昨日の麻生さんの演説は今風に言うとサプライズだった。
麻生さんはその重点政策は簡潔に述べるだけにとどめ、後は民主党への質問や要請に主眼を置いた。
・民主党に対し、自分の質問の答えを代表質問のときするよう求めた。
・衆参ねじれ状況下の国会で、民主党に合意形成のルールを打ち立てる用意はあるのか?
・補正予算案とその関連法案に対する賛否?もし反対ならその財源を含む対案をしめすこと。
・後期高齢者医療制度反対なら対案をだすこと。
・消費者庁創設への対応を?
・日米同盟と国連のどちらを「優先劣後」させようとしているのか?
・海上自衛隊によるインド洋での給油活動を継続する新テロ対策特別措置法改正案の扱いだ。国際社会で果たすべき活動から逃れて民主党はそれでもいいと考えているのか?
ただ問題なのは、
・後期高齢者医療制度の見直しについては、1年をめどに必要な見直しを検討するとだけしか言ってないこと
・麻生さんが民主党のマニフェストの財源を批判しているのに、麻生さんの政策に対する財源については何も触れていないことだ。
この演説に対する新聞の反応は予想通り読売、産経は支持、朝日、毎日は批判的な社説を書いている。
それに対して麻生さんの攻撃の標的になった、当の民主党は報道によれば、小沢さんは代表質問では次期衆院選のマニフェストを述べるだけにして、麻生さんの質問を交わす予定だそうだ。
[私の意見]
麻生さんの一見旧態依然の内閣閣僚名簿を見てがっくりしたたが、案の定、発足早々中山さんの辞任と言うことになった。(然し、麻生さんがあっさり辞表を受理し、自分の任命責任を認めたことは良いことだ。)
参照:小池百合子さんの役割[首を捻る新閣僚のメンバー]
然し今度の彼の勇気ある演説は次の点で評価したい。
・今までマスコミは福田さんの突然の辞任の批判ばかりして、その相手の小沢民主党のことには何も触れなかったのが、麻生さんの思い切った演説で、その問題が改めて明らかになったこと
反自民の態度を明らかにしている、政府、与党のことはいっても、民主党の問題点には全く触れなかった、テレビ朝日の「報道ステーション」でさえ、麻生さんの民主党批判の演説を部分的ながらも報道せざるを得なかった。
・麻生さんの演説を批判する朝日の社説でも、「これで国会が面白くなった」と書いている。
今までの民主党の攻撃、福田内閣の言い訳の低調な審議、民主党のやりたい放題の参議院運営など、見ている人のストレスが溜まるばかりの国会から、自民・民主が真っ向からの勝負で活気溢れた国会になるだろう。
それで、マスコミも国会の状況を報道せざるを得なくなり、与党だけでなく民主の政策の問題点が国民の前に明らかになるのは良いことだ。(尤もマスコミは自民批判の部分ばかり報道し、民主の政策の問題点をカットすることが予想されるが、今までより良くなると思う。)
・国会の論議が面白くなることは今まであまり政治に関心が無かった人達にも関心を持つことになるだろう。
・民主党は代表質問で麻生さんの攻撃に体をを交わしても、委員会での審議の時 の政府攻撃で、予想される政府、与党の反撃に、今までのように「政府案反対が対案」など言っておられなくなり、批判に耐え得るような対案を示さざるを得なくなることは、民主が政権を取る可能性が大きくなった日本にとっては良いことだ。(然し民主党は今までのように、厚かましく強引な国会運営をするかも知れないが、それは即、衆院選の結果に影響するだろう。)
但し私の意見は麻生さんが国会の会期を伸ばしてでも、国会審議を続行する前提に立っている。
報道されるように、代表質問が済んで即解散になれば、麻生さんの挑発に小沢さんが体を交わしてのマニフェストだけの代表質問だけに終わる。
その場合は自民党は数々の野党からの攻撃を受けなくて済むが、政府の政策が浸透ないままの選挙になり、麻生さんの補正予算を通してからの解散の意見と違うことに対する批判を受け、安倍さんの選挙の時のように(小泉さんのようなよほどのサプライズが無い限り)、選挙中のマスコミの報道がどうしても政府批判に偏ることを考える必要がある。
私は政権交代論の立場だが、自民党側から見て考えてみると、私は国会である程度十分に審議をし、自民党の政策が民主党の政策より優れていることを明らかになった時点での解散が望ましいと思う。
政治は全くの素人の考えだが、野党からの攻撃にたいして
・政府政策のうち財源、後期高齢者医療制度などはっきりしてないことを明らかにしておくこと
・中山さんの任命責任追求にたいしては、麻生さんが自分で言ったようにあっさりその責任を認め、更なる追求には例えば「中山さんを直ぐ切って、金子さんと入れ換え」てその責任を果たした」と(麻生さん自身が失言をしないように)繰り返すだけで余分なことは言わない。(小泉さんが攻撃されたときの態度を真似る)
・汚染米に関しては、野党と一緒に国土交通省の役人を攻撃し、麻生さんが言ったように、問題の職員を厳しく処理すると言う、辞任した太田さんの攻撃はあっさり認める、野党が提示した対策の良いことはあっさり受け入れる。
・年金問題の追求に対しては、その問題の根源の民主党を支持している官公労の職員の怠業問題を取り上げる。
・後記高齢者の問題については麻生さんも言ったが、民主党に対案を要求すること。
・麻生さんだけでなく閣僚、自民党の質問者が全て民主党への攻撃、反撃態勢を取る。
などの対策である程度国会は乗り切れると思うし、自民党が有利と思う時点で解散すれば良いと思う。
これに対して攻撃にてこずった野党は選挙直前になって、しかも麻生さんから事前に指摘されて、今更審議拒否や引き延ばしも出来ないし、唯一出来ることは参議院での首相問責決議だけだろう。
そしてこれからは責任のない一般人としての意見だが、自民党が衆院選で負けて、民主党が天下を取っても、今までの自民党のやり方が拙かったと諦め反省すること。
そして民主党が政権を取って上手くいっても、行かなくても日本国民や自民党、民主党にとって良い勉強になると思う。
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