今日も元気で頑張るニャン

家族になった保護猫たちの日常を綴りながら、ノラ猫たちとの共存を模索するブログです。

余命3ヶ月、持って半年

2024年04月01日 | (故)シロキ(白黄)
昨日、シロキが診察を受けました。
一昨日の午後から何も口にしなくなって、その状況がテンちゃんの終末に似ていたので心配になって急遽連れて行ったのです。
BUN数値が上がると(尿毒が回ると)気持ち悪くなってお腹が空いても食べられない。
だとすれば、自分は勝手な判断でとんでもない間違いをしていたことになる。

先日キーを連れて行ったときにいろいろ話をした若い男の先生だった。
まず昨年秋ごろからの経緯を詳しく説明。
先生はカルテを見てシロキがエイズキャリアであることを知っていた。
簡単な外観診察の後、シロキがかなりの貧血状態ではないかと。
(口の中と肉球が真っ白なので。)
そしてエイズ発症の可能性に触れ、いきなり表題の話をしたのです。
自分がテンちゃんとの経験を通して慢性腎不全の懸念を伝えると、もちろんその可能性もあるし急性かもしれないしエイズ発症と両方かもしれないが、貧血の度合いも気になるのでまずは血液検査をと先生。

病院の待合室にて

検査結果が出るまでの間、先生はいろんな話をしてくれた。
エイズ発症であればインターフェロンなどによる延命策、腎機能低下の場合はステロイド、口内炎にはメタカムなどの非ステロイド系で対処すると。骨髄で血液を作らない場合は厄介で、腎機能を維持するためには輸液だが血液を希釈してしまうと猫の苦しさを増すので輸液ができない、等々。ちなみに、ステロイド系が悪さをするのは肝機能、副腎機能を低下させるのはメタカムだと。
検査結果はやはりテンちゃんと同じくBUN、CREの値が高かった(正常最高値の5倍程度。) ただ高いと言ってもテンちゃんよりはずっと低いし、急性腎不全を患った時のニャーの値よりも低い。問題は赤血球の数が正常最低値の1/5もなかったこと。肝機能は正常値だった。

エイズ発症は確定ではないが要注意状態だと先生。
貧血(骨髄で血液をつくらない)の理由がエイズと無関係とは言い切れないと。
いずれにしても、重度の貧血なので輸液ができない。身体は楽になって食欲も出るかもしれないが、酸素を運ぶ赤血球がこれ以上希釈されてしまうと命に関わる。
とにかく、まずは貧血解消に全力を尽くすべきと。
幸い肝機能には問題ないのでステロイドで身体を少しでも楽にするとともに腎機能改善を図る。腎臓には骨髄の血液製造を促すホルモンを出す機能があるらしい。
なんだかぐるぐる回りのような話だが、血液を増やすにはとにかく食べること。
いやいやこれも、ぐるぐる回りの話でしょうか。
さて家に帰ってひと息ついたシロキくん、しかし彼と保護者の真の闘いはそれからだった。

押入れ中段の箱の中でじっと動かないシロキ

3時間くらい経ったらステロイド(の注射)が効き始めるから食べ物を与えてみてほしい、先生からそう言われていた。それに食欲増進剤と胃酸抑制剤ももらってきた。
夕方に薬の所定量を粉砕して、とろみに混ぜて与えたがまったく見向きもしない。やむを得ず強制給餌しようにもとろみの中の固形がシリンジに詰まって吸い取れず、もたもたしてシロキに負担をかけるばかりなので諦めた。新たに粉砕して今度はチュールに混ぜて与えたがこれにも見向きもしない。次に同じものをモンプチスープに混ぜて与えたがやはりダメ。これなら強制給餌できると試みたがダメだった。強制給餌初体験でしかもまだ保護者に全幅の信頼を置いてないシロキが、口の中に流し込まれても飲み込まず、薬が逆流して出てきてしまうのでした。昨日は結局、夜になって妻が抱いたシロキの口の中に薬2粒を直接放り込んで何とか飲ませた。

今朝は少し期待したのですが、いろいろ手を尽くして夕方までに口にしたのはチュール小袋半袋とモンペチスープ半袋だけ。エネルギーにして10Kcalにもなってない。
夕方、前日の成功に習ってシロキに投薬した。
食欲増進剤と胃酸抑制剤を何とか飲ませ今日からステロイド(サクラと同じブレドニゾロン)半錠が追加だ。前2薬と較べるとやけに粒の大きいのが気になったがとりあえず試してみた。しかし喉の奥に入れてもシロキが飲み込まず舌で出そうとする。慌てて水で流し込もうとしたがますますうまくいかない。結局その粒を諦め、新しい半錠をさらに半分にして再度トライ。でもやはり結局飲み込まず、唾液と水でグジャグジャになってわからなくなった。既に30分以上経ってシロキの負担が大きすぎるので結局中断。飲んだものとして、よしとせざるを得なかった。
開放されたシロキは何とか自力で2階まで上がり、踊り場でダウン。
しばらくして泡を吹き始め、そのうちゲボゲボと朝から飲み食べしたものを全部吐いて、その上につんのめって倒れ込んだ。
こんなにまでひどい仕打ちをする自分は、鬼だろうか。

投薬で大変な思いをした後、階段上の踊り場に倒れたガリガリのシロキ

それからというもの、殆ど何も手につかなくなってひたすらシロキに付き添った。
シロキは10日ほど前から2階の暗がりで人目や猫目を避けている。
それが死期の近い猫の行動特性なのは知る人ぞ知る話だ。
自分は自責の念に駆られていました。
何が前日に習ってだ。シロキが口に水を流し込まれても飲み込まないことは前日にしっかり学習していたことだ。
そもそももっと早く病院に連れていけば・・シロキは3日前までは少しならスープも飲んでいたし、チュールは大好物だしシーバだって1日20~30粒は食べていたのです。その時に薬を飲ませていたら、後手後手にならずに好循環に変えられたかもしれない。
自分の優柔不断を嘆いた。しかし、大事な決断を迫られてもいたのです。

シロキが本当にもう最後だと認めるなら、もうシロキが嫌がることは一切しないで思い切り甘えさせてあげよう。ひとりで不安にならないよう邪魔をしない程度に傍にいてあげよう。
でももしまだ一縷の望みがあるのなら、そして(今は苦しいはずの)シロキが生き続けたいと思うのなら、できることは何でもすべきじゃないのか。
かつてハナやくもは、保護者の欲目で病院で寂しく逝かせてしまった。その反省で、テツやテンちゃんは最後まで付き添ってしっかりと看取った。
今のシロキにとって最善とは何なんだろう。
簡単に答えの出る話ではない。しかしシロキの命の残り火は、一刻の猶予も許さないように思えた。
そんなときでした。死んだように俯いたままじっと動かなかったシロキが動いたのです。

おもむろに押入れの中段から飛び降りてよたよたと洗面所に行って水を飲み、それからトイレに行って(何もでないけど)また押入れの中段にセットした箱に落ち着いた。
こっちが用意したスープやチュールには目もくれずに。
それを見て決意しました。先程、妻と2人で所定量の薬を首尾よく飲ませたところです。
今日は結局何も食べてない。でも明日は食べるかもしれない。
とにかく、希望は捨てるまい。シロキがもういいと言うまでは。

つい最近までは少量ながら普通にご飯を食べていた

コメント
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