また、川端康成の作品を読んだ。作品名は「舞姫」です。元バレリーナ母とまだ未塾な娘、その父と弟の4人の家族。それにバレリーナ母の元恋人を中心とした川端康成のお得意の家族小説です。読んでみて思ったのは各登場人物が優柔不断ですっきりとしないところにもどかしさを感じた。特にはっきりしない元恋人の竹原にはストレスを特に感じた。解説で三島由紀夫が述べているように登場人物の無力感がこの小説に悲壮感を醸し出しています。 但し、その他登場する脇役との絡みは意外にもすっきりとして泥臭いなく読みやすい小説に仕上がっていますので一気読みしてしまった。中島みゆきの「歌姫」が似合いそうな川端康成らしいと言ったらそれまでですが、そんな物語です。
