また私の不得手な経済問題のエントリーで、色々と認識不足や考え違いの点も多いと思いますので、来訪者の方々の忌憚のないご忠告とご指摘をお待ちしております。
昨夜のテレビ朝日の「報道ステーション」で、米国の投資会社のリーマン・ブラザーズの破産、メリルリンチの吸収合併、米保険最大手AIGの経営破綻の問題について、小泉さんの構造改革にも参画した経済評論家の木村剛さんが解説していたので紹介する。
米国の心配より日本自体の方が心配だ
米国があれだけ大きなショックを受けているのにその株価はピーク時から30%しか下がっていないのに、サブプライム問題の影響を余り受けていない日本の株価は半分に下がっている。
これは日本がサブプライム問題と関係なく経済情勢が悪化していることを示すのだ。
そのような経済環境の中で、今回のような米国の影響を受けたらどうなるか、日本は米国のことを心配するより先に、日本自体の経済のことを心配すべきだ。
日本の銀行の貸し渋り
世の中の報道をみると、いまだに「サブプライムローン問題で、米国では銀行の「貸し渋り」が起こると言うが、事態は日本経済のほうが深刻だ。
昨年12月末と今年3月末の貸出残高で比べてみると、米国における不動産向けは、サブプライム問題真っ只中ではあるが、2.2%増えている。法人向けに至っては、3.5%も増えているのが実態だ。
それに対し、わが国の不動産貸出残高はほぼ変わらないが、6月末に向かっては減少に転じたとみられている。
法人(一般企業)貸し出しは1.0%の減少となっており、その傾向は強まっている。
つまり、欧米よりも日本のほうの「貸し渋り」が顕著で言わば「貸し止まり」だ。(数字はうろ覚えなので木村さんの「週間!木村剛」の「日本こそクレジットクランチだ!」を参照した)
[私の意見]
低金利の資金を自分たちの為だけに使う銀行
日本銀行はバブル崩壊の対策として短期金利をほぼゼロ%迄下げ、さらに量的緩和まで行った。(その後ほんの気持ちだけ0.5%にした)
その目的は勿論その資金を企業に貸し出して日本の経済発展を促すためだ。
然し事実は
・悪名高い預金金利ゼロの上に手数料の負担まで預金者に押しつけている。
・ゼロ金利の資金の一部(または大部分?)は海外の投機や投資資金に流れ、サブプライムローンへの投入され、そのバブルが破裂すると原油や食糧へ廻り、それらの価格の高騰の形で日本に跳ね返ってきたと言われている。
・そして私の勘繰りだが、銀行はリスキイな中小企業への貸し出しで損失を招くよりも、日銀の低金利の資金をやや高金利の国債の購入など安全な投資に使っているような気がしてならない。
詰まり銀行は国民の預金金利ゼロの犠牲の上に成り立つ、低金利の資金を高金利の国債の購入の回して利子の違いによる鞘を稼ぎ、日本ではなくて海外の投機・投資資金へ貴重な資金を提供し、そして石油や食糧価格の高騰という犠牲を国民に払わせているのだ。
このような座っていても儲かる楽な商売をし、その結果国民に被害を及ぼすような銀行に日本銀行が何故低金利の資金を提供するのか判らない。
一方、政府は資金繰りに苦しむ中小企業のために総合経済対策で、苦しい財政の中から何とか金を捻り出そうとしているのだ。
前にも書いたことがあるが、殆どの法律や政策は国民や企業の倫理観や性善説を前提に作られ実施されていると思う。
然し、事実は今回の汚染米騒動に見るように、必ずしもごく一部の国民、特に企業は信頼出来ないことも多い。
銀行の場合も政府や日本銀行の考える様に、低金利の資金が企業、特に中小企業の資金繰りを助けるよりも、銀行が生き残りのために儲け中心の方に廻ることが多いようだ。
勿論、低金利の資金提供には、金融破綻を防ぐための銀行への資金援助や国債の消化の意味もあると思うが、銀行はそれに甘え本来の企業や国民への資金提供の役目をおろそかにしているのではないだろうか。
[私の提案]
それで素人考えだが次の案はどうだろうか。
・銀行は今でも細々とやっていると思うが、企業、特に中小企業に対しては、資金提供だけでなく、資産や資金の運営や管理、経済の情報提供などの支援やコンサルティングの業務を強化し、資金を提供することでリスクを企業と共有する。
・企業支援のための資金の金利は現在のまま据え置いて、その他の目的に使用する資金の金利を上げる。
・銀行へ提供した資金の流れを報告させ、その実績に基づいて低金利の資金を提供する。
提案のメリットと問題点
・金利の上昇のために、国債の消費や投機・投資資金への貸し出しのメリットが少なくなるため、ある程度のリスクを負っての企業への貸し出しのメリットの差が小さくなり、(銀行本来の業務と思う)企業への資金提供の業務に戻る動機付けとなる。
・貸出金利の上昇に伴う円高で、高い食糧、石油、原料を買うことにより国内資金の国外への流失に歯止めをかける。
・もう一つは金利ゼロで手数料ばかり取られていた一般の預金者の利益となる預金金利の上昇だ。
勿論、貸出金利上昇に伴う欠点も多いと思うが、世界や国内の経済情勢の大きな変化を考えると一考の時期にきていると思う。
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コール金利は、誘導目標に従い行いますが、FRB、ECBの供給オペのように市場が欲していません。これは、円安、円キャリの原因です。
公定歩合は、国の借金返済に有利に働きます。また、銀行にとっては、おいしく安全な利ざやです。けど、冷静に考えれば、国民が利子を払って銀行に寄付をしてるんですね。
本来、日銀は通貨の番人、金融庁は、金融機関の監督です。物価の番人、融資担当では、それぞれ無いのです。
ただ、世界中の庶民を苦しめる原油高は、許しがたいのも事実であり、投機先を失い、見せかけ決算のために、資金を皆が注入したマネーゲームに過ぎません。
日本の株価下落は、海外投資家の撤収、日本人の株離れ、配当等に魅力が無いなど複合的要素です。本来、株式公開は資金供給のためですが、あまりメリットが無く、世界企業は社債(CB)に軸足を移しています。日本企業も海外株式からの撤退が増えています。上場企業は、自社株買いに走るのではないでしょうか。日本企業の先行きを不安視することは、無い様に思います。
『世界同時大不況』を歓呼の声で迎える人たち
sun.ap.teacup.com/souun/144.html