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最後のミッションは彗星への着陸。探査機“ロゼッタ”は9月29日に降下開始

2016年09月26日 | 彗星探査 ロゼッタ/フィラエ
2014年11月、人類は初めて彗星に探査機を着陸させることに成功しました。

ただ、着陸機の“フィラエ”は機体の固定に失敗し、
日が当らない場所に傾いて着地してしまい、太陽光による発電が出来ない状態に…
バッテリーを使い果たした“フィラエ”は冬眠モードに入ってしまいます。

いっぽうで相棒の探査機“ロゼッタ”は、
その後約2年間も彗星の上空から数多くのデータを地球に送り続けてくれています。

でも、そのミッションもついに最後の時を迎えるんですねー

この9月末に“ロゼッタ”は彗星に着陸し、
その後最後のデータ収集に取りかかることになります。
チュリュモフ・ゲラシメンコ彗星


着陸予定場所

最近、ヨーロッパ宇宙機関は“ロゼッタ”の着陸予定場所の画像を公開しました。

その場所は、ふたつの岩を合体させたように見えるチュリュモフ・ゲラシメンコ彗星の、
小さい方の岩の先端近く。

その場所は無事着陸できることを祈るためか、
調和や秩序を司るエジプトの女神にちなんで“マアト”と名付けられています。
“ロゼッタ”の着陸予定場所“マアト”

“マアト”には石がゴロゴロ散らばった鳥肌のように見える部分と、
真っ暗で深そうな穴があり、そこからは激しいガスやホコリが噴き出しているようです。

見るからに荒涼としていますが、だからこそ探査する価値があり、
ここからチュリュモフ・ゲラシメンコ彗星の形成を理解するためのカギが、
見つかるかもしれないんですねー


どうやって彗星ができるのか

“マアト”の穴は、壁の内側の構造が変わっていて、
壁の表面が3ミリのボールをくっつけ合わせたみたいになっています。

これは彗星が形成されたときの無残りだと考えられている。

ロゼッタミッションにとって重要な課題は、
彗星がいかにして彗星になるのかということを突き止めることです。

小さな氷のかたまりが、いかにして集まり、凝固してまとまっていったのかを、
“マアト”の壁にある構造を調べることで、答えにつながる何かが得られるかもしれません。


ミッション最後の計測

“ロゼッタ”は9月29日に降下を始め、30日に着陸する予定です。
“ロゼッタ”の最後の1週間の動き。
彗星を周回していた“ロゼッタ”は29日に降下を始める。

そのとき、搭載された“オシリス狭角カメラ”は、
彗星上の複数の穴をより良くとらえるために角度を合わせ、
地球との交信を絶つまでの間、詳細な画像を撮り続けることになります。

“ロゼッタ”が最後に到着するのは、
“ディール・エル=メディナ”と呼ばれている幅130メートルの穴のわき。
(穴の中が横目で見えるイイ場所に降り立ちます。)

質量分析計による大気中の物質の計測や、ホコリの取り込み、
太陽風に対する地表の反応もプラズマ計測機で記録するなど、
カメラ以外の観測機器も最後の仕事を始めることになります。
彗星へ着地寸前の“ロゼッタ”のイメージ図

そして“ロゼッタ”が最期を迎える場所“マアト”は、
最近見つかった“フィラエ”と同じかたまり側にあります。

なので予定通りなら、
“フィラエ”と“ロゼッタ”は最後に数キロの距離に近づくことになります。

ミッション終了後には、
二つの探査機が寄り添ったように太陽を離れて行くことに…
最後のミッションが成功するといいですね。


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