普通のおっさんの溜め息

戦前派から若い世代の人たちへの申し送りです。政治、社会、教育など批判だけでなく、「前向きの提案」も聞いて下さい。

市場中心主義経済と農村の活性化

2007-08-27 12:38:15 | 農村問題

<<市場経済の意味すること>>
 市場経済について考えるに当たっての基本条件がある。
1.日本は市場経済によって今まで繁栄を維持してきたので、これを抜きにしては考えられない。

2.市場がグローバル化すれば、世界的に同一労働同一賃金になってくる。
 仮に日本で、時間当たり、100個の同一製品を同一の品質で生産をしている人が時給1000円を得ているとする。
 隣国の中国で仮に同じ条件で時給100円しか得てないとすれば、日本企業が従業員に支払っている時給を下げねば競争に勝てない。

 韓国が競争相手として現れた時は、同国の発展に伴って生活レベルが向上し、賃金も上がった。
 然も人口が少ないのと、もともとの賃金格差が少なかったので、両国の賃金が平均化が急速に進み、相変わらず強力な競争相手には違いないがバランスしてきた。

 中国の場合は、圧倒的な賃金格差、人口数の違いががあり、同国の生活程度が向上とともに賃金が上がり、日本の賃金とバランスするまでは(多分非常に)永い年月を要する。
 その間日本は同国の賃金が上がる前に日本の賃金を下げねば競争に勝てない。
それが低賃金のパートや派遣労働者の増加になり賃金格差、ワーキング・プアの言葉まで生まれてきた根本原因だ。

<<日本の貧乏化の対策>>
 だから真っ正直な首相がいたら今の状態では、ある程度の給料ダウン、消費の減少、日本の全体の貧乏化は避けられないことを日本人に告げるだろう。
 特に賃金については、同一賃金同一労働の原則から、正社員の給与ベースのダウンと、契約労働者のベースアップの必要性だ。

 当然国内の消費は減少する。
 それでも経済を発展しようとすれば、当然に残る道は昔ながらの輸出の拡大→賃金カットしか道はない。

 そう考えれば、政府首脳は日本人の持つ価値観の見直しを説くべきだ。
 例えば貧乏ながらも、一億、ほぼ同じレベルの意識を持った暮らし、公平、公正な社会の確立、文化の尊重などなど、そして今まで以上に社会福祉の充実、平和な社会の確立などだろう。

 勿論そんなことを言えば選挙に負けるのは、当然だから絶対に言わない。
 だから安倍さんは依然として、耳障りのよい経済発展を基本政策を国民に訴えている。

 その対策がパート、派遣労働者関係の諸法律の提出→企業で働く要員全体としてね賃金の削減と社会格差の発生と繋がっている。

 これに対する大企業の問題については、前にも何度か書いたので、今回は農村の問題について考えてみる。

<<農村の活性化>>
 バブル時代は大企業中心の発展で、それから得た税金を主に米生産の補助金の形で農村に与えてきた。

 私など若いころは、田んぼはれんげ草による土壌改善、麦と米の二毛作と殆ど遊ぶ暇なし、然も畦道には小豆を植えているのが常だった。

 それが政府の農村政策のお蔭で、いつの間にか、米専門の一毛作の田んぼが増え、休耕田の発生、草原化→農村の過疎化まで進んできた。

 詰まりただでさえ低かった農村の生産性が政府の補助金でますます落ちてしまったのだ

 一方農村の人達は、国際的に見て高い米価のお蔭と、都会への出稼ぎで、低い労働生産性にも関わらず、総中流意識をもって生活を送ることが出来た。

 ところがバブルが破裂と同じ頃の中国の政策転換に伴う発展速の影響で、国家の収入が減少し、補助金の支出による農村の生活の保障も困難になり、またそれがその生産性を却って下げている反省から、他の業種の改革に合わせて、農村の改革を考え出してきたのだ。

 その対策として補助金の大部分を大規模農家へ振り向けることになった。
 この方針は大枠では間違ってないと思う。
 例えば素人眼から見ても、年に僅かに数日しか使わない耕運機や田植機、稲刈り機などを農家ごとに保有するのは大きな眼で見れば、明らかに不合理で不経済だ。

 しかし、この荒っぽい政策のお蔭で多くの農家が政府から見捨てられたと思った所に、民主党が昔ながらのばら蒔き政策を出したのが、今回の自民党大敗の一因となった。

 一口に生産性向上といっても、これに大きな解決すべき問題を含んでいる。
・低い生産性ながらも一国一城の主だった農家の人達が、急にサラリーマン化して会社の幹部の言う通りにできるかなど気持ちの切り換えも時間がかかる。
・これからは具体的に如何に生産性を挙げるか、その為に製造業で成果を挙げている管理手法や改善活動などのノウハウを如何に導入するか。
僻地の農家や、棚田で米を作っている農業を如何に合理化をするか
・世の中の変化について行けない老人中心の農家をいかにケアをして行くか。
・米以外の作物の選定。

 農村の生産性向上については明るい未来がある。
若者の農村復帰
農村の活性化
・過疎化の防止などなど。

 農村の人々は勿論だが、政府も、大企業も、都会に住む一般の人も農村の活性化に是非本腰になって力を入れて貰いたいものだ。


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