akikoの「活動」徒然記

活動弁士佐々木亜希子の身の周りの出来事やふと感じたこと

『巨人ゴーレム』

2018-10-12 | 活弁

今日は、永田雅代さんと『巨人ゴーレム』のリハーサル。
この世界、かなり面白いです。

先月のロシア映画『アエリータ』に続き、知る人ぞ知る、面白い作品です。

今年の1月から3月まで開催されていた「神聖ローマ帝国皇帝 ルドルフ2世の驚異の世界展」。
アルチンボルドによる衝撃的な肖像画が記憶に新しいと思いますが、このルドルフ2世統治下のボヘミア王国、芸術や学問で栄え、錬金術や占星術で神秘を極めた首都プラハが舞台です。

国王による「ユダヤ人追放」という受難を救うため、ユダヤ教の指導者ラビが作ったのが巨人ゴーレム。

ゴーレムは、後の多くの映画に影響を与えています。
どうみても「大魔人」だし、胸の🌟はウルトラマン。ロボットの原型でもあり、「メトロポリス」ばりの誕生シーン。
ドイツ映画らしさ満載。

巨人ゴーレムがそれほど巨大でないのは、人間がやっているからで、それは監督も務めるパウル・ヴェゲナー。
どうしても撮りたくて、自分がゴーレムになって三回も映画を作っちゃった。
ちゃんと現存するのは、1920年のこの作品だけですが。

そして、素晴らしいのは、表現主義的意匠に満ちたゲットー!
装置を担当した建築家のハンス・ペルツィヒは、ベルリンのテンペルホーフの広大な野原に、ユダヤ人の街ゲットーを作り上げました。曲がりくねった路地、かたつむりのようにくねくね曲がった階段。これが映画の幻想的雰囲気を最大限に引き出しています。
(テンペルホーフといえば、『カリガリ博士』の舞台ですわ)

この作品が、第一次世界大戦後のドイツ国民に与えた印象や影響や、彼らのユダヤ人への意識を考えるととても興味深いです。芸術好きなヒトラーもきっと観たはず。

永田さんの音楽もステキ。
いつも、お互いリハーサルで「この方向でいいよね」「大丈夫、面白いよね」と全体を確認し、たくさん映画の印象や感想を言い合い、安心して本番に向かいます。

というわけで、マニアックな印象の作品かもしれませんが、いろんな意味で楽しめますよ~‼️

 

10月16日(火)21日(日)活弁シネマートライブ54th
『巨人ゴーレム』(1920年)ドイツ 63分 

活動弁士 佐々木亜希子
生演奏  永田雅代 

併映は、『チビッコギャング~ドッグデイズ』
 弁士は、成瀬わさびさんが務めます。

【時間】10/16(火)19:00  10/21(日)16:45
【料金】 ◎一般2000円(税込)◎シネマート会員1,800円
 ◎学生1500円◎障害者1000円

 
 
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