20年くらい前だったか、「ここが変だよ日本人」という番組がありました。
物議を醸したことも多かったけど、自分のような議論好きには面白い番組だった。
自分が今これを言うなら、「猫を捨てた人を責めないで、助けようとする人(餌をあげる人)を責めるなんて、やっぱり変だよ日本人」ってとこでしょうか。
さて、前回サクラの記事でFIPのことについて触れました。
当ブログでFIPと言えばルイ。ルイカテゴリーの最新記事でも切々と書いてます。
このFIP治療について、ちょっと気になったことを書いてみます。
元気だった頃のルイ
不治の病と言われたFIPも、今では初期の段階なら治せるようになったらしい。
それはムティアンという薬が効くからです。
この薬、米国ギリアド社が特許を持つGS-441524 という薬を、ギリアド社が生産してないのをいいことに中国の会社が勝手に(違法に)生産して日本に輸出しているのだとか。
従って正式には医薬品ではなく(薬事法対象外)、健康食品のような扱いらしい。
なのでこの薬を敬遠する先生も多いが、事情を汲んで使用に踏み切る先生もいる。
ひとつ言えることは、中国の会社が闇のビジネスでぼろ儲けしているということ。
しかも猫たちの命を食い物にしてです。
こんなにえげつない野放図な話ってあるだろうか。
かくして巷には、子猫の命を何とか救おうとクラウドファンディングが乱立しているのです。
100万あるいはそれ以上かかるけど、「寛解した」という話もよく聞こえてくる。
実際問題として、もしサクラが本当にFIPだったら自分もいろいろ考えるだろう。
まずはFIP治療に力を入れている「ねこけん」さんに相談かな。
中の猫への挨拶を怠らなかった(手前ニャーとちび太)
FIPの子猫やその保護者たちを「高額医療費地獄」から何とか救えないものだろうか。
クラファンもいいけど、もっと多くなればそううまくは集まらないだろう。
それに最近は"クラファン詐欺"も多いし、それにつれてクラファン批判も多い。
思うに、どこかの製薬会社がギリアド社の特許使用権を得て独自生産し、日本での承認を目指せばいいのではないか。
正規に安くどこでも手に入る。それでこそ薬というものだ。
もっと高名な人が、そんな提案をすれば実現への道もできるかもしれない。
そんなことを考えて、何となく頭に浮かんだのは「動物愛護」で物申すEvaの杉本彩さんでした。
で、ご本人の活動を見ているうちに、半年ほど前のとある記事が目に入った。
デイリー新潮の記事で、乱立するクラファンに懸念を抱いているのだという。
その内容は、「猫と暮らすのならそのくらいのお金準備しておくべき」というものでした。
えっ、何それ。それはないよ杉本さん。
サクラ(上)とは初め仲がよかったが、しつこ過ぎて嫌われた
「おじさんと河原猫」という本をご存知でしょうか。
多摩川の河川敷で暮らし、3年前の台風で氾濫の犠牲になったホームレスのおじさんと猫たちの話です。
おじさんたちは空缶を集めて稼いだお金で、自分の食事を切り詰めながら猫たちに食べ物を与えていた。
満足に食べれたわけではないだろう。情報もないだろうから、猫たちは病気になれば終わり、変質者の虐待もあるだろうし、多頭飼育崩壊の危険だってある。
でもおじさんと猫たちはしっかりと結ばれ、細々と命をつないでいたのです。
昨日夕方のニュースでは、荒川河川敷に暮らすホームレスのおじさんと猫たちの特集をやっていた。
おじさんは日々稼いだお金の2/3を猫たちに使い、自分は1日1食で我慢する。
猫たちのご飯が足りなければ荒川で釣りをして調達すると言っていた。
70過ぎたおじさんがいなくなったらこの猫たちはどうなるのだろう。
そう思ったら目頭が熱くなったのでした。
世の中にはこういった人にお世話になっている猫たちも沢山いるのだと思います。
余裕のある人はその人たちその猫たちをサポートしこそすれ、お金がないことを責めるだなんて誰にできようか。
大きく世の中を動かすことも、目の前の不幸なノラたちに手を差し伸べることも、その愛情の重みにおいて何も変わらないと思うのです。
ルイのいた家裏が懐かしい