やあテツ、久し振りだね
お前の一周忌追悼以来だな
えっ? あのときは恥ずかしかった?
ああ、正直自分でもこそばゆかったけど
何でも素直に言えちゃうんだよ、今のお前にはね
それにしても、このところの忙しさは尋常じゃない
ちび太やイエチビやイエミケ一家が次々と現れて
モドキも帰ってきた
ソトチビやダイフクも健在だし
外ニャンたちは時間に決まりがないから
振り回されてばっかりだ
何? 好きでやってるんだから本望だろって?
お前もオバンと同じこと言うんだね
まあ、彼らが幸せそうにしてくれれば何よりだな

晩年のテツは激ヤセだった
ところで、いまだに不思議に思ってることがある
お前のことさ、あれは何だったんだろう
『灯滅せんとして光を増す』って言うけど
今にして思えば、まさに線香花火の最後の輝きだった
あれはお前がそっちの世界に行く3ヶ月ほど前だったね
それまでは食べない、動かない、じっとしているだけで
さすがにいよいよかと覚悟せざるを得ない状態だったお前が
突如として活発になって外に出たいと騒ぎ出した
出しても出しても、直ぐにまた出たいと言う
そして忘れかけていた元気な頃のお前の癖や仕草も蘇って
再び何かと絡んでくるお前に手を焼きながら
戻ってきた明るい日常に心底安心したもんだった

「出たい出たい」のポーズをとるテツ
ある日、あまりにうるさいお前を夜中に散歩に連れ出した
すると、お前はワンコのようにリードを引っ張って歩き出す
場所を変えてはくんくんする猫族らしからぬ行動だ
お前はどんどん歩いた
それまで行ったこともない遠くまで
初めての土地でもおかまいなし
結局その時の散歩は2時間近くも続いて
ようやく帰ったのは夜中の1時を過ぎていた
あの時のお前は少し歩くたびにこっちを見上げて
一緒にいることを確認しながら歩いていたね
まるで二人だけの時間を楽しむように
その日から、夜の散歩が毎日の日課になった
それだけじゃない、家ではオジンストーカーも復活して
しばらくするとお前はものすごい爆食家に変貌した
それまでなかった"おねだり"までするようになって
嬉しかったなあ
毎日の生活に張りが戻って、充実感に満ちていた

テツ、真夜中の散歩中
どこでもかまわず突き進んだ
そうか、お前は覚えてないか
毎晩散歩に付き合うのは大変だったけど
ずっとこのまま続いてくれと願ったもんだ
でも、ひと月も続かないうちに
夜中の散歩はぴたりと止まって
お前は散歩どころか外に出るのも嫌がるようになった
それから爆食も治まって、強制給餌の生活に戻った

テツの「ちょうだい」ポーズ(少し太った?)
後追いしてまでせがんだのは、後にも先にもこのときだけだった
テツよ、あれは本当に何だったんだろうな
確かにIBDという病気は体調が繰り返し変わるらしい
でもあれはあまりにも急で、短期間だった
そうか
毎日毎日憂鬱そうで強制給餌に耐えていた老猫と
懸命に献身的な介護を続ける保護者
きっと神様がそんな我々を見かねて
ちょっとした贈り物を思いついたのに違いない
そしてこの保護者に、ノラたちを見守る決意をさせたんだ

再掲写真
テツのやさしさが伝わってくるお気に入りの一枚です
お前の一周忌追悼以来だな
えっ? あのときは恥ずかしかった?
ああ、正直自分でもこそばゆかったけど
何でも素直に言えちゃうんだよ、今のお前にはね
それにしても、このところの忙しさは尋常じゃない
ちび太やイエチビやイエミケ一家が次々と現れて
モドキも帰ってきた
ソトチビやダイフクも健在だし
外ニャンたちは時間に決まりがないから
振り回されてばっかりだ
何? 好きでやってるんだから本望だろって?
お前もオバンと同じこと言うんだね
まあ、彼らが幸せそうにしてくれれば何よりだな

晩年のテツは激ヤセだった
ところで、いまだに不思議に思ってることがある
お前のことさ、あれは何だったんだろう
『灯滅せんとして光を増す』って言うけど
今にして思えば、まさに線香花火の最後の輝きだった
あれはお前がそっちの世界に行く3ヶ月ほど前だったね
それまでは食べない、動かない、じっとしているだけで
さすがにいよいよかと覚悟せざるを得ない状態だったお前が
突如として活発になって外に出たいと騒ぎ出した
出しても出しても、直ぐにまた出たいと言う
そして忘れかけていた元気な頃のお前の癖や仕草も蘇って
再び何かと絡んでくるお前に手を焼きながら
戻ってきた明るい日常に心底安心したもんだった

「出たい出たい」のポーズをとるテツ
ある日、あまりにうるさいお前を夜中に散歩に連れ出した
すると、お前はワンコのようにリードを引っ張って歩き出す
場所を変えてはくんくんする猫族らしからぬ行動だ
お前はどんどん歩いた
それまで行ったこともない遠くまで
初めての土地でもおかまいなし
結局その時の散歩は2時間近くも続いて
ようやく帰ったのは夜中の1時を過ぎていた
あの時のお前は少し歩くたびにこっちを見上げて
一緒にいることを確認しながら歩いていたね
まるで二人だけの時間を楽しむように
その日から、夜の散歩が毎日の日課になった
それだけじゃない、家ではオジンストーカーも復活して
しばらくするとお前はものすごい爆食家に変貌した
それまでなかった"おねだり"までするようになって
嬉しかったなあ
毎日の生活に張りが戻って、充実感に満ちていた

テツ、真夜中の散歩中
どこでもかまわず突き進んだ
そうか、お前は覚えてないか
毎晩散歩に付き合うのは大変だったけど
ずっとこのまま続いてくれと願ったもんだ
でも、ひと月も続かないうちに
夜中の散歩はぴたりと止まって
お前は散歩どころか外に出るのも嫌がるようになった
それから爆食も治まって、強制給餌の生活に戻った

テツの「ちょうだい」ポーズ(少し太った?)
後追いしてまでせがんだのは、後にも先にもこのときだけだった
テツよ、あれは本当に何だったんだろうな
確かにIBDという病気は体調が繰り返し変わるらしい
でもあれはあまりにも急で、短期間だった
そうか
毎日毎日憂鬱そうで強制給餌に耐えていた老猫と
懸命に献身的な介護を続ける保護者
きっと神様がそんな我々を見かねて
ちょっとした贈り物を思いついたのに違いない
そしてこの保護者に、ノラたちを見守る決意をさせたんだ

再掲写真
テツのやさしさが伝わってくるお気に入りの一枚です