普通のおっさんの溜め息

戦前派から若い世代の人たちへの申し送りです。政治、社会、教育など批判だけでなく、「前向きの提案」も聞いて下さい。

米国紙が見た(日本)民主党の経済政策

2009-09-04 15:18:49 | 民主党

 ネット上で The New York Times 紙の表記の記事を見つけたのでその概要を報告します。
 タイトルは「Victors in Japan Are Set to Abandon Market Reform
です。 青字は記事の概要、黒字は私の意見です。なお問題が大き過ぎて書き漏らしも多いと思いますが、紙面の許す範囲で、そして気がついた範囲で意見を書きました。)

・民主党は社会福祉の強化、作業者の条件の向上と米国流の市場中心主義改革から手を切ることで、日本の長い低迷から抜け出すことを公約にしてきた。
 次期首相の鳩山さんは公約で、近年の過度の市場改革からのシフトする多くの公約をしたが、日本のエコノミスト達は、日本は低迷する経済を活性化するためには、米国流の規制緩和と市場中心主義による経済成長が必要だと言っている。

   麻生さん、オバマさん達が言うように行き過ぎた市場中心主義は見直さねばなりませんが、資源のない日本が他国並みの暮らしを立てるためには、外貨を稼ぐしかない日本が、世界の大きな流れから抜けることは出来ないと思います。
 それより先に鳩山さんが本当は経済について何を考えているのか判らないのが実情だと思います。

・日本の政界では改革は悪い言葉になって仕舞ったと米国の日本関係専門ののエコノミストが言っている。日本ではかってないほど、生産性を上げるのに市場の力を使うことを嫌がっているが、この変化は決定的なものだと彼は言う。

   生産性の問題については後述します。
(この次に米国で問題になった鳩山発言の記述がありますが紙面の関係で省略します。)

・民主党の勝利は、小泉さんによる改革が多くのダメージを与えたとへの大きなバックラッシとなって生れた。改革には日本の厳しい労働市場の規制緩和と銀行に大きな負債を抱えている「まぬけ」な会社に対する支持を強制的に停止させることを含んでいた。  (私は不勉強ですが、後半の記述を見たのは始めてです。)

 民主党は言う。長期間にわたる遅い成長、またはマイナス成長から抜け出す筈の政策が、経済をさらに弱くして来たのだ。米国との密接な経済的な結びと、余りにも輸出に頼り過ぎたことが、世界的な金融危機に日本を為に破壊的な影響を受けさせることになった。
  私の意見は前にも書きましたが、政府とは別に、公平、長期的視野や第三者的視野で研究し、大きな世界的な流れの中で日本の行先を誤らせないように助言するシンクタンクの設置とその活用していたら、今回のような大きな被害を受けずに済んだと思います。

・民主党は社民党と国民新党と連立を組むくことが予定されている。その2者とも決定的に市場改革に反対だ。それは経済危機に対して政府主導の解決への傾向を強めることなるだう。
・民主党の政策センターは子ども手当てやガソリン税を下げること構想に頼っている。そのような政策は日本の消費を上げることで、経済の回復になるかもしれない。
 民主党はまた官僚の力を削ぐことで民間のニーズに密接に政策に反映させることも約束している。然し党のリーダーは生産性に如何に取り組むか、デフレ対策、大きな国債について殆ど触れていない。
  民主党は先ず政権獲得ありきで、マスコミからばら蒔きと言われる政策を作っただけで、日本全体の経済をどうするという観点からの政策を作っていないので、内外から批判が出るのだと思います。

・日本はトヨタのジャスト・イン・タイムの様に非情なばかりの効率向上、競争力のある産業で有名だ。然し日本の経済の70%を占める民間部門では過度に規制され不効率だと経済界やエコノミスト達は言っている。
・日本で新しく何をするにしてもライセンス、規則や既得権は悪夢のように着いてまわる。日本が成長し、競争力を保つためには、何がそれ妨げているか真剣に明らかにしなければならない。

・時代遅れの規則が非効率な会社を守っている、一方、企業家精神が厄介な障壁で抑えられている。エコノミスト達は中小企業に対する過度な政府の支援が競争力強化の圧力がかかるのを弱めていと言う。
  これは日本人の心情から弱いものに対する支援に偏りがちで、自民党も指摘されるようなことをやって来ましたし、民主党政策集を見れば中小企業支援の件名が8つもあり、農家の所得保障政策なども道を誤れば、その意図と反対の結果になるかも知れません。
(後記の生産性の項をご参照下さい。)

・今の情勢は産業政策の遺産で自民党により生じたものだ。党は輸出向けの工業界の競争力強化に焦点を当ててきた。そしてその政策は戦後日本経済の急速の成長をもたらした。それと対照的に他の業界は国内外の競争で比較的に保護されてきた。

・今や急速に進む高齢化と殆どゼロの移民のため、日本はその生産性を上げる他ないとエコノミスト達は言う。
 もし人口が増えないとしたら、作業者たちの生産性を上げるよるしか他に道はないが、少なくとも、殆どの業界でその動きはないと、エコノミストの熊野?(Kumano)氏が言っている。

  私の持論ですし麻生さんも言っていたと思いますが、高齢者の労働力の活用や積極的なコミュニティーの貢献活動を進めるべきだと思います。

・日本の輸出型の経済の脆弱性は世界的な金融危機ではっきり示された。自動車や電子製品の需要減により日本の輸出が減り、国のGDPは今年の最初の3ヶ月間にの平均11.7%の下落を招いた。
 この四半期は世界的な消費刺激策による輸出の増加で経済は3.7%回復した、然し経済学者はその回復が持続的か否はに就いては懐疑的だ。
・低い生産性の証拠は日本の何処にでも見られる。給油ステーションでは多くの作業者が車に群がって窓を掃除しりごみ集めをしている。日本の事務所でITにシフトする動きは驚くほど遅く、事務員は依然として紙の書類や記録で仕事をしている。
・日本の失業率は5.7%の最高記録に達した。そして野村証券の報告によれば、もし政府が会社に対して余分な従業員を持つことを奨励する補助金制度がなければ、12%まで上がるかも知れない。

・「民主党は改革路線から離れる方向に舵を切ろうとしている。然し何が起こるか判らない、唯今現在では日本の将来のビジョンを描くことが難しいと思う」とPHP研究所の長久?(Nagahisa)氏は最近のフォーラムで言っている。
  多分私だけではないと思いますが、こと経済面でも期待3~5,不安7~5で後は民主党政権が日本の路を誤らせないように祈るだけです。

[生産性向上について]
  ニューヨーク・タイムズの民主党の経済政策について、生産性向上の観点から批判しています。
 私は生産性問題以外にも先日も書きましたが、NHKのクローズアップ現代での民主党大塚さんの経済政策について、「~する筈だし、やらねばならない」連発の説明に、才女の国谷裕子さんさえ首を捻ってたように、問題だらけと思います。

 然しこの際、生産性向上の観点から、二つだけ拾って見ました。
・農家の所得保障制度
 この制度は一次的には暮らしが楽になるかも知れませんが、長期的には農村の体力を落とすだけ、そして過疎化が益々進む危険性もあると思います。
 何故なら一部の農家の生産性向上の意欲をそいでしまう効果もあるからです。
 大きな眼で見れば、農家の生産性向上を進める自民党の政策の方が優れています。
 後はこれに着いて行けない農家について支援を考えれば良いと思います。

・官庁の生産性向上
 記事で事務のIT化が遅れていることを指摘して居ましたが、私は戦後の筆写やガリ版から印刷機械やコンピューター導入が如何に大きな省力化をなるか経験して来ました。
 然し、企業では何度も合理化を進めてきたのに、官庁の合理化など戦後以来殆ど聞いたことがありません。
 だから民主党が公務員制度の改革に手を着けるのは大賛成です。
 然し、公務員達の生産性向上の面から言えば、政治家達が頭から彼らを押さえ付けるだけでは、公務員達の生産性が上がる筈がありません。
 先ず押さえ付ける前に、
・公務員達を自分たちの同じ考えにさせる
 そのためには政治家と公務員達と地理的心理的に同じ位置に置くこと。
・公務員たちの潜在能力を100%発揮させる
 そのために彼らにやる気を持たせる、企業などでやっている自主管理活動をさせる。
ことを考えるべきです。
・外部の監査を入れる
 そして生産性向上の面から言えば、企業でやっている日本能率協会などの外部の専門機関で定期的に事務の効率化チェックし助言をさせることも有効だと思います。
 民主党は公務員制度改革に手をつける前に、専門家や合理化で大きな成果を上げている企業に助言を求めてはどうでしょうか。

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8 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (Unknown)
2009-09-04 19:39:43
来日中の中国外務省の呉建民・外交政策諮問委員は4日、都内で報道陣らに、「アジアや中日関係を重視する鳩山(民主党)代表の発言に大変注目しており、今後の中日関係の発展に期待している」と述べた。

ダライラマ14世 李登輝氏はまた日本の知を
踏めるでしょうか?
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Unknown (腰抜け外務省)
2009-09-05 03:05:11
「競争と規制のバランスが大切だ」この程度の発言ならタコでも言える。何ならサラ金のCMも似たようなことを言っている。問題は具体論であり、観念論ではない。具体的に何をどう規制するのか?そこが問題であり、市場にある程度の規制、監視を設けるべきというのは、誰もが言っている。

で、自分の国の収入と支出のバランスは取れているのか?子供手当は実行して、配偶者・扶養控除は当面廃止しない?正気か?どこまでばら撒く気か?

やはり選挙目当て、票目当ての集団か。国民をどこまで愚弄するつもりか?

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Unknown (名無し)
2009-09-05 12:29:06
まだ民主党政権も誕生していないんですがね。

政権交代のときはどこの国でも混乱はつきものです。
ましては実質初めての政権交代となった我が国では混乱があって当然でしょう。
アメリカののような政権交代慣れっこの国でさえ「ハネムーン期間」を設けて、マスコミや野党も与党批判を政権交代後100日は避けるそうです。

ブログ主様にはそういうお考えはないのでしょうか。
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Unknown (腰抜け外務省)
2009-09-05 20:21:06
>政権交代のときはどこの国でも混乱はつきものです。

そんなことは百も承知であり、民主党も「政権交代」を標榜するからには、各国の政権交代の実例等を研究し、準備をする時間は今までいくらでもあったはずである。

ところが、政権交代のプロセスなるものが全くと言ってよいほど民主党から聞こえてこない。
プロセスがあった上での混乱は認められるが、プロセスが無いのは論外である。

さらに、政権の交代という微妙な時期に、同盟国を慌てさせるような発言や、国際経済に悪影響を与えかねないような発言、挙句の果ては執行中の予算の停止、子供手当と扶養控除のダブル手当等、正気の沙汰とは思えない声ばかり聞こえてくる。

第一、100日も民主党が慣れるのを待つほど、今はのんびりした時期ではない。世界経済、国内経済、ともに非常事態である。それとも国際経済や、国内経済が民主党の立ち上がりを見守ってくれるのですか???

我々は政権交代のために選挙やったのではない。より良い統治者を選ぶために選挙を行ったはずである。民主党にその意思も能力も無いのであれば、或いは政権の交代という事業すらまともに行う能力も無いのであれば、国民は民主党に退場を求めた方が賢明かもしれない。
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Unknown (名無し)
2009-09-05 22:19:26
オバマ政権の厚生長官が決まったのは、大統領当選後、6か月後の4月末でした。
予定の閣僚の納税漏れが発覚したりして、大幅に遅れたのです。

アメリカでの8年振りの政権交代でさえ、このような混乱があったのです。それでも大統領支持率は55%です。

>>各国の政権交代の実例等を研究し、準備をする時間

6月に菅代行が渡英し、政権交代準備を進めている保守党議員にレクチャーを受けていますね。

>>我々は政権交代のために選挙やったのではない。

それは違うでしょう。自公政権から民主党に政権交代をさせるために多くの有権者が民主党に投票したのですよ。
その証拠に総理大臣に鳩山代表がふさわしいと思っている人はそれほど多くはなく、子ども手当や高速道路無料化といった政策への支持率も高くないのです。
党首も政策も魅力的でない政党に大量得票があったのは何故か?

その答えは「自民党政権を終わらせたかった」つまり政権を自民以外に変えたかったからです。
その受け皿が民主党しかなかったので、民主党が大量得票したのです。

つまり国民の多くは政権交代のための選挙を望んでいたのです。
腰抜け外務省さんは政権交代を望まなかった、しかも民主党の党首にも政策にも否定的。

まあ今では貴重な少数意見なんでしょうね。
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Unknown (腰抜け外務省)
2009-09-05 22:45:17
残念ですが、私はオバマも評価していません。あの段取りの悪さは某国の民主党と全く同じですな。納税漏れが発覚。どういう身辺調査をしていたのか????安全保障の知識が一欠けらでもあればイラクとアフガンの二正面作戦は避けるはずを、わざわざそれに突入する。アホですな。

>6月に菅代行が渡英し、政権交代準備を進めている保守党議員にレクチャーを受けていますね。

その割にはやけに段取りが良いですな。レクチャー受けても実行に移せなきゃ意味無いですな。

どうも選挙の目的を理解されておられないようですな。政権交代は「手段」である。「目的」はより良い統治者の選択ではないのですか?それとも自民党から民主党に政権が代われば自動的によりよい統治が為されるとでも?

もしそうではないとしたら、この国の国民は手段と目的を取り違えている可能性があるとでも?或いは民主党の実力を理解していなかった、或いは知らされていなかったか?

>腰抜け外務省さんは政権交代を望まなかった、しかも民主党の党首にも政策にも否定的。まあ今では貴重な少数意見なんでしょうね。

と言っておきながら、

>その証拠に総理大臣に鳩山代表がふさわしいと思っている人はそれほど多くはなく、子ども手当や高速道路無料化といった政策への支持率も高くないのです。党首も政策も魅力的でない政党

とおっしゃる方こそ、ある種知能的な絶滅危惧種でしょ。人の意見を少数意見と言いながら、民主党の党首と政策が不人気であると言われる。

理解に苦しみますな。

それはそうと、政権交代のプロセスはいつになったら出てくるのですか?また誰かイギリスにレクチャーを受けに行ってるのですかな?

最後に小沢さんの幹事長就任と、国会、党内人事の一任おめでとうございます。これでめでたく院政ですな。この段取りの良さを是非、国政に反映頂きたい。
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Unknown (名無し)
2009-09-05 23:28:22
>>残念ですが、私はオバマも評価していません。

だから貴方は少数派なんですよ。
Gallupの最新調査でも不支持より支持が多い。麻生さんの最高支持率よりもオバマさんの最低支持率が高いんですよ。
このまま支持率が推移すれば再選は確実でしょうね。

私は子ども手当とかの民主党の政策を批判する腰抜け外務省さんのご意見について、別に異を唱えるつもりなんかありません。けど同意するって意味ぢゃあないですよ。
私が言いたいのは貴方が少数派ですよってこと。
貴方が支持をしていない政治家であるオバマを支持しているアメリカ国民は多数派だし、貴方が支持していない民主党に対する支持率は自民党よりも高い。

だからあなたは少数派ですって言っただけ。
釈迦に説法でしょうが、民主主義なんて多数決なんですよ。
貴方は頭が良くて常に判断を間違わないかもしれませんけど少数派で、オバマと民主を支持する多数派は選挙や政党のマニフェストのことなんかより、マイケルの死とノリピーの逮捕に興味深々のB層なんでしょうね。

でも勝つのは政治番組は太田総理くらいしか観ないB層を押さえた政治家と政党なんですよ。

まあそんな現状をお嘆きになりたい気持ちに同情したいですが、これを変えるのは無理でしょうね。
実は私は「政権交代は目的なのか手段なのか」だなんて小難しい議論は佐々木毅とか御厨 貴あたりの政治学者に任せておけば良いと思ってます。

佐々木毅の『政治の精神』でも再読して寝ますわ。今日はこの辺で。

おやすみなさい。
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Unknown (腰抜け外務省)
2009-09-05 23:52:49
少数派認定有難うございます。

でも私は糞より臭い民主党のマニフェストより、のりピーの4Pやりまくりや、マイケルの遺産相続のごたごたや、オードリーのインフルエンザの方が興味あるんですけど。

まあ、私自身、幼稚園に上がる前から「変わり者」と言われ続けて40何年の人生ですから。
少数派大歓迎です。今更、政治界の一発屋連中の応援に回る気もしませんし・・・・

おやすみなさいませ~~~~~~~~


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