先日、アフガン問題に絡んで「民主党」・「アフガン」でネットを検索して、日本主導でアフガン和平 政権交代にらみ民主素案 と言う報道が1月31日にあるのを知りましたが、他のテーマのエントリーを先行しましたので、今日改めて、その内容(青字)についての感想(黒字)を纏めて見ました。
[実行不可能な民衆の和平案]
民主党が政権交代後に実現を目指すアフガニスタン安定化策の素案が三十一日、判明した。
国連にも働き掛け、アフガンに軍隊を駐留させる米国など関係国と、反政府武装勢力タリバンの双方に戦闘停止を要請。アフガンとパキスタン国境地帯から米軍、北大西洋条約機構(NATO)軍、パキスタン軍が撤退、代わりに日本を含む複数国でつくる国際停戦監視団が現地に展開する構想だ。日本政府がホスト役となり、和平実現に向けた国際会議を東京で開催することも想定している。
理想論としては立派ですが、
・今回の金融危機で米国の影響力が弱っているとは言え、依然として国連に大きな影響力を持つ米国、そして日米同盟を結んでいる日本としては米国を先ず説得する必要があると思いますが、アフガンに対する強硬姿勢を打ち出して大統領選挙で圧倒的に勝利したオバマさんの立場を考えると、彼の態度の急変など考えられず、説得の可能性は非常に少ない。
・今まで海上給油位のアフガンに協力していない日本の、増してそれさえ反対していた(日本の)民主党政権の、自国の国民の生命をかけて戦ってきた、米軍やNATO軍の撤退の提案など一笑に付されるだけ。
など考えると日本が国連を動かすのは、殆ど不可能だと思います。
現状では停戦合意の形成は極めて困難とみられ、党内で異論が出ることも予想されるが、小沢一郎代表は基本的に了承しており、鉢呂吉雄「次の内閣」外相を中心に近く成案をとりまとめる考えだ。
前述のように停戦合意の形成は極めて困難 と言うより不可能だと思います。
アフガン支援に関し小沢氏の路線の変換(中略)
素案によると、国際停戦監視団は、これまで戦闘に関与していないサウジアラビア、ヨルダンなどのアラブ諸国と日本で構成。武器は携帯せず、アフガン警察やパキスタン側の自警組織の治安維持を支援する。日本からは自衛官の派遣を想定している。
戦闘に関与していない国や、丸腰と書いた意味も良く判りますが、もしタリバン側が停戦に合意したとしても、アフガン・パキスタンの様な荒涼とした地勢や、部族の力が強い国で散発的にでも、戦闘が起こる可能性が非常に高いと思いますが、その時丸腰の自衛官はどうするのでしょう、自分たちのプライドには目をつぶって、逃げるかアラブの国の軍隊から護ってもらうのでしょうか。
自衛官を危険地域に派遣する以上、その身辺の最低限の安全を保障してやるのは文民である政府の責任です。
タリバン側との対話を進めるため、旧タリバン政権の最高指導者オマル師を拘束や攻撃の対象から外すことを米国に要請する一方、アルカイダ系の国際テロ組織を支援しないようタリバン側を説得する。
テロ組織との戦いを強く宣言したオバマさん率いる米国の説得や、アルカイダ系のテロ組織と共闘している過激なイスラムの思想を持つタリバンの説得も絵に描いた餅になる可能性が非常に大きいと思います。
超党派の議員連盟を発足、アフガンとパキスタンの閣僚級とタリバン代表などによる実務者協議を開催、アフガンのカルザイ、パキスタンのザルダリ両大統領を東京に招き、正式合意を図る。 (一部省略)
民主党案が仮に上手くいっても(私は絶対に不可能と思いますが)、今までアフガン問題で多くの国民を犠牲にしてきた、米国やNATO諸国が最後の最後になって日本がトンビが油揚を攫うようなことを、許す訳はないと思います。
最初のステップは国連の承認から始まったので、やはり国連中心での締めくくりにすべきでしょう。
[野党根性が抜けない?民主党]
民主党の素案を見て直ぐ思い出したのは、海上給油反対のための民主党案です。
マスコミやネット上で実行不可能な提案だと一笑に付され、国会でも殆ど審議もされないままに終わりました。(私は民主党が与党側からの攻撃でボロが出るのを恐れたのと思いましたが。)
然し、その当時は与党側が3分の2条項を使って海上給油を続けて、日本は国際的な面目を保つことが出来ました。
今回の民主党案は「民主党が政権交代後に実現を目指す和平案」だそうです。
もし(党内から異論がでるくらい可能性が非常に高い)国連の説得が不成功に終わったとき、民主党が天下を取ったときの日本はどうするのでしょう。
野党時代は小沢さんが言ったと言う「与党が賛成出来ないような(実行不可能な)対案」を作っても、与党のお蔭で日本はなんとかボロを出さずに済みました。
今度は民主党が政権与党になるのですから、その案がぽしゃったらもうお終いです。
私からみれば、民主党はまだ野党の感覚が抜けてないので、こんな案が出来るのではないかと思います。
そして何度も書きますが、お人好しの私が考えるように、民主党はいざ政権を取って慌ててその素案の見直しをするのでしょうか。
それとも?!?!?!?
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オリンピック、石原都知事側と菅都連側の主張は、大きな隔たりがあります。どちらが、本当やら?大阪は、WTCに関しては、市・府のトップの考えは共通のようです。国になれば、政党色が強く出ますからね。
なぜならカルザイ大統領はタリバンとの交渉に政治生命をかけるようですし
http://d.hatena.ne.jp/navi-area26-10/20081118/1226956050
また最近でも交渉を主張しています
http://d.hatena.ne.jp/navi-area26-10/20090209/1234132968
しかしタリバンは外国軍が国内にとどまる限り交渉には応じられないと言っています。
http://d.hatena.ne.jp/navi-area26-10/20081209/1228771840
ブッシュ大統領の時はオマル等の幹部以外とは交渉してもいいという感じでした。
http://d.hatena.ne.jp/navi-area26-10/20081029/1225281173
現在の米国防省の意見は
http://d.hatena.ne.jp/navi-area26-10/20090205/1233843012
ということのようです。
オバマ大統領もアフガン増派は見送ってるようです。
http://www.cnn.co.jp/usa/CNN200902090015.html
もっともアメリカは悪に勝ったというポーズのためにオマル氏を死刑などにしたいと思うので、民主党案にカルザイ大統領だけは賛成するかもしれません。