はじめに「その1・資料編」の補足です。数値的な推定がなかなか難しいノラの調査。その1では全国で200万匹に対して千葉県だけで34万匹と辻褄の合わない情報でしたが、その後の調べで東京都の調査が見つかりまして(東京都福祉保健局)、ノラ+外飼いで8万匹(H23年度)となっています。やはり、千葉県の推定値が多いような気がします。
また、仮定と計算を駆使してノラの誕生数(自然発生数)年間450万匹となりましたが、だとすると全国猫の死骸だらけということになってしまう。猫の死体処理に関する数値は市区単位のものしかなく推定が難しいところですが、調べた範囲では、全国年間で24万匹というのが最も多い推定値でした。
この推定値の大きな差異には2つの要素が関係しています。つまり拾われた数と捨てられた数(被災等含む)。拾われた数はその1でも述べたように飼い猫の半数が元ノラなので推定できます。それらを合わせて捨てられた数を推定してみると、何と年間40~60万匹という途方もない数になるのです。
自分はこの数字を出すことにこだわっていました。何故なら、自らのお金や労力を駆使して頑張っている猫ボラさんたちが、世間からはあまりいい印象を持たれてないように思えたからです。一部に不心得な餌やりさんがいることもあるだろうけど、その大方の原因は、「(減らす)効果のないことを自己満足でやっている」という共感不足でしょう。
でも、本当はそうではなかった。不貞の輩を撲滅して猫捨てをもっとしっかり防止できれば、猫ボラさんたちの努力の結果は必ず数字になって現れてくるはずです。不貞の輩が、ボラさんや役所の努力に便乗した形になっている。世間の批判の矛先がずれているのだ。
テンちゃん:「最近オジンに”博愛主義”になれとか言われて頭がイテェや」
実際、ボラさんたちがノラを救いたいあまりに批判されてしまうケースは多い。「何故人じゃなくてネズミやタヌキでもなくて猫なんだ」と。でも、そんな問いに答える必要はないのです。答えても理解は得られないからです。ノラを理解して救いたいと思っている人と、接触すらしたことない人では思考の次元が違うし価値観も違う。Aさんを好きになるのに説明など要らないのと同じことです。
イルカは賢くて人類の友と思っている人は多いが、日本にはイルカを食べる地域がある。中国ではワンコを食べるし、世界のどこかにはニャンコを食べる種族もいるかもしれない。肉牛を育てていると気心が通じ合う。しかしいつかは、涙を飲んで市場に出す。価値観が違えば思考も言動も違うし、価値観が同じであってさえ、逆らえない運命もあるのです。
人間性とは「愛情を持って接すること。」 感心のない人はそれでいい。運命に逆らう必要もないし、たいそうなことをする必要もない。ただ、目の前にいるかわいそうな子猫をあわれだと思う気持ち、それが人間であることの証明なのです。
これこそが猫ボラ活動の原点だろう。私見ではあるが、大きくなったボラ団体やNPOよりむしろ個人で頑張っているボラさんたちに尊さを感じてしまうのは、個人ボラさんたちがその原点に忠実だからではないだろうか。(一方推進力としては、組織の大きな団体ボラに頼らざるを得ないのですが。)
一般のアンケートでは7割以上の人が餌やりに反対しています。でも、(誰も)そのノラに餌をあげなかったらそのノラは死にます、と注釈がついていたらどうだろう。ノラが増える要因は自然増殖よりむしろ猫の不法投棄です、と説明されていたらどうだろう。アンケートの結果は、いつの世でも情報操作の結果なのです。
みう:「ニャーがやきもち焼きで困るんだニャン」
それでは、その情報を発信する側は何をしているのだろう、ということを調べてみました。このブログを始めてからの8ヶ月間にTVメジャー局がノラ問題を取り上げた事例は、洩れもあるかもしれないが以下のような状況で、TBS系が積極的だ。
10/5 ニュース24(日テレ系)「殺処分0を目指して」
11/12 News23 (TBS系)「ペットショップの裏側~繁殖業者の実態」
1/18 TBS News(TBS系)「殺処分0の裏側で」
2/8 Nスタ (TBS系)「殺処分0に向けて、多頭飼育崩壊」
3/2 Nスタ (TBS系)「STOP! 動物虐待動画」
3/26 噂の東京マガジン(TBS系)「山梨県庁のノラ問題」
どの番組にもボラ団体やNPOが登場していました。でも、限られた時間の中で仕方ないのかもしれないが、惜しむらくはビジネスライクな感じが否めなかった。あるいは局の編集もあるかもしれない。メジャー局のしかもニュース番組に出るのだから、身元のしっかりした団体が選ばれるのも当然だろう。
それでも、自分は個人ボラさんたちがもっとスポットライトを浴びるべきだと思います。個人ボラさんの方が人間性という原点が見えやすいし、それ故に共感を得やすいからです。
ノラは人間社会の中で人と関わりながら生きている。まったく交わることのない別世界で生きている野生動物とは違います。開発によって住処を奪われた野生動物たちも同じで、単に害獣扱いするのではなく、もう少し彼らの立場に寄った報道はできないものだろうか。彼らを被害者扱いしろとは言わない。ただ、命に対する"愛情”がほしいだけです。
格好良く訴える必要はない。数値を並べ立てる必要もない。窮状を訴えるばかりでは、人々の心は動きません。目の前にいる不幸なノラをかわいそうだと思う気持ち、その愛情溢れた情景に、そして何もできないかもしれないけど何かをせずにはいられないと、小さな一歩を踏み出すその勇気に、人は感動するのです。
個人ボラさんたちの行動はまさに”無償の愛”。そのボラさんたちは基金を集める力がないため、一様に資金と時間が欠乏しています。あまりにも多いノラの数に途方に暮れています。彼らに必要なのは批判ではなくサポートなのだ。
この状況を変えるのは役所でも政治家でもない。愛情溢れるボラさんの現場がありのままに報道され認知されることによって、世界中の人々が心に秘めたその「人間性」に、直接語りかけることだと思うのです。
ニャー:「オジン、毎日遅くまでごくろうさん。今度はニャーの悩みも聞いてね」
「ノラたちとの共存を目指して」:予告編(期日未定)
その1 資料編「現状と動向調査」(追記:餌やり、地域猫問題) 2017.2.27
その2 現場編「ノラを守るのに理由は要らない」(報道されたボラさんたち)
その3 エサやり問題・続編「裁判事例の検証・他」(司法が肯定したもの、否定したもの)
その4 一服編「ノラだからこそ・・かわいい!」(ニャー&みうとテンちゃんの日常)
その5 闘魂編「許さない、虐待に不法投棄に暗闇ビジネス」
その6 原点回帰編「再確認・人間性とは?」(食肉、動物駆除と保護活動)
その7 形而上学編「ノラの幸せとは」(シャッポやソトチビの行動に想う)
その8 地域猫問題・続編「殺処分ゼロに向けて」(目的達成のために必要なこと)
ソトチビ:「何だかこの家に興味が湧いてきたかも」
また、仮定と計算を駆使してノラの誕生数(自然発生数)年間450万匹となりましたが、だとすると全国猫の死骸だらけということになってしまう。猫の死体処理に関する数値は市区単位のものしかなく推定が難しいところですが、調べた範囲では、全国年間で24万匹というのが最も多い推定値でした。
この推定値の大きな差異には2つの要素が関係しています。つまり拾われた数と捨てられた数(被災等含む)。拾われた数はその1でも述べたように飼い猫の半数が元ノラなので推定できます。それらを合わせて捨てられた数を推定してみると、何と年間40~60万匹という途方もない数になるのです。
自分はこの数字を出すことにこだわっていました。何故なら、自らのお金や労力を駆使して頑張っている猫ボラさんたちが、世間からはあまりいい印象を持たれてないように思えたからです。一部に不心得な餌やりさんがいることもあるだろうけど、その大方の原因は、「(減らす)効果のないことを自己満足でやっている」という共感不足でしょう。
でも、本当はそうではなかった。不貞の輩を撲滅して猫捨てをもっとしっかり防止できれば、猫ボラさんたちの努力の結果は必ず数字になって現れてくるはずです。不貞の輩が、ボラさんや役所の努力に便乗した形になっている。世間の批判の矛先がずれているのだ。
テンちゃん:「最近オジンに”博愛主義”になれとか言われて頭がイテェや」
実際、ボラさんたちがノラを救いたいあまりに批判されてしまうケースは多い。「何故人じゃなくてネズミやタヌキでもなくて猫なんだ」と。でも、そんな問いに答える必要はないのです。答えても理解は得られないからです。ノラを理解して救いたいと思っている人と、接触すらしたことない人では思考の次元が違うし価値観も違う。Aさんを好きになるのに説明など要らないのと同じことです。
イルカは賢くて人類の友と思っている人は多いが、日本にはイルカを食べる地域がある。中国ではワンコを食べるし、世界のどこかにはニャンコを食べる種族もいるかもしれない。肉牛を育てていると気心が通じ合う。しかしいつかは、涙を飲んで市場に出す。価値観が違えば思考も言動も違うし、価値観が同じであってさえ、逆らえない運命もあるのです。
人間性とは「愛情を持って接すること。」 感心のない人はそれでいい。運命に逆らう必要もないし、たいそうなことをする必要もない。ただ、目の前にいるかわいそうな子猫をあわれだと思う気持ち、それが人間であることの証明なのです。
これこそが猫ボラ活動の原点だろう。私見ではあるが、大きくなったボラ団体やNPOよりむしろ個人で頑張っているボラさんたちに尊さを感じてしまうのは、個人ボラさんたちがその原点に忠実だからではないだろうか。(一方推進力としては、組織の大きな団体ボラに頼らざるを得ないのですが。)
一般のアンケートでは7割以上の人が餌やりに反対しています。でも、(誰も)そのノラに餌をあげなかったらそのノラは死にます、と注釈がついていたらどうだろう。ノラが増える要因は自然増殖よりむしろ猫の不法投棄です、と説明されていたらどうだろう。アンケートの結果は、いつの世でも情報操作の結果なのです。
みう:「ニャーがやきもち焼きで困るんだニャン」
それでは、その情報を発信する側は何をしているのだろう、ということを調べてみました。このブログを始めてからの8ヶ月間にTVメジャー局がノラ問題を取り上げた事例は、洩れもあるかもしれないが以下のような状況で、TBS系が積極的だ。
10/5 ニュース24(日テレ系)「殺処分0を目指して」
11/12 News23 (TBS系)「ペットショップの裏側~繁殖業者の実態」
1/18 TBS News(TBS系)「殺処分0の裏側で」
2/8 Nスタ (TBS系)「殺処分0に向けて、多頭飼育崩壊」
3/2 Nスタ (TBS系)「STOP! 動物虐待動画」
3/26 噂の東京マガジン(TBS系)「山梨県庁のノラ問題」
どの番組にもボラ団体やNPOが登場していました。でも、限られた時間の中で仕方ないのかもしれないが、惜しむらくはビジネスライクな感じが否めなかった。あるいは局の編集もあるかもしれない。メジャー局のしかもニュース番組に出るのだから、身元のしっかりした団体が選ばれるのも当然だろう。
それでも、自分は個人ボラさんたちがもっとスポットライトを浴びるべきだと思います。個人ボラさんの方が人間性という原点が見えやすいし、それ故に共感を得やすいからです。
ノラは人間社会の中で人と関わりながら生きている。まったく交わることのない別世界で生きている野生動物とは違います。開発によって住処を奪われた野生動物たちも同じで、単に害獣扱いするのではなく、もう少し彼らの立場に寄った報道はできないものだろうか。彼らを被害者扱いしろとは言わない。ただ、命に対する"愛情”がほしいだけです。
格好良く訴える必要はない。数値を並べ立てる必要もない。窮状を訴えるばかりでは、人々の心は動きません。目の前にいる不幸なノラをかわいそうだと思う気持ち、その愛情溢れた情景に、そして何もできないかもしれないけど何かをせずにはいられないと、小さな一歩を踏み出すその勇気に、人は感動するのです。
個人ボラさんたちの行動はまさに”無償の愛”。そのボラさんたちは基金を集める力がないため、一様に資金と時間が欠乏しています。あまりにも多いノラの数に途方に暮れています。彼らに必要なのは批判ではなくサポートなのだ。
この状況を変えるのは役所でも政治家でもない。愛情溢れるボラさんの現場がありのままに報道され認知されることによって、世界中の人々が心に秘めたその「人間性」に、直接語りかけることだと思うのです。
ニャー:「オジン、毎日遅くまでごくろうさん。今度はニャーの悩みも聞いてね」
「ノラたちとの共存を目指して」:予告編(期日未定)
その1 資料編「現状と動向調査」(追記:餌やり、地域猫問題) 2017.2.27
その2 現場編「ノラを守るのに理由は要らない」(報道されたボラさんたち)
その3 エサやり問題・続編「裁判事例の検証・他」(司法が肯定したもの、否定したもの)
その4 一服編「ノラだからこそ・・かわいい!」(ニャー&みうとテンちゃんの日常)
その5 闘魂編「許さない、虐待に不法投棄に暗闇ビジネス」
その6 原点回帰編「再確認・人間性とは?」(食肉、動物駆除と保護活動)
その7 形而上学編「ノラの幸せとは」(シャッポやソトチビの行動に想う)
その8 地域猫問題・続編「殺処分ゼロに向けて」(目的達成のために必要なこと)
ソトチビ:「何だかこの家に興味が湧いてきたかも」
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