私は3月19日のブログで、今何故団塊の世代の退職に伴う技術伝承が問題になった書いた。
団塊の世代の問題、技術の伝承
<<無能な普通の経営者のやったこと>>
1.重役室に閉じこもっているだけ普通の重役が、コンピュターその他の機器導入による、ホワイトカラーのロードの大幅の軽減に伴って、彼らに大きな負担を与えない範囲で適宜合理化に手を着けず、バブルが弾けて始めて大量のレイオフを行って社会問題を起こしたと同じように、今回また随分前から判っている団塊の世代の退職に今になって慌てている。
2.ホワイト・カラーの合理化の怠慢の一方で、生産ラインの行き過ぎた合理化が、今問題になっている技術の伝承を妨げている。
3.そして最近新聞を賑わせているのは、パート・タイマーの契約または正式社員化の話だ。
これも、少子化が随分前から騒がれており、要員不足の問題が起こるのは判っているのに、今になっての正式社員化の動きだ。
然も報道を見ると、この動きは主として、優良企業の間で行われているだけのようだ。
その理由は、優秀な人材の確保、人材育成の必要性、従業員のモラルの向上といった、前から何度も言われていた理由だ。
いずれにしても、これでまた優秀な会社と、そうでもない会社の格差がまた拡がるのだろう。
<<人材育成、生産性向上、技術の伝承の関係>>
今日は具体的なケースを取り上げて、その関係を考えて見たい。
対象としては、最も普遍的且つ私が持っているもう一つのテーマである教育問題に関することを取り上げることにする。
学校事務の合理化を考えませんか
1.努力の成果を表す物差しを決める
人材育成、生産性の向上、技術の伝承の相互関係を良くする為の合理化の基本は、その成果を明らかにするための物差し作ることだ。
企業で言えばその収益と言う明らかな、物差しがある。
中学校で言えば有名高校への合格率を考えている父兄や教師もいるかも知れない。
しかし、小学校ではまさか商売敵の私立中学への合格率で成果の基準とするなど考えられない事だ。
そうかと言って昔の一部の学校のように、運動会でみんな並んでゴールしたり、みんな仲良く百点などやっていたら、教師も生徒も学力向上の努力する気にもならないだろう。
幸いに現在全国一斉の学力テストが考えられているようだ。
これは立派な物差しだ。
これで学力向上を評価へ活用することが出来る。
日教祖などがこれに反対しているようだが、如何に教師や生徒に学力向上のインセンティブを与えるか対案を出して貰いたいものだ。
2.学校内で、教育技術の研究会を定期的に開く
それと平行して、企業でやっている、自主的な小集団活動を行う。
3.そこで問題点の提起とそれへの対案を検討する
仮に生徒の計算能力の不足の問題が討議され、その対策として、蔭山先生の実践で有名になった、百ます計算を取り上げるとする。
(以下このテーマに添って書いて行く。後の改善の対策は、蔭山先生の著書の記述にほぼ添っている)
勿論、テーマは学力向上だけでなく、現在問題となっている、いじめ、徘徊など学校が抱えている問題も当然にテーマにする。
4.全校でこれを週2回実施する(とする)。
5.その成果を基に討議を行い問題点とその対策を考える。
6.これを何回か繰り返す内に、
(1)毎日実施する。
(2)タイムを取る。
(3)その結果を他の子と比べさせない。
(4)計算表自体の改善(以下私が勝手に考えたこと)
(5)計算結果の採点の効率化
などの新しい提案が審議され決定される。
7.標準化、データ化
このやり方を標準化し、計算表のプリントをデータとして、と共に保存し、全校でこれを使って「百ます計算」を実施する。
8.以後これを定期的に評価し、検討、改善して行く標準、データとも改正する。
勿論この活動は全ての教育活動(社会、国語などの他のカリキュラム、いじめ問題の対処法など)について行う。
<<この活動の意味するもの>>
これらの活動は下に示すように、人材育成、生産性の向上、技術の伝承の相互に密接に繋がっているのだ。
[学校]
1.学校の技術力や生徒の学力向上
標準化されたものは、最後には、その学校のノウハウになる。
学校で言えば、学力向上、いじめ防止など繋がる。
2.作業の能率化
カリキュラム作成の際は標準とその補足データをそのまま利用することで、作成の手間が大幅に省ける、実施報告のときは例えば、「S式百マス計算」だけの報告で済む。
もちろんこれに加えて教師独自のアイデァがあれば、その一部修正だけですむ。
そして、検討会でで報告し良ければ採用され、より良い標準が出来る。
3.教師の育成、技術の伝承
新任の教師の早期育成やベテラン教師退職の際の技術の伝承が出来る。
実は日々の改善、標準化活動で体系的な新任教師の育成や技術の伝承が体系的に行われているのだ。
4.教師のモラルの向上
5.学校全体として問題に取り組む姿勢の養成
6.改善活動の時間が出来る
改善活動のために余分の時間がかかるが、合理化に手つかずの今までの学校では、合理化に伴い節約された時間内で十分に出来る筈だ。
[企業]
このことは既に多くの優秀な企業で実践されその効果も確認されており改めて書くほどのことはないか゛、
1.企業独自のノウハウの体系的な積み重ね→企業の技術の向上→競争力の向上
2.生産性の向上→競争力の向上
3.社員の体系的かつ、低費用の育成、技術の伝承
特に体で習得せねばならぬ技術の伝承は、技術標準で大幅にそれに要する時間を短縮出来る。
4.従業員のモラルの向上
5.この種の運動実践の問題点
この種の運動はかっては、活発に行われていたが、その為の余分の時間が要すること、生産ラインの合理化の行き過ぎ、契約社員の増加などで、落ち目になっているのではないか。
つまり、私が唯一強調したいのは、合理化するにはその為の時間がいることだ。
<<極端な合理化の問題点>>
前に書いた経緯が示すように、出社してから帰るまでに余裕時間がないために、
1.体系的な技術の積み重ねが出来ない。
2.技術の伝承の時間が足りない。
3.従業員のロボット化
4.従業員のモラルの低下
など問題が起こってきている。
然しこんなことで台頭している中国などの低賃金の国と競争出来るだろうか。
結局は今までのように普通の経営者の
(1)労働問題に対処する為にホワイト・カラーの管理職化
中国の低賃金労働者に対応するための
(2)契約労働者の導入による経費の削減
(3)極限までの合理化→従業員のロボット化
彼らは忙しすぎて考える暇がなくて、彼らの技術や知識が発揮できない。
(4)固定化した標準、マニュアルによる従業員のロボット化
ファミレスやのスーパーのレジの従業員を見れば良く判る例だ。
(5)従業員の育成放棄
のような目の前の利益確保のための、場当たり式のやり方で、持続可能な日本企業の成長が出来るのだろうか。
やはり人を大切にする企業、すぐれた技術を持つ企業だけが生き残れるのでは内だろうか。
普通の経営者も、一部の優れた経営者の率いる会社を見習って、よくよく先を見越したしっかりした経営方針を立てて貰いたいものだ。
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