前話(12話)の道端に行き倒れていた猫さん(サクちゃん)、多くの人の努力も空しく力尽きてしまいました。読んだ人は、やり場のない哀しさと憤りをブログ主さんと共有したことと思います。これがノラの悲哀。ブログ主さんは最後に付け加えます。「誰からも気づかれず、外でヒトリで、息絶える命が多数あり。でもそれは、外で生きてる動物たちには日常であり、その危険は防ぎようがない」「私がどうしても許せないのは、人が故意に捨てたり、人間社会の利益の為だけに殺処分される命があるということ・・」 やり場のない哀しさと憤りの正体が、ここにありました。
人間と同じように、どんな猫にもその猫の人生(猫生)があります。道端で行き倒れるなんて、どんなに惨めで苦しくそして悔しかったか。殺処分にしても、年間1万匹まで減ったことは朗報ですか? 自分には何万匹も1匹も同じだと思えます。ノラたちを謂れのない苦しみから解放することは、これまでも書いてきたように人間との戦いなのです。
無念の事故死した初期の店の子、チビ
さて、今回の話。
ヨミドクター(yomiDr.)というサイトをご存じでしょうか。いろいろためになる記事や多くの人のコラムが掲載されています。そのひとつに若山三千彦さんが執筆しているコラムがある。若山さんは「社会福祉法人心の会 」の創設者であり、2012年に犬や猫と暮らせる特別養護老人ホーム「さくらの里山科」を設立しました。コラムでは、ホームで暮らす人やワンニャンの様々なエピソードを綴っています。
終生老人ホームなので、人間もワンニャンも看取りそして看取られる。このコラムのテーマは、ご本人が意識しているかどうかはわかりませんが、「別れ(死別)」です。なので全体に漂うもの悲しさは否めないけど、読むとどことなくホンワカ、そしてホッとする。まさにこのシリーズのテーマにピッタリなのです。それはどんなに苦しい人生(猫生、犬生)であっても、最後は幸せに満ちて旅立っていくから。出来事を淡々と語り、間に自分の見立てを挟む。若山さんの文章は、読めばわかりますが気遣いや優しさに満ちている。ご本人の人柄が滲み出ているのです。
ホームには入居者が同伴で連れて来たワンニャンの他に、ホームが保護団体を通して保健所から引き取ったワンニャンもいます。そのワンニャンが入居者やスタッフと一緒に和気藹々と暮らしている。若山さんは犬猫の専門家ではないし、アニマルセラピーを目的としているわけでもなく、そのための訓練もしていません。ただ人もワンニャンも幸せになってもらいたい、それだけです。
ここではホームで暮らした2匹の猫を今回と次回に分けて紹介します。今回は、ホーム開設当初にやって来て様々な入居者を看取り、そして最後は看取られた通称"癒し猫"トラの話。
◆yomiDr.コラム『ペットと暮らせる特養から』より、猫の「トラ」のエピソード
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FIPを発症し、若くしてこの世を去ったルイ
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第1話 「飼い主を亡くし野良になった母猫 ボロボロの姿に『幸せにしたい』とさしのべられた手」
第2話 「お日様はあたたかいって知った」7年間も閉じ込められた母猫、病魔に倒れるも幸せつかんだ最期の日々
第3話 「ヨロヨロの野良猫「困ったらおいで」 すると翌朝わが家に現れた (庭猫スンスン)
第4話 海辺の街に捨てられ、漁師たちに可愛がられた猫の「最後の日々」
第5話 最後の力を振り絞って子猫を託しにきた母猫、保護主のもとに運び終わると……
第6話 河川敷に餌をもらいに来ていた白猫「シロ」 ふたりのおじさんに愛され、生き抜いた
第7話 もうすぐ28歳!路地の人気者、黒猫「ぴーちゃん」 地域猫として町の人に見守られて
第8話「母の愛」は炎より強い!全身やけどを負って子猫を助け、伝説になった母猫 米国
第9話 ①「猫の神様」がくれた生きる力、後ろ脚なくても生き抜き天国へ…その名は今も“二代目”に受け継がれ
②下半身不随の猫「らい」が“家族”に与える笑顔。認知症犬「しの」と過ごしたかけがえのない時間 ・他
第10話 路地でクルクル回っていた全盲の子猫 あるがままの自分を生きる
第11話 いったい多摩川でいま何が起きているのか?棄てられ、虐待される猫たちの現実をまず知ってほしい
番外編 新宿東口の巨大猫の話
第1話 「飼い主を亡くし野良になった母猫 ボロボロの姿に『幸せにしたい』とさしのべられた手」
第2話 「お日様はあたたかいって知った」7年間も閉じ込められた母猫、病魔に倒れるも幸せつかんだ最期の日々
第3話 「ヨロヨロの野良猫「困ったらおいで」 すると翌朝わが家に現れた (庭猫スンスン)
第4話 海辺の街に捨てられ、漁師たちに可愛がられた猫の「最後の日々」
第5話 最後の力を振り絞って子猫を託しにきた母猫、保護主のもとに運び終わると……
第6話 河川敷に餌をもらいに来ていた白猫「シロ」 ふたりのおじさんに愛され、生き抜いた
第7話 もうすぐ28歳!路地の人気者、黒猫「ぴーちゃん」 地域猫として町の人に見守られて
第8話「母の愛」は炎より強い!全身やけどを負って子猫を助け、伝説になった母猫 米国
第9話 ①「猫の神様」がくれた生きる力、後ろ脚なくても生き抜き天国へ…その名は今も“二代目”に受け継がれ
②下半身不随の猫「らい」が“家族”に与える笑顔。認知症犬「しの」と過ごしたかけがえのない時間 ・他
第10話 路地でクルクル回っていた全盲の子猫 あるがままの自分を生きる
第11話 いったい多摩川でいま何が起きているのか?棄てられ、虐待される猫たちの現実をまず知ってほしい
番外編 新宿東口の巨大猫の話
第12話「出来ることを。。。」痩せ細り、道路に横たわっていた小さな猫 温かな腕の中で、命は確かに瞬いた
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