その1(7/27記事)を書いてから随分時間が経ってしまいました。
今回はまず、その1からの流れで奄美問題に関する環境省の対応について紹介します。ノネコ?の駆除方針が随分非難されてしまったので環境省も必死だ。下欄に紹介したようなパンフレットを作ってネコに優しいイメージを演出しています。このイメージ通りなら問題なさそう? いえいえその1に書いたように、「ノネコ管理計画」は実質不可能な譲渡計画を立てて、(譲渡できないからと)殺処分することを目的としているのです。
次に、その1でも取り上げた「鳥獣保護管理法」について
下欄添付した資料からもわかるようにこの法律は本来、野生の動物たちを護るための法律です。駆除捕獲などは免許制かつ地方自治体の許可制です。勝手に殺せるわけではありません。つまりその1の冒頭に述べた広島県呉市の大学院生による猟奇的な猫殺傷事件。この男の「ノネコだと思った」というのは言い訳にもなりません。動物愛護法違反か鳥獣保護法違反、どっちにしても罰金か懲役刑です。
ただし、この法律には問題があるようです。観光地である広島県の宮島で、名物の鹿を野生動物だと宣言したために弱った鹿に誰も手を差し伸べることができず、結果として見殺しにした。そもそも人(観光客)とともに過ごす鹿を野生動物などとすることが問題だけど、鳥獣保護管理法では許可なく野生動物に手をだすと罰せられるのです。(情報元下欄添付)
さて本題に戻って野良猫(家猫)ではなく野生の猫という概念は、いったいどこで生まれたのでしょうか。昭和38年の第43回国会農林水産委員会において、アメリカでファーラル・ドッグ、ファーラル・キャットと呼ばれる犬猫を参考にノイヌ・ノネコの定義付けを行い、昭和22年に狩猟鳥獣に加えたと林野庁指導部長が発言しています。この時の国会の質疑(質問:湯山議員、答弁:若江指導部長)のやりとりが実に面白い。「ノイヌが家に入って来たらそれはノイヌですか、それとも野良犬ですか家庭の犬ですか?」・・この概念の無理筋を見事に暴きました。だからと言って法律が修正されることはなかったのですが。下欄に添付した資料にありますので是非ご一読下さい。
同じ猫が人間の都合によって名前も種別も待遇も変わる。生き様が違うと言ったってその生き様を変えたのも人間だ。これは役人特有のロジックでありご都合主義です。少なくとも国会答弁を操るような役人には、動物愛護の精神など毛頭ない。地方自治体も同様で、役人に期待することはまず無意味だと思う方が賢明だ。現場(=保健所=愛護センター)には運ばれてくる動物たちを不憫に思い、助けたいと願う担当者が沢山いるとは思いますが。
法律を変えて世の中を動かそうと思ったら、とにかく政治家(議員)に動いてもらうしかありません。彼らは役人の上にいるのですから。このような問題には与野党関係ないのです。議員を動かすには、どんな業界にもいる著名な人が世論をバックに働きかけてくれるのが一番の早道。候補者は何人かいても、世論の後押しがまだ足りません。まずはchange. Orgのワンクリックから始めてみてはいかがでしょうか。下記に添付したどうぶつ基金さんのサイトにchange. Orgのページがリンクされています。
注)どうぶつ基金さんのサイトでは、鳥獣保護管理法下の動物(例えばノネコ)はいつでも虐待、虐殺することが可能のような書き方をしていますが、先に述べたようにこれは大きな誤りです。実はこのようなミスリードをしている記事(サイト)はかなり多く、これも当問題を複雑化深刻化させかつ広島の大学院生のような凶悪犯を生み出す要因のひとつだと考えています。
モドキ「ノラと家猫の区別だってつかないぞ」
◆関連資料(読みやすいものを選びましたが、ネット上には他にもたくさんあります)
・環境省のパンフレット
・鳥獣保護管理法について
・宮島の鹿
・ノネコ制定の経緯(国会答弁が面白いです)
・どうぶつ基金さんの記事(ワンクリック賛同・change.orgのページにいけます)
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