ニャーが店に現れたとき、あまりにも見事な手術跡に雌猫だと思った。
躾の効いた上品な仕草から、家猫だったことは想像に難くない。
きっと大事にされていたのに、不本意な形で家を離れたに違いない。
でも、1年待っても家族は迎えに来なかった。
ニャーはお店で1年、看板猫として過ごしました
(当時は完全外暮らしだったけど常に居場所が知れて安定した生活だった)
変貌した僚友シャッポに追われるように、店からわが家に移ったニャー。
テツを亡くした直後のことだ。
ニャーはわが家に来た初日から思い切りくつろぐほどの大物ぶり。
大好きな保護者との蜜月暮らしを、やっと手に入れた満足感に満ちていた。
しかし、家裏にいて警戒していたみうが家の中に合流してくる。
排除しようとすると、オジンが半狂乱になって責めてきた。
何とか我慢を覚えてみうを受け入れると、その後も次々とよそ者がやって来た。
この家と、保護者との蜜月を守りたいニャーは頑張った。
でも頑張れば頑張るほど、肝心の保護者に責められた。
当時のニャーの心境を慮ると慚愧の念に堪えません
当時のニャーは心も荒んでいたに違いない。
他のネコたちと和むなど一切なく、周囲から一目置かれ、怖がられた。
ニャーは間違いなくわが家ネコ社会の頂点に立っていた。
自分の本意ではなかったにしても。
そしてやがて、ストレスによる発病から生死の間を彷徨うことになるのです。
そのとき、さすがに保護者も乱心から目覚めた。
危機を何とか乗り越えたニャーは、改心した保護者とかつての蜜月を取り戻した。
あれから1年。
早読み早逃げで争いを避ける平和主義者、穏やかなニャーが戻ってきた。
みんなと一緒に草を食べるようにもなりました(奥にニャー)
そしてニャーの立場にも変化が。
相和むとはいかなくても、警戒はされていても、仲間と共存の兆しが見えてきた。
特に新猫類(新人類)のチキンとポニーにはニャーの威光も届かない。
チキンには「あそんで~」と絡まれ、ポニーには狩り練習の標的にされる始末。
早逃げニャーの復活だ。
何かとニャーを意識するポニー(右)
逃げ回る日々。
自分の居場所を次々と奪われるニャー。
それでも、ニャーは幸せそう。とってもとっても満足そう。
大好きな保護者がやさしくなって、いつもそばで見守ってくれる。
そして、思い切り甘えさせてくれる。
ニャーはテッペンから下りました。
そして昔のように、保護者との蜜月に生きています。
オジンの横でまどろむのが至福のひととき