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NASA史上最長の稼働期間記録を持つ探査機“ボイジャー2号”との通信が中断… 回復は2023年10月の見込み

2023年08月01日 | 宇宙 space
惑星探査機“ボイジャー2号(Voyager 2)”との通信が送信・受信ともに中断していることを、NASAのジェット推進研究所(JPL)が明らかにしました。
通信の回復は2023年10月になる見込みです。
深宇宙を航行する惑星探査機“ボイジャー”(イメージ図)。(Credit: NASA/JPL-Caltech)
深宇宙を航行する惑星探査機“ボイジャー”(イメージ図)。(Credit: NASA/JPL-Caltech)
JPLによると、2023年7月21日に“ボイジャー2号”へ一連のコマンドが送信された際、不注意によりアンテナが地球から2度ズレた方向に向けられてしまったんですねー

その結果、NASAの深宇宙通信網“ディープ・スペース・ネットワーク(DSN)”のアンテナと“ボイジャー2号”の間で行われていた通信は中断してしまうことに…

現在、地球から約199億キロ離れた空間を航行している“ボイジャー2号”は、コマンドの受信もデータの送信もできなくなっているそうです。

ただ、“ボイジャー2号”は、アンテナを地球に正しく向け続けるため毎年何度か姿勢をリセットするようにプログラムされていて、次のリセット実行は2023年10月15日の予定になっています。

JPLによると、運用チームは“ボイジャー2号”がその日まで計画通りの軌道を維持し、地球との通信も再開されると期待しているそうです。
なお、同型機の“ボイジャー1号”は、地球から約240億キロ離れた空間を通常通り航行しているとのことです。

中断していた“ボイジャー2号”との通信が回復しました。
ジェット推進研究所によると“ボイジャー2号”は正常に動作していて、観測機器で得られた科学データや探査機自身の状態を示すデータの送信が再開され始めたということです。

8月1日付で“ボイジャー2号”からの搬送波(情報の伝送に用いられる基本波のこと)を検出したことが発表されていました。
でも、信号が微弱すぎるためにデータを読み取ることはできず…

8月4日には“ディープ・スペース・ネットワーク”のキャンベラ深宇宙通信施設(オーストラリア)にあるアンテナ“DSS 43(Deep Space Station 43)”から“ボイジャー2号”に向けて、アンテナの向きを地球の方向へ戻すためのコマンドを送信。
現在、“ボイジャー2号”は地球から約199億キロ離れた空間を航行していて、通信には片道だけでも約18時間30分かかってしまいます。

上手くいかない可能性もある試みでしたが、送信から約37時間後の日本時間8月4日13時29分、“DSS 43”が“ボイジャー2号”から送られてきたデーを受信したことで通信の再確立が確認されました。

1977年に打ち上げられた“ボイジャー2号”は、16日後に地球を出発した“ボイジャー1号”と同じく、その設計寿命5年のうちに木星と土星への接近探査を行っています。

その後の遠隔アップデートにより“ボイジャー2号”はさらに高性能化され、天王星や海王星への接近通過も実施。
4つの惑星探査“グランドツアー”を終えた“ボイジャー2号”は、太陽圏を脱出して恒星間空間を航行し続けているんですねー (“ボイジャー1号”が行った接近探査は木星と土星のみ)
寿命をはるかに超えて46年間もにわたってミッションが継続されています。


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