普通のおっさんの溜め息

戦前派から若い世代の人たちへの申し送りです。政治、社会、教育など批判だけでなく、「前向きの提案」も聞いて下さい。

企業の倫理観と責任は?

2006-12-10 22:04:18 | 政策、社会情勢

12月8日づけのニュースから

1.「1日8時間」を除外、厚労省が新労働ルール案提出
厚生労働省は8日、高収入の事務職サラリーマンらを1日8時間の労働時間規制から除外する制度の導入を柱とする新しい労働ルールの最終報告書案、を労働政策審議会労働条件分科会に提出した。
現行の労働基準法は、1日8時間、週40時間を法定労働時間と定め、これを超える労働は残業となる。
新たな「自由度の高い労働時間制」では、規制から除外された労働者は、自らの判断で1日の労働時間を調整できるため、働き方が大きく変わる。
ただ、残業の概念がなくなるため、残業手当は支給されず、「会社側から長時間労働を強要されやすい」との指摘もある。
(2006年12月8日 読売新聞)

経団連は政府に要請して、労働者派遣法を成立させ、同じ職場の同じか似た仕事をする社員と契約社員の給与格差を持たせることに会社の経費を抑えることに成功しました。
然しこれは正式社員と、契約社員の同一労働同一賃金の原則を破る非人道の取り扱いであり、いま問題になっている社会格差の増大の問題の大きな原因の一つでしょう。
今回の「自由度の高い労働時間制」は企業の経費削減の方針の観点から見ると、
明らかに対象の職種の増大する残業手当ての削減であることは誰の目から見ても明らかです。

勤勉な日本人で、そして競争の厳しい会社の中で、自由度が高いからといって、定時間内に帰る人は皆無でしょう。
昔だったら労働基準法の違反になることを、制度化してしまうお蔭で残業時間が無制限に増えて来るのは明らかです。
そしてこの為に、先の社会格差の増大のようにまた別の大きな問題が起こるのを心配するのは私だけでしょうか。

2.宮崎県知事の逮捕
宮崎県の官製談合事件で、県警は8日、前知事の安藤忠恕(ただひろ)容疑者(65)を競売入札妨害容疑で逮捕した。 (毎日新聞) - 12月8日                               

テレビでは、この件に関して、元の宮城県知事の浅野さんが、選挙の時特定団体の応援を受けると、その恩義に報いたくなるのは人としての道だ。だから私は選挙の時はどの団体からも応援を受けなかったので、このような心配はせずに済んだと言っていました。                          
これは単なる知事の問題でなく。政党やそれを支持する団体や会社でも十分に考えさせられる問題のような気がします。

3.三菱UFJが政治献金再開…9年ぶり、3000万円
三菱東京UFJ銀行は7日、1998年から自粛している政治献金を9年ぶりに再開する方向で最終調整に入った。
公的資金を完済したことや、日本経団連から応分の資金協力を要請されたことを受け、献金額は3000万円を軸に検討している。
銀行界は、金融システム安定化に向けて国から公的資金の注入を受けた1998年から、足並みをそろえて政治献金を自粛している。
「公的資金の返済を最優先する」という献金自粛の最大の理由がなくなった。
ただ、現在好業績の大手行に対して「もうけ過ぎ批判」も根強く、顧客・株主への利益還元をどう拡大するかが焦点となりそうだ。
(2006年12月8日 読売新聞)

読売は別の紙面で、この背景には政治に対する経済界の影響力を高めたい経団連の強い要請があることと記している。

<<膨大な資金力を利用して政界に圧力を強める経団連>>
またこの件に関しては多くのメディアが、5年間も法人税を納めていないこと、ゼロに近い預金利子、公的(国民の税金)による再建などの点から国民にその利益を還元すべきだと、銀行の政治献金に批判の目を向けている。 
その金融界が、世の批判にさらされながら、敢えて政治資金をだそうとしているのは、
経団連のその圧倒的な資金力を利用して、新たにさらに与党に圧力をかけようとしている現れのようです。

勿論経済界としては、賃金の安い膨大な労働量を持つ隣国の対抗するためにあらゆる手段を講じているのは判ります。
しかしその資金は、会社の従業員の浄財ならともかく、本来は会社の金で、資本家の投資や従業員の努力が生み出したものです。
こんな金で福島、奈良、宮崎の各県のように政治が動かされてよいものでしょうか。、
明らかにこの金が一部の政党に回り、選挙が行われるのは不公平ではないでしょうか。
それで、前の各県知事のように不正が行われない限り、どの様な曲がった、不公平な政策が法に反しなければそれでせ良いのでしょうか。、
前にも書いた様に、核家族化へ大きな影響を及ぼして、社会環境の劣化の一因を作り、契約労働者の導入で、格差社会を生み出そうし、サービス残業でただ働きをさせ、さらにこれを制度化しようとしています。
http://blog.goo.ne.jp/mutouha80s/d/20061205
経営者達の先輩達は、企業活動を通じて社会に貢献すると言う社是をもち、曲がりなりに、社会との共存を図って来ました。

<<経営者には倫理観などないのですか>>
会社は今までのことに、少しは良心の咎めを感じ無いのでしょうか。
景気が回復してきたこの機会に会社は金儲けでなく、その金を社会に還元することを考えるべきでないでしょうか。

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