戦前・戦中派の私から若い方達への申し送りです。どのような事でも世論に流されずにお互いに自分の頭で考えましょう。
毎年新年に表記の文、8月に「空気に流されて戦争に突入」の各最新版(といっても部分的な追加、修正したもの)を投稿しておりますので宜しければご一覧願います。
私が属する川柳の句会で「憲法から仄かに匂う加齢臭」と言う句を知りました。
確かに憲法が発効してから半世紀以上になるのに手つかずのまま。私流に言えば平和憲法の名の空気にどっぷりつかって思考停止状態。憲法から加齢臭が匂うのも当然です。
「川柳の眼でみた憲法」
川柳は上5~8、中7、下5でなっています。
だから大きな会になるほど句を拾って貰うために一字ごとに最新の注意を払います。
と言うのは多くの句を選ぶ選者は「てにおは」の間違い、論理の矛盾などあれは喜んで没にするからです。
それで同じような眼で憲法の最大の問題の前文と第9条の就いて見てみました。
【前文】
「英語の前文」We, the Japanese people, desire peace
「日本語の前文」日本国民は、(一部省略)恒久の平和を念願し平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼して、われらの安全と生存を保持しようと決意した。
冒頭から英語ののWe, the Japanese people の文に連れられて日本国民は、とコンマを入れたもの、日本国民は--- と書けば判ったのに。
「公正と信義に信頼して」に就いては石原慎太郎さんが指摘をしたように「公正と信義を信頼して」にすべきで川柳なら一発で没。
【第9条】
We、the Japanese people forever renounce war as a sovereign right of the nation and the threat or use of force as means of settling international disputes.
日本語の9条:「日本国民は、武力による威嚇又は武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては9 、永久にこれを放棄する。前項の目的を達するため、陸海空軍その他の戦力は、これを保持しない。国の交戦権は、これを認めない。
文その儘で訳せば、我々日本国民はなのに「日本国民は、」としている。いきなりコンマを入れるのは日本語ではない。もう一つの問題は武力による威嚇又は武力の行使は複数なのに、これらでなくてこれを)放棄すると片言の日本語にしている。
なお前文、第9条以外でも憲法全文を通じて何故か「****、これを--」のように普通の日本語では使わない文章ばかりです。
詰まり川柳や俳句なら没になる文章ばかりです。
このような片言の憲法を持っているのは日本人として恥ずかしいと思うのですが。憲法学者や護憲一本槍の野党の人達ははどう思っているのでしょう。文法の間違いなど直すなど簡単の筈なのに。
私は念のためにネットで大日本帝国憲法を見ました。
現在の憲法と大違いなのは
・一項目に一つの事柄だけ、上記のような説明はなし
・漢文調だが正しい日本語
新憲法はまさに文法で言えば間違いだらけ、川柳で言えば殆ど没になるような憲法!
これがどう今の片言で説明だらけの憲法になったのかについては、昔の読売新聞夕刊の記事で直ぐ判ります。
(当時の吉田外相の懐刀だった白州次郎の)母屋の一角に設けられた展示室に、日本国憲法制定作業の際に作られた要綱や草案が展示されている。
白洲は46年2月、GHQから日本国憲法の原案が日本側に渡された場に吉田とともに立ち会った。「GHQから英語の原案をもとに制定作業」を急ぐよう伝えられ、当時の幣原喜重郎内閣は大混乱に陥った。しびれを切らしたGHQは、「一晩で最終案」を作るよう要求し、白洲も、外務省職員と作業にあたった。その日の手記には「『今に見ていろ』ト云フ気持抑え切レス ヒソカニ涙ス」と書き残し、後年「新憲法は米国側から『下し置かれた』もの」と述懐している。
一晩でGHQの原案をそのまま総動員で翻訳するのですから私が書いたように片言の日本語になったのでしょう。
当時の幣原内閣の新憲法発効のための全員の涙の署名は良く知られています。
その後首相になった吉田さんの9条に就いての国会の説明に共産党の野坂参三さんが「要するに当憲法第二章(第九条)は、我が国の自衛権を放棄して民族の独立を危うくする危険がある。それ故に我が党は、民族独立の為にこの憲法に反対しなければならない。」(第九十回帝国議会速記録より) と当然の発言したことも良く知られています。所が今の共産党改憲反対の急先鋒。
こうなったのは日本軍から一時はフィリピンから追い出されたマッカーサー司令官の日本軍の再建を恐れた原案、それを飲まさざるを得ない日本の政治家の占領軍の意向の今流行語に成っている忖度です。それ以降日本の政治家の米国への忖度は今も続いています。しかし当時の関係者が皆涙したのに「憲法から仄かに匂う加齢臭」がしても手着かず放置されているのは何故でしょう。
そんな事は嫌と言うほど知っている憲法学者はどう思っているのでしょう。
憲法学者が合憲か否かついて審判をしても、片言の日本語の日本国憲法はどう直すべきかと書いた本の出版の広告など一度も見た事は有りません。どうしたのでしょうね。
「何故現実無視の前文と9条が出来たのか」
大戦直後の世界の情勢です。世界最強の米国、それと善戦した日本。そのお蔭で世界地図が一変するほど出来た弱小の国々。日本から散々にめにに合わされた中国。日清、日露の戦いで広がった日本の領土。つまり日本人自身も米国を始めとする西欧諸国の人々も日本さえ自制すれば何とかなるかもと言う空気、今から考えれば非現実的な空気が総理に成る前から非戦論者の幣原さんが前文の考え方を提案、それに占領軍が利用したと言われています。
現状は中国が米国に続く大国になり、日本が唯一の頼りの国連は戦勝国の拒否権の乱発。国際裁判所の判決を無視しての南シナ海の主権を主張して領土を拡張する中国。講和条約も安倍さんとの約束も無視して千島列島の返還もしないロシヤ。それにしても前文の前提が今180度変わってもそれにしがみつく護憲条論者!それでも外交的配慮から状況の変化について言わない安倍さん始め国の指導者達。
「米国の軍事保護国になった日本」
総理になった佐藤栄作さんが九条に関連して首相の時大英断をしました。日米同盟の締結です。九条のため軍備を持てないので国防を総て米国に頼ることを決めたのです。戦前・戦中、戦後を知る私から言えば日本はいざと言うときは米国にお願いするしかない米国の「軍事保護国」になったのです。一方戦前の怖い日本にもどるのを恐れる米国もそれを受け入れました。( その現れは東京のど真ん中の米軍の横田基地、喉元の横須賀の米国の海軍の基地の存在です。)
米国の軍事保護国になった日本は何か事あるたびに米国の意向を忖度するしか有りませんでした。米国から見放されたら9条のお蔭で無防備になるからです。
この事実はトランプさんの日本は米軍の駐留経費を払えの言葉でまた明らかになっています。それだけ言われて相応の経費払っているとしか言えない日本。野党の人は日本人としての誇りはどうしたのでしょう。
これ以降の起こる事柄の殆どに関して日本の米国への忖度の歴史です。
日本は軍備の資金の総てを復興へつぎ込み大躍進をしたと言われています。
お蔭で日本は「ジャパン・アズ・ナンバーワン」と言われる程大躍進を遂げました。
安倍さんを引き連れた小泉さんは「世界第二の経済力」をバックにして九条の「国際紛争を解決する手段として武力を使わずに」拉致されん何人かを日本に連れ帰りました。
ハーグの紛争で多くの他の国は軍隊を派遣しましたが九条の国日本は多額の資金を提供しました。しかし同国から何も感謝の言葉が無かったのが当時の大きな話題に。それと米国から「Show the flag 」と言われた小泉さんはイラク紛争のときに地域の人達へ給水をする自衛隊を派遣しました。戦中の経験のある私から見れば、そしてイラクの反対勢力の立場から言えば九条違反の戦争に加担したのです。そして今イラク文書の多くの戦闘の字の存在が問題になっています。護憲派の言う「九条があるから今まで平和だった」と言うのは国内だけ通用する言葉です。戦時中の経験のある私から見れば飛行機で米軍の兵士や武器を輸送すると言うのは明らかな戦闘行為です。ただ好運が重なって死者も障害者もでなかっだけです。当時派遣された自衛隊の記録の中に「戦闘」の文字を見て大喜びで政府を責める野党。野党はその前に何故日本が憲法違反を侵してまで自衛隊を派遣しなければならなかつたのか。野党はその理由は現実離れをした前文に基づく9条の問題点まで議論を広めれば良かったのに。憲法死守の野党は1ミリも憲法の問題点に触れようとしません。与党は護って貰っている米国への配慮で憲法の不備は触れられませんが、国会で憲法反対を称えた共産党の野坂参三さんのような根性のある人それも野党なら憲法の不備など何でも言えると思うのですが。
「外交に経済力も使えず米国にに頼る他ない日本」
前に書いた「ジャパン・アズ・ナンバーワン」の元となつた企業の力を恐れた米国は日本と年次改革要望書を相互に取り交わすことで日本の企業の力を弱めることを計画しました。だから現実は要望書は日本へだけへの一方通行。
小泉さんは米国の意向を忖度して今まで日本を支えてきた「従来の企業活動による社会貢献、技術や従業員や大切にする、そのチームワークと企業への忠誠心による自主管理活動」から「企業や従業員は株主のもの、チームワークより成果主義」の考えを持ち込みました。
そして現状を見るように米国の政策は大成功。企業倫理を忘れた一時期の数々の不祥事件の続発、虎の子の技術の流出、最近でも中国の1千人計画に日本の優秀な頭脳の参加。コストとしか見られない非正規社員の増大、当然のように企業への忠誠心による自主管理活動はトヨタ以外の多くの企業では沈滞?!貧富の格差増大、貧困者対策のための費用増大、日本の経済力も大きく落ちました。
日本にとって拙いことに中国が世界第二位の経済力を持つまでの台頭と日本との格差の増大です。
今となってはかっての小泉さんが拉致された何人かを連れ帰った時のように、中国と大差のついた経済力は使えません。北朝鮮もそれを見越して日本は蚊帳の外だと軽蔑しています。
日本に残るのは以前は何時どう変わるかわからない米国ファーストのトランプさん頼み。「諸国民の公正と信義に信頼して、安全と生存を保持」どころか拉致被害者さえもトランプさん頼みの日本。これからはバイデンさん頼み。
「改めて憲法の前文を見る」
「国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する」は良いのですが、護憲論者は拉致問題の解決の具体策を提案すべきと思うのですが。
前文の「諸国民の公正と信義に信頼」と有りますが、諸国民の代表で日本が唯一の頼りの国連は重要事項の決定に米国、ロシヤ、中国などの戦勝国の拒否権で止まってしまう。それで国連が公正と思いますか。
「諸国民の公正と信義に信頼」はEUの国なら何とか通じますが、日本周辺のロシヤ、北朝鮮、韓国、中国、台湾の内日本が信頼できる国はどの国ですか。
安倍政権は憲法改正に熱心でしたが、外交的配慮で上記の国のことが言えず、いきなり九条改正だけ言うので話が通じません。野党もそれが判っていて憲法改正反対ぱかり。何故か思考停止の憲法学者と護憲論者。平和憲法の空気にどっぷりとは嵌まったままの日本。私の若いころから問題視してきた少子化の問題など難しい問題になると固まってしまう日本。
「平和ぼけの若い人たちを出した政治家、憲法学者の責任」
2018年の4月30日に読売新聞の憲法に関する世論調査の結果がでました。
当時の憲法を改正したが良い51%(前回49%)。国民投票ではどのような改案は没は確実。
その中紹介された20歳男性の意見。
「憲法は理想だ。他国と自国を護る安全装置。戦争放棄は維持すべき。他国の戦争に巻き込まれず、敵対国の攻撃材料にもならず、友好国に不安も与えない。」(文のまま)
彼は日本が日米同盟と言う米国の武力に頼って何とか今までやって来たと言う現実を忘れています。イラク紛争のときの自衛隊派遣は戦争行為だということ。憲法の精神から言えば、米国の武力に頼る必要は全くないし、自衛隊の派遣も拒否するべきです。
憲法の発足時は原子爆弾投下は戦争犯罪、戦犯裁判は国際法違反だと誰でも知っていても言えない時代でしたが、今は少なくともネットや言論誌で言える時代になりました。
しかし原子爆弾廃止の批准も唯一の被爆国でも出来ない日本。その理由を与野党とも知って何も言えない日本。今こそ憲法の基本的な考えの前文から見直し時期に来ていると思います。
2018年の5月2日に読売が自衛隊のイラク派遣が合憲か否かに就いて憲法学者の意見問うた所殆どが違憲の判断の記事が出ていました。私も前に書いたように違憲だと思います。読売は自社で改憲の案を出しているのですから、違憲とすればどうしたら良いか、九条と前文の理想と現実の背理をどうすれば良いかまで突っ込んで訊けばよかったのに。それにしても何かに付けて違憲の審判をするのにそれではどうすれば良いかは言わない憲法学者。憲法学者なら政治家と違って何でも言える筈なのに。
問題は政治家、憲法学者が米国押しつけの(当然米国に有利な)憲法を半世紀以上も「憲法から仄かに匂う加齢臭」で出るまで碌に論議もせず放って置くから前述の若い人の空理空論が出てくるのです。
そして私がブログを始めた2006年から何度でも書く少子化問題のように、憲法改正でも固まってしまう日本。私は少子化も憲法問題もこのまま放置していたら日本はどうなるかと心配しているのですが。
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