朝晩は涼しい風が吹き始めた。朝はセミの声がうるさかったが、もう聞こえてこない。夜、虫の声が大きくなった。
礼文島は国境の島である。山の上にあるのは、自衛隊のレーダー基地だそうだ。いわゆる航空識別圏を越え、日本に近づく飛行物体や海峡を通過する船舶の監視する拠点だと聞いている(真偽のほどは不明)。
そこに、勤務する自衛官は、24時間365日、暗い部屋で一時も怠り無くレーダーとにらめっこしているらしい。もちろん交代勤務だが、精神的にオカシクなりそうだとも聞いた。最近では、北朝鮮のミサイルなどは最も注意しなければならない。
礼文島は縄文の時代から、平和な島である。この先も長く平和な島であって欲しい。
島の北側には「須古頓(スコトン)岬」と「金田ノ岬」。それらに囲まれるように船泊湾がある。ここに船泊遺跡(国指定重要文化財)という縄文時代の遺跡がある。町役場(教育委員会)に電話して聞いたが、発掘現場そのものを見学することはできないとのことだった。香深のフェリー乗り場の前に「礼文町町民活動総合センター」があり、その建物の中に出土品の一部が展示されているというので、観光の後立ち寄った。
メノウ浜と地蔵岩(上) 桃岩と猫岩(下)
ロビーの一角に、十数人の国内外の大学生と思われる集団が、説明を受けていた。英語であった。何を言っているかは全く分からなかった。
この船泊遺跡は、学術的に貴重な遺跡のようだ。縄文当時の交易の範囲が本州はもとよりサハリン、それ以上であったらしい。出土品の中には、房総半島より南方に生息する貝殻もあったそうだ。青森の三内丸山遺跡へも以前行ったことがあるが、出土品から見える縄文人の精神生活もまた、素晴らしいものと言えるようだ。爺が中高生のころに考えられていた(教えられた)縄文文化は、本質が正しく理解されず、外見上見える部分での判断であった為、いかに間違っていたかが分かってきた。縄文文化はもっと謙虚に研究されるべきなのだろう。
縄文文化に現代人は学ぶべきところが多々あるように思う。
出土品目録(96P)とパンフレットは、館内で戴いたものである(入館料以外は無料)。300円x2人の入館料は、あまりにも安い。
先ほどの礼文町町民活動総合センターでの学生の中に、海外の学生(留学生?)が多数居たと言ったが、日本の北の端の離島にまで来て、多くの外人を見るとは思わなかった。冬のニセコなどは有名なので解る気もするが、思った以上に海外からの観光客も多いということだろう。
レンタカーを借りるため、ホテルから香深のフェリー乗り場まで送って戴いた。ホテルのマイクロバスに7名が乗車した。運転手さんが、お客様は爺婆二人だけと言ったので、他の乗客はホテルの従業員かと思っていた。婆が話しかけたら・・・・言葉が通じない??? 中国上海から来た学生や教師の 皆さんであった。
30数年ほど前、香港へ行った。その時筆談で意思の疎通がなんとかできた。その経験から、大方の漢字は分かるから、婆に筆談をするように言った。すると、学生の一人がスマホの翻訳アプリを起動した。スマホに話しかけると中国語に、日本語にと通訳してくれた。便利だ! びっくりポンや。
中国と日本とは今、多少ギクシャクしている。だが、こうして日本へ来てくれた彼らは、日本を多少なりとも理解してくれているようだ。本音は分からぬが「日本は好きだ」と言ってくれたことは嬉しい。洋の東西古今を問わず、権力者は自分の都合の良いことしか言わない。犠牲になるのは、結局多くの人々だ。
自由に話ができ、自由に旅ができる平和な時代になって欲しいですね。
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