(A)ベッドマットの買い替えを以前から考えていたお客様です。
ベッドのマットは固いのだが、10年弱使っていることもあって、寝心地が悪くなり、身体に合わないというので、 トゥルー▼リーパーを買われたそうです。
初めは良かったそうです。でも、1年ほどでトゥ◆ースリーパーのコシが無くなり、全く使用する意味をなさなくなったそうです。当初、4年から5年程度は大丈夫だろうと思って購入されたそうです。ダブルサイズで26,800円(税込)ですから、当初1年あたり5~6,000円(一人当たり3,000円弱)ぐらいになるから「まあ良いッか」と計算されたようです。
結局1年でダメになったから、26,800円。もし、10年快適さを追求するとなると、X10で268,000円となる。とんでもない高い買い物をしてしまったということだ。
(B)要支援2のご主人と、要介護2の奥様です。
介護ベッドをレンタルされたのは、要支援2のご主人です。腰の部分を手術され固い病院のベッドで殆ど熟睡できなかったそうです。退院に当たってぐっすり寝たいからと柔らかい低反発マット(約3.5㎝)を用意されました。退院後実際寝てみるとなんとなく自分の思っていたのと違うと言われました。
一方の奥様は要介護2です。かってベッドは「固いが良い」と言われ、フラ▼スベッドの固いベッドを選ばれました。十年以上使用されているそうだが、体調を悪くした数年前から、知人の薦めもあって低反発マットを使っているそうだ。6~7㎝ほどの厚めの低反発マットを乗せ、さらに敷きふとん(中綿不明・木綿わたと思われる)を重ね敷きされていました。
特に痩せている奥様としては数年前にはすごく良かったようですが最近はイマイチなんですと・・・。
どちらのご夫婦も寝心地が良くなると思って、低反発マットを購入されたようです。
低反発マット(トゥ◆ースリーパー)と言えども、完全な商品ではない。購入して良い人もいれば、悪い(合わなかった)方もいます。
多くの皆さんは、購入直後は、すごく良かったと言われる方が多いようです。だが、何故か、途中から合わなくなってしまったようです。
(A)のご主人は、スゴイ汗かきである。低反発素材の最大の欠点は「水に弱い」ということだ。どの程度弱いのか?もちろんメーカーは自社製品の弱点など公表はしないから、数字的には解からない。
(B)の奥様は汗かきではない。だが、時間の経過とともに商品の劣化が進んでしまったようだ。
メーカーでは無いので、正確なことは言えないが察するところ次のような理由だと思われます。
一般的な低反発ウレタンマットの特徴・特性を調べてみた。
ウレタンメーカーの方に聞いてみると・・・・。
ウレタンマットは、細かい気泡を抱えている。それらを形作る膜がある。低反発はその膜が緻密に存在する。膜が空気の流れを阻止することによって、ゆっくりと沈み、手を離してもゆっくりと膨らんでくる。だから、通気性が悪いということであり、それ故に、特に夏は暑いのである。
低反発特有のゆっくりとした反発は膜によって生まれるのだが、その膜が壊れやすいのだ。低反発マットは工場で製品となったその時点から、膜が破れるのが始まるそうだ。つまり時間が経てば、ましてや使用するほどに膜が破れてしまう。
また、その膜は水に弱い。低反発マットは洗えない。正確に言えば洗えるが、洗うほどに幕が破れ低反発で無くなるのだ。低反発マットが苦手とする体質の方は、(A)のご主人のように、体重が有り(BMIが25)汗を良くかく方かもしれない。
(全てのウレタン系マットに言えることだが)低反発マットにも「品質」に大きな差があることは、あまり知られていない。1㎥(立方m)あたり、トゥ◆ースリーパーで約20㎏だ。ちなみに、弊店で多く販売している西川リビングの低反発素材は約50㎏である(いずれも推定値)。道理で長期間の使用(いまのところ8年経過)であっても、ヘタリや寝心地の変化による苦情はまだ戴いたことはない。
でも、たとえ天下の西川と言えども、メーカーの言うことを鵜呑みにしないのが爺の「いやらしさ(笑)」でもある。品質の低下が心配になったので、西川の低反発素材を「水洗い」してみた。
水は確かにしっかり吸う。何度も吸わせ、何度も絞った。絞らずにそのままにしておくと水は殆ど抜けない。たぶん、そのままにしておくと「カビ」が生えるだろう。新聞紙で巻きながら絞った。1週間分の新聞紙はすぐに水浸しのようになった。最後に新聞紙で上下を挟み、丸一晩(約18時間)上から重石を置いてヘタリ具合も検証した。
見たところ、何の変化も無い。水で洗っても大丈夫ではないか・・・。反発力も良いし・・・。しっとり感もあるし・・・。心配することは無かった。
ところが、よ~く観察してみると、なんとなく「押した後の戻りが速いようなきがする。」 以前は押した手の型が消えるのに5~6秒かかったと思うが、洗濯後はわずかに1秒と差がある訳ではないが、なんとなく時間が短い。爺だけではと思い社員にも「手形」の残り具合を見てもらった。何も言わずに実験してみると「変わらない」という。洗ったことを説明をして再度実験してみると「本当だ、なんとなく早い」という言葉が返ってきた。
洗ったことによって即変化が生じる訳ではないが、西川リビングの低反発ウレタンは、密度が標準より2.5倍もの比重があり、緻密だ。その為からか、劣化は人の感覚では解からない程度だ。
トゥ◆ースリーパーで実験する必要があるかも。
もう一つメーカーの保証について調べてみた。
トゥ◆ースリーパーには「1年保証」が付いている。60日返品OKとなっている。裏を返せば「寝心地の良いのは1~2年」ということなのか?・・・ちょっと言い過ぎかな。
西川リビングの低反発素材には「○●年保証」はない。
羽毛ふとんにも実は保証書が無い。そのことを昔、故西川実社長だったか専務だったかに聞いたことがあったが、「品質に自信があるから保証書はあえて付けないのだ」という趣旨のことを聞いたことがある。「西川品質」という言葉を爺が初めて聞いたのも、故西川実社長であった。
話が逸れたが、低反発素材はその商品特性から保証の付けにくい商品だということのようだ。
長期間の保証が付くことは、消費者にとっては有難いことだ。だが、保証と言っても「形状保証」であって、寝心地に大いに影響するヘタリ(コシの強さ)の保証については曖昧である。電化製品のように突然壊れる訳では無いからだ。
商品としての形は存在する。でも、寝心地はいつまでも同じではない。一時良い品であっても、長くその良さが続かなければ「結局は高い買い物」となってしまう。
言葉巧みに販売しても、安いからと言って販売しても、皆さんが最後に判断するのは「ぐっすり眠れた」かどうかだ。その結果で、店(企業)の信用が作られていくと思う。
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