今回の出張の最大の目的は、羽毛のリフレッシュ工場の見学でした。厚木市と愛川町にまたがる工業団地の中にありました。中央には飛行機の滑走路にもなるような大きな道路が中央に走っています。
ドイツLORCH社のリフレッシュマシーンの全体。1セット約2000万円のマシーンです。日本国内にはわずか10台程度しか無い、世界最高峰のリフレッシュマシーンです。
取引はすでにさせて戴いているんですが、写真や担当者の説明を聞いた範囲ではとても良いのですが、実際の作業工程を是非見たいとやってきました。
その前に、取引に先立って、当店の貸布団用で使っていた古い羽毛布団などを5枚ほど試しにリフレッシュしてみました。ダウン50%・70%・90%・93%・95%の羽毛です。非常に羽毛のパワーも回復し、特に今まで十分に除去できなかったファイバーが、良く取れていました。これなら皆様の大切な羽毛を傷めることなく洗える事が判り、さらに喜んで戴けるリフォームができると思いました。
実際の工場の中です。作業順にご覧いただきます。
羽毛ふとんの解体作業 ・・・・・ カッターで生地を切り、中羽毛を取り出します。羽毛は下から吸引され、隣の洗濯槽に入ります。
羽毛を洗う・・・羽毛の種類・量に応じて洗濯時間やEM溶剤の量を変え洗います。もちろん1枚ずつ洗います。飛び出している板状のものは、時間やEM溶剤(洗剤ではありません)を制御するパンチカードのようなものです。種類も数種類あります。
洗剤は一切使用せず、バクテリアによる洗浄です。実際に使用するには、溶液を薄め発酵させ、4日程経てから使えるようになります。無害ですから飲むこと(飲用)もできます。【左の写真】 洗濯直後の羽毛です。無害溶液で濡れています。でも人の手で洗うように作業しますから、羽毛が絡んだりしていません。【右の写真】
乾燥・殺菌・除じん作業中。
右上には羽毛ふとんに付けた弊社からの作業指示書が一緒について回ります。絶対に他の羽毛と混ざることが無いと確認しました。
最後に右端のBOXに羽毛が貯められ、リフレッシュが終了します。リフレッシュした羽毛を1g単位まで計量して、最終検査をした後、弊店に帰ってきます。
今回の工場見学で確認できたこと
①マシーンは世界最高である。国内の羽毛洗濯機は、コインランドリーの洗濯機を改良したものがほとんどと聞いているが、LORCH社の洗濯機は設計段階から羽毛用に特化したマシーンである。手洗いのように優しく洗っている。②一度に洗える羽毛の量が3kg未満であり、乾燥は2kg程度までである。従って、他の羽毛と一緒に洗いたくても出来ない。他人さまの羽毛と混ざることは物理的に不可能である。③合成洗剤は全く使用していない。EMによる溶液を発酵させて汚れを取り除くため、羽毛の油脂分まで落とすことはない。④最新のマシーンではあるが、自然に優しい・人に優しい作業であり、作業効率は悪い。1枚づつ洗い終えてから次の洗いに入るので、1日に出来る、枚数は10~12枚ぐらいである。残業をしてフル操業しても20枚~25枚と聞いている。
リフレッシュされた羽毛は弊店の店内で、お客様の好みの厚さに仕上げられる。
1マスずつ計量して入れます。
合いふとんにするなど、好みの厚さに、また、衿の部分のみ厚くとかもできる。足し羽毛も均一に足すのではなく、中央部に新しい羽毛を入れるなど、1枚1枚丁寧に作らせて戴いている。
昨年度までは、ごみや骨粉・ホコリ化した羽枝などの劣化した部分はある程度取り除けたが、ファイバーが充分取り除けなかった。今年からは、完璧なリフレッシュが可能となった。きっとお客様には、今まで以上にご満足戴けるものと確信しております。
最高のリフォームで、気持良くなさい。・・・・・