[民主党代表選の中止]
かねてから民主党代表選へ出馬の噂のあった民主党の野田佳彦さんが遂に立候補断念を表明した。
そして他に出馬を検討する考えを示していた枝野幸男も記者会見で「今は白紙」で「この件に関して前向きでない」と語った。
その理由は
・野田氏支持グループ内で反対論が大勢となったためと、規約による必要な国会議員の推薦人20人の確保は困難が難しくなったこと。
・党内の大勢が小沢さんを推す声が多く、「敗れれば、小沢氏に干される」との懸念も出ていた。(読売新聞より)
・これは私の意見だが、民主党の党員たちも(KYと言う言葉が流行っている)日本の政治家らしく持論には目をつぶって党内の空気を読んでそれに従ったのだろう。
これで代表選を通じて、小沢路線の問題点の論議や、前原さんなどから指摘されていた、ばら蒔き政策実施のための財源の有無や政策実施と予算確保のずれの問題も明らかにされることなく衆院選に突入することになるのだろう。
その衆院選も世論調査が示すように政権交代の期待が多い事から民主党の勝利に終わり、民主党政権が成立する確率は50%前後になるだろう。
[もし小沢さんが首相になったら]
それで少し早いがもし小沢政権が出来たとして、その後の政治の動きについて考えて見たい。
・強引な政治手法の復活?
衆参両院を制して何でも出来ることになると、小沢さんは自民党で多数を占めていた元田中派から出た幹事長として「剛腕」の名を轟かせた経歴から見て、強引な政治運営をするかもしれない。
・外国人参政権の成立
何しろ竹島問題で大騒ぎの韓国にわざわざ出かけて行って、大統領にその成立の約束をしたのだから、非難の多いこの問題に手を着けることは間違いない筈だ。
・高級官僚の引き締めと、官公労に属する職員の保護
今まで天下り問題を追求してきた民主党が政権を取ったら態度が急変するなど考えられない。(と言うのは政治の素人考えかも知れないが。)
一方、民主党政権になったことを一番喜ぶのは官公労の人達、特に社保庁の職員だ。
民主党を支えてきた彼らを、政権を取ったからと言って合理化を進めて彼らを裏切ることはまず出来ないと思う。(これだけは政治の素人でも判る。)
だから公務員制度改革は官公労に属する人達が不利にならないようにする制限がつくので中途半端に終わる可能性が高いだろう。
・政治家による官僚コントロール
小沢さんは政権を取ったら、百人程度の政治家を各官庁に貼り付けると言っていたと思うが、それには功罪があるかも知れないが、官僚政治の打破の一つの手段として、やって見る価値はあると思う。
・日米関係の見直し?
海上給油問題で米国大使にはっきりと「ノー」と言った小沢さんは、今までの米国一辺倒の方針を変えるかも知れないし、米国の態度がどう変わるかも知れないが、これも考え方の一つで検討の価値はあると思う。
然し、当面の問題の形勢が悪化しているアフガン問題にどう取り組むか、まったく先が見えて来ない。
野党時代の海上給油反対の提案は実行不可能だし、そうかと言って小沢さんがまったくの傍観を決め込むかどうか判らない。
それに加えて、森田実さんが心配しているように、「世界」の紙上で小沢さんが「政権を取って外交・防衛政策を決定する立場になれば、アフガンの国際治安部隊への参加を実現したいと」と明言しているそうだが、本当に自衛隊をアフガンの国際治安部隊に派遣できるのか、小沢さんの言うように海上給油が憲法違反で、国際治安部隊への自衛隊派遣が合憲と言う理論が国会で通じるのだろうか。
・将来の展望がない経済政策
経済の振興について民主党のマニフェストの詳細を見ると、中小企業いじめ防止、商店街の活性化、高速道の無料化、観光振興、金融商品取引の規制などの言葉が並んでいるが、こんな事で沈滞しかけている日本経済が回復できるだろうか。
小泉さん流の構造改革、規制緩和で行くのか、財政再建か、経済拡大の投資を強化するのか、800兆の債務残高の処理をどうするのか。
色々やりたいが出来なのは、全て自民党政治が悪かったのだで済まされるのは、野党時代の話だ。
・公約実施とその財源捻出の時間のずれ
前原さんが指摘していたと思うが、マニフェストに基づく政策の実施時期と、無駄を無くして財源を捻出する時期のずれの問題だ。
いくら政府が無駄遣いしていると言っても、また特殊法人の廃止も、官僚から言わせれば、それ相当の理由があり、それに対する抵抗で1年や二年で無駄排除の目的を達成することが出来ない。
そうかと言って今の様な膨大な国債を抱えている現在、一時的でも大幅な赤字財政を組む訳には行かない。
所謂「ばら蒔き政策」は直ぐにも実施しなければ、国民の批判を招くことになる。
これもまた野党時代のように自民党政府の責任として逃げるのだろうか。
[野党の攻撃に耐え得る政策検討の機会を失った民主党]
民主党の党首選は、今までの民主党に政策を見直し、政権奪取後の自民党から猛攻撃に耐える得る政策を立案する絶好の機会だったがそれもなくなった。
これに対して鳩山さんは民主党は政権奪取の暁の基本的な考え方を国民に明らかにすべきだとテレビで言っていたが、今のように浮足だっている民主党が、小沢さんの意向が色濃く反映している、欠陥だらけのマニフェストを見直す気があるとはとても思えないのだが。
私は過去の政治の歴史から[政権奪回のチャンス/民主党衰退の危機]だと思っているが、永続的な政権交代を願っている私としては、民主党が今こそ足元を見直すべき時だと思っている。
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たぶん、そう簡単に法案が通らないと思います。
何故ならば・・・今現在でも、民主党の若手からは、
小沢氏の政権運営全般に批判の声が大きいし、
その上・・・
バラ撒き財政運営については、
前原氏を中心とした若手も絶対反対と表明。
それに参政権も慎重に~!と唱えていますから・・・(考察)
もしも政権を取っても、
道のりは、そう簡単じゃないと思いますよ。
小沢氏は策士としては優秀だと思いますが、表の顔であるリーダーとしては、資質に欠けるのではないかという感じがします。