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観測時期に応じてタイプが変化する新星“ASASSN-17hx”を発見! 新星爆発のメカニズム解明に向けた重要なヒントになるかも

2019年07月16日 | 宇宙 space
2017年6月に爆発を起こした新星“ASASSN-17hx”のタイプが、観測時期に応じて変化するという非常に珍しい特徴を持つことが、インドネシア・ボッシャ天文台の観測で明らかになったそうです。


日本国内では難しい新星の観測

新星は、白色矮星と呼ばれる地球サイズの高密度天体の表面に伴星からガスが降り積もって、質量や温度が限界に達すると白色矮星の表面が吹き飛ばされる爆発現象です。

爆発によって明るくなる新星は、天の川銀河の中でも年間に10個ほど発見されています。
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新星爆発のイメージ図
新星が出現する確率が高いのは、恒星が密集した天の川銀河の中心部に近い方向。
なので、銀河の中心方向が見やすい場所から観測を行うことが新星の発見や研究の上で適しているんですねー

この点から、観測は日本国内よりも赤道付近や南半球の方が有利になってしまいます。

そこで、京都産業大学の神山天文台では、2014年にインドネシアのバンドン工科大学の学生を招いた新星に関する研究・観測実習を実施。その翌年には両大学間で研究協定を締結します。

その後2016年には、神山天文台から低分散分光器をバンドン工科大学ボッシャ天文台へ移設。
日本では観測できない新星の観測研究を開始することになります。


観測時期に応じてタイプが変化する新星“ASASSN-17hx”

今回、ボッシャ天文台で実施した観測から判明したのは、新星“ASASSN-17hx”が非常に珍しい特徴を持っていること。

2017年6月23日頃に“たて座”の方向で爆発を起こした新星“ASASSN-17hx”のタイプが、観測時期に応じて変化していたんですねー
○○○
“ASASSN-17hx”の光度曲線。縦軸が等級、横軸が日付。
色の違いは観測波長の帯域の違いに対応している。
これまで新星のタイプは、爆発放出物の成分の特徴から2つに分類されてきました。
鉄イオンの輝線が顕著な“Fe II型”と、鉄イオンの輝線が目立たずヘリウムや窒素の輝線が顕著な“He/N型”です。

でも、なぜそのようなタイプに分かれるのか? っといった分類の物理的意味は十分に理解されていませんでした。

観測時期に応じてタイプが変化するという今回の結果は、これまで行われてきた新星の分類が、新星爆発による放出物の成分量を直接反映しているということではなく、放出のメカニズムに起因した物理状態の違いを反映している可能性が高いことを示唆しているのかもしれません。

そう、今回の結果は、新星爆発のメカニズムの解明に向けた重要なヒントになると考えることもできます。

神山天文台とボッシャ天文台の研究協力は、今後さらに強固になるようなので、新星の謎について観測・研究が進むといいですね。


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