美しい海を望む、清潔で色合いもよい、美しい静かなホテルの部屋で、爽やかな朝を迎えた。沖縄の旅も今日で終わり。べランダに出た。雨は降っていないが、どんよりとした空がひろがっている。風が強い。海は大荒れ。大きな白波が、対岸の崖の上によじ登っているかのようだ。対岸の岬は、昨日訪れた万座毛の「象の鼻」。
以前読んだ山崎豊子さんの小説「運命の人」沖縄編を思い出した。「象の鼻」は傷心の主人公弓成亮太が訪れたところだ。
午前10時、バスで那覇市へ直行した。県庁前の広場や観光名所国際通りには猛烈な風が吹いていた。雨もひどい。宜野湾の町と飛行場を見たいと思っていたのだが、この悪天候では無理とあきらめるしかなかった。
昼食は国際通りの琉球料理の店「ゆうなんぎー」。何度も訪れたことのあるお店だ。とにかく量が多くておいしい。お値段も手ごろ。出発前から食べたかった「中味(モツ)のスープ」と「てびち(豚足)の煮つけ」を注文した。あとは「フーチバー・ジューシー(よもぎのゾウスイ)」のランチ定食を1人前。ランチには(島豆腐)と(昆布の煮つけ)、グルクン(いわしに似た沖縄の魚)、ミミガー(豚の耳)などが付いていた。量が多い〝奥さま”と二人で食べても食べきらないほどの量だ。オリオンビールもいただいた。おいしかった。
5時過ぎまで雨にぬれながら公設市場や国際通りを散策し、那覇空港に18時過ぎに着いたのだが、そこで思わぬハプニングが待っていた。福岡空港は雪のため、2000発のJAL便は大幅に遅れるという。前便の1805発も未着という。遅れると今夜中に熊本へ帰ることができなくなる。空席待ちのカウンターに走った。1805発の便に空席がないか尋ねたところ幸いなことに2人分の席が空いていた。急いで手続きを終えどうやら機内に走り込むことができた。7時過ぎに離陸はしたものの「福岡空港は大雪、降りられないときは大阪国際空港にまわります」と機長からのアナウンスだ。ひやひやの連続。でも幸運とでもいおうか、2045に福岡空港に無事着陸した。
余談だが、最初に搭乗予定だった2000発便は、福岡空港大雪のため欠航になったと後で聞いた。