先生の話は続いた。「このままだと危ない、輸血ができるといいのだが。」
貧血の度合いがひどいらしい。先生は輸血の段取りについて説明してくれた。
わが家にたくさんの猫がいることは既に話してあった。
1匹1匹病院に連れて行って血液適合性の検査をする。適合する確率はそう高くない。
数が多いと言っても、エイズの子や家庭内ノラの子を除外すればさほど多くないのです。
それにそんなことをしている間、サクラの身体が持つとは思えなかった。
それより検査を続行し、先生に頑張って原因を見つけてもらう方に懸けた。
それからというもの、心中穏やかでない状態で連絡を待ちました。
さらに2時間ほど経って、検査終了の連絡が来た。
(よかった、サクラは生きている。) 急いで病院に向かった。
先生はX線、エコー、心電図の画像を何十枚も撮っていた。
さらに血液検査、尿検査、腹水検査の膨大な分析値。
診療時間外の午後、そのひとつひとつを時間をかけて説明してくれた。
右心房肥大、左心室拘束心筋症、血液の逆流・・。心不全の自分には聞き慣れた話。
血液検査ではとにかく赤血球が異常に少ないが(正常の1/4)、それ以外はまあまあだった。
懸念していたステロイドの副作用も出てなかった。
心不全と腹水胸水による圧迫で心臓のポンプ機能が落ちている。
さらに赤血球が少ないので(貧血)、結果的に肺から酸素を取り込めない呼吸不全。
また腹水による臓器圧迫で食欲不振。
重度の猫風邪による鼻詰まり。
エコーの解析から炎症が起こっている可能性があり、貧血の原因かもしれない。
「リンパ腫のような陰があるのも気になる」と写真を見ながら言った。
先生の話は長かったが、まずやってみたい対策は2点。
強心剤を投与して心臓の機能を維持する。
ステロイドと抗生剤を投与して、もし炎症を起こしていれば沈静化する。
とりあえず臓器圧迫を緩和するために腹水の半分と胸水を除去した。
だいぶお腹がしぼみました
当面水を抜いてもらったのがよかったようだ。
サクラは朝の状態より随分元気が回復して生気があるように見えた。
10万越えの費用はトホホだけど、先生はやるべきことをやってくれた。
帰ってからコタツの中で落ち着くと、サクラは食欲も回復してきたらしい。
口を痛がりながら、かるかんスープ半袋とカロリーエース1缶飲んで眠りについた。
ようやく自分も落ち着いてきた頃、いろいろ先々のことが頭を過った。
心不全は治らない? 強心剤は未来永劫? 果たして炎症なのか。
もし腹水の増加が止まらなかったり赤血球異常が続くようであれば、リンパ腫の可能性?
いやいや、とにかく今はサクラの介護に集中しよう。
その日の夜から薬の投与開始。ステロイドと抗生剤は既に家にある。
驚いたのは指示されたステロイドの量で、1日1錠はそれまでの6倍だ。
口内炎の痛み解消にも期待が持てそう。
サクラは元気回復とともにトイレもすっかり元に戻った。
大は玄関で、小はコタツから少し出て粗相。
懸案のおしめも再検討しなければならなくなった。
その日夜はサクラがコタツから出てきて、久々にキッチンでくれくれ鳴きした。
サクラの食欲は翌日(昨日)にはさらに復活。
コタツから出てきてはくれくれ鳴きするけど口が痛くて食べれない。
取り敢えず体力をつけさせようとカロリーエスを与え続けた。(1日2缶)
すると今日になって下痢気味になったので、徐々に固形分を増やしてます。
飯時トイレ以外は腹這いでじっとしてるだけだけど、目線はしっかりしている。
相変わらずよろけながらも歩くスピードは速くなった。
階段や段差はまだ上れません。
とにかく体力をつけさせることが先決だと思っています。
ただ、今日の夕方になって気になることが。
サクラのお腹,一昨日病院から帰宅した時と比べるとまた出てきたような・・・
炎症止めなので即効性のないことはわかっています。
それにしても気になる。心臓の鼓動はどうなのか。
明日また病院に行く予定です。
※次記事「病名確定」に続きます
コタツの真ん中にサクラ(リン一家が奥)
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます