また夏目漱石の作品を読んだ。「道草」です。これは、後で解説を読むと夏目漱石の自身の自伝的作品であるとされるとわかった。
内容は健三という大学教員に金をせびりに来る養父の島田の物語です。小説の中で「みんな金が欲しいのだ。そうして金より外には何も欲しくないのだ」という健三の叫びがこの作品の主題ではないかと思います。養父以外にも姉にお小遣いをあげるなどドロドロした金銭問題が読んでいて不愉快になった。
ただ、思うのは当時(1915年)の金銭の価値が令和の現代のどれくらいなのかわからないので、養父の島田の要求が理不尽な額なのか理解できない。また、大学教員の健三の給料が高いのかもわからない。健三が安いと思っているので薄給なのでしょう。おそらく現代の年金制度がなかった時代は一度絶縁されても、その縁をたよりにお金の普請をせざるを得ない養父の惨めさを「ざまあみろ」と言いたくなる作品でした。