銀河団は、数十億年かけて重力で物質が集まり高密度の部分ができます。

でも、“ハイベリオン”にはそれほど時間が無かったようです。

宇宙の歴史のかなり早い段階で巨大サイズにまで進化した“ハイベリオン”は、さらに長い年月の後に、近傍宇宙に存在する“スローン・グレートウォール”や“おとめ座超銀河団”のような巨大構造へと姿を変えると予測されています。

“ハイベリオン”を理解し、近傍に存在する同様の構造とどのように違うのかが分かれば、宇宙の過去と未来の進化に関する知識が得られ、超銀河団の形成モデルを試す機会が得られるはずです。

宇宙の大規模な構造の歴史が明らかにできるかもしれませんね。


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