新年あけましておめでとうございます。また1つ年をいただき、元気で82歳を迎えることができました。
大晦日の夜は、家族そろって娘の家で年越しの大宴会です。ビールやワインで乾杯しました。孫の4大陸の旅の土産ばなしには、みんなが聞き耳を立てたものです。孫以外は知らないペルーやキューバ、スペイン、インドネシアのたくさんの写真に、座は最高に盛り上がりました。年越しそばを食べ終わるころです。テレビから、永平寺の除夜の鐘が聞こえてきました。新しい年の始まりです。
熊本城の守り神、加藤神社は歩いて15分くらいのところに建っています。家族全員で初詣に出かけました。
社殿は初詣の参拝客で埋まっています。なかなか前に進むことができません。人の流れに身を託すばかりの初詣です。すぐ横にはライトアップされた熊本城の天守閣が見えます。ぼんやりと周囲を眺めながら社殿に進むのを待っていました。
その時です。おめでとうございますと私たちに呼びかける声が聞こえました。声をかけたのは、大きなカメラを抱えた方たちとスタッフ、テレビ局のクルーの方々です。「お話しをお聞きしてよろしでしょうか」といわれながら、大きなカメラが目の前に近づいてきます。
〝うちの奥さま”と〝娘夫婦”はとっさにそこを離れたようです。取り残されたのは孫と私。アナウンサーらしき人から「初詣や今年の抱負など」質問が次々と出されます。初めての経験、つまり街頭録音でしょうが、大勢の参拝客の中からなぜ私たちが選ばれたのでしょう。不思議でなりません。
何を聞かれ、なんと答えたか、慌ててしまい全く覚えていません。最後にアナウンサーと一緒にダンスです。私のダンスはまったく無様だったことでしょう。それが終わると指を立て右手を大きく振り上げました。
「放送してもよろしいでしょうか」と書類を出され、若い孫は大いに乗り気のようす。2人で署名しました。
「放送予定は7日〝TKUのテレビタミン”です。」放送されないこともあります。といわれたあと、クルーの方は別の場所に移動されました。まったくのハプニング、今年は何か良いことがありそうではありませんか。
初詣を終えると、先着2000人の参拝者に配られる紅白の縁起餅をいただき、午前1時過ぎに家に帰りつきました。あとでお聞きしたのですが、元旦の参拝客は28万人だったそうです。
テレビをつけると、昔何度も見たことのある「ベン・ハー」が放送されていました。〝うちの奥さま”懐かしそうに見ています。放送が終わったのは午前4時半。ローマ旅行の折に訪れた「チャールトン・ヘストン扮するベン・ハーが仇敵メッサラーと戦車競走で相まみえ、死闘を制した撮影現場」を懐かしく思い出しました。