上手に眠れば元気になれる・・・ オーダー枕とベッドの快眠ひろば

寝具の商品情報から正しい使い方まで。健康的に上手に眠る(科学的?)サイト。ふとん屋の爺の「寝言戯言独り言・趣味」の話。

ベッドのサイズ(寸法)の裏話

2010-07-16 03:08:39 | ベッド&ベッドマット

 日本ベッドの新作発表展示会(大阪)に行ってきた。

 ベッドマットの寸法は、どのメーカーも概ね「98(97)x195㎝」が一般的だ。
 先日のフランス旅行でのもそうだったが、世界的にはどうも「100x200㎝」が標準のようだ。イタリアのメーカーにも聞いたが、やはり 100x200㎝だそうだ。

 なぜ、日本のベッドは世界標準よりほんの少し小さいのだろう。「日本人は小さい」ということからだろうか?それとも、家の造りとなる基準値…mモジュールと尺貫法との違いからだろうか?

 アングロサクソン系(イギリスなど)の方は大きいが、ラテン系(イタリアなど)の方は日本人と大差ない。日本に輸入されるマットは「日本規格」に合わせてあるようだ。殆ど100x195㎝が多い。


 ところで、人が寝るのに必要な大きさはどれくらいだろう。
 爺の場合、SDサイズのベッドで広々と一人で寝ています。その時々の爺(人間)一人が使う(ベッドとの接地面積)幅は約30~40cm程度です。寝返りし、横寝をすれば幅は20㎝程度です。左右分を合計しても70~80cmです。
 それが理由かどうかは解かりませんが、SSサイズの幅は80㎝。Qサイズ(160㎝幅)はSSサイズのマットが2本の幅となります。セミダブルは一般に120㎝幅、ダブルは140㎝です(メーカーによっては数㎝の誤差があります。)
 シングルにせよ、他のサイズのマットにせよ、人は端っこで寝ることはまず無い。普通の人なら先程検証したように、その多くの時間は中央部にいる。幅70~80㎝・丈は120~150㎝程度の中央部である。中央部のコイルがヘタることは数年から十数年かかる。しかし、詰め物は布団と一緒だから数年以内に、時には数カ月でヘタることがある。
 以前、ベッドメーカーの開発研究室の方と話をする機会があり、中央部の厚みをほんの少し厚くできないかと、申し上げたことがありました。

                     敷きふとんは「板かまぼこ」

 ふとん屋の常識(?)として、「敷き布団は板かまぼこ型」に作ります。
 先程、人が一晩の間に使う部分は中央70~80㎝と言いました。特に中央40㎝はもっとも圧がかかります。周りはふかふかなのに中央部は早くペッタンコになります。手作りの布団だからこそ少しだけ中央部を厚くします。寝心地の良い布団は、この時のわずかな厚みの違いによって生まれます。ふとん屋(職人)の腕です。工業的にふとんを作ると殆ど同じ厚さで作られます。化繊綿が多く混ざった敷き寝具は余計に中央部がヘタるのです。
 爺が丁稚小僧に行っていた布団店の当時の社長は、中央部が早くヘタったふとんは最悪だと言い、そのようなふとんを「土手綿(どてわた)ふとん」と言ってました。
 「寝心地の良い敷きふとん」とは、「身体(腰)を支える支持性」と「包み込むような感触の良さ」との2つが大事でしょう。


 マットのサイズの話に戻しましょう。98㎝幅はどこからきたのか?何故100㎝ではないのか。丈も195cm。200㎝でないのはなぜだろう。
 意外なところから、この寸法は出てきました。

 爺が生まれる前の話です。
 終戦になり、日本に進駐軍がやってきました。主に海兵隊です。海軍はやはり限られた船の中での寝起きになりますから、アングロサクソン系といえども、少しベッドは小さかったようです。90(95)x190cm程度だったようです。陸上で寝起きすることになりましたから、少し大きいベッドをGHQは要求したようです。日本のベッドメーカーの代表として「日本ベッド」とGHQとの交渉(命令)によって、1インチ=25.4 mm ですから 38.5インチx77インチ=約97.8㎝x195.6㎝となり、この寸法で作られることとなりました。ここから日本のシングルベッドのサイズは約97x195cmという寸法になったとか。
戦争前後の頃の日本のふとんは102x190㎝が一般であった。その後195㎝、197㎝、200㎝、210㎝と新型カローラが出るたびに大きくなったように、ふとんのサイズも大きくなっていった。だが、ベッドは何故かそのままのようだ。

 この話、本当だろうか?こじつけのような気もする。だったら40インチx80インチ(101.6x203.2㎝)に何故ならなかったのだろう。
  この話が本当かどうかは全く解からない。この話の出所は「日本ベッド」の社員からである。

コメント
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