日伊文化交流会

サークル「日伊文化交流会」は板橋区で生まれ、元東都生協登録サークルとしてイタリア好きの人たちが集まり楽しく活動しています

LCIイタリア文化セミナー『楽しく学ぶイタリアの民族』第1回「エトルリア人」に参加しました(2014.2.16)

2014年02月22日 | イタリア語

LCI主催イタリア文化セミナー『楽しく学ぶイタリアの民族』第1回「エトルリア人」に参加してきました(2014.2.16)@吉祥寺LCI

2014年2月16日(日)午後に開催されたLCIイタリア文化セミナー『楽しく学ぶイタリアの民族 第1回』には 昨日までの大雪の影響が心配でしたが 十数名の方たちが参加され 和気あいあいと有意義なセミナー&コーヒータイムを過ごしました:

テーマ:『ローマ時代以前のイタリア中部に暮らしていたエトルリア人
エトルリア人の歴史、芸術、文化などを映像を通し、ワークショップ形式で楽しくみていきましょう。
イタリアに行った際に是非訪れたいUNESCO世界遺産認定エトルリア遺跡をご紹介します。

   * * *

セミナーではまず エトルリア人の起源 紀元前8世紀のイタリアにはどのような民族が住んでいたのか?との問いかけから始まりました

エトルリア人は主にトスカーナ州 ラツィオ州 ウンブリア州に住んでいましたが その起源は諸説分かれています 

エトルリア民族ギリシャ民族との比較が特に興味深く ギリシャ民族は政治・社会的にも男性優位なのに対して エトルリア人は夫婦像の石棺にも見られるように 男女が等しく 夫婦や家族を大切にし また女性の地位も高かったとのこと 

なので 長椅子の上に夫婦で寝そべって杯を傾けるというスタイルの陶棺・石棺(sarcofago)も作られたのですね
この有名な夫婦の陶棺は(これを見るとエトルリア人の死生観がよくわかりますね) ローマのボルゲーゼ公園内のヴィラ・ジューリア(Villa Giulia)・エトルスコ博物館にあるので ローマに行かれた際はぜひ訪れてみてくださいね!!

もう少し足を伸ばせる方は ローマの北にあるタルクィーニア(Tarquinia)ネクロポリス(necropoli)の中(地下)に入って 当時の人々が音楽を奏でて狩りをしたり 鳥を飛ばして占いをする情景を描いたフレスコ画の壁画などを見たり そしてチェルヴェテッリ(Cerveteri)にある丸い古墳 tumuliも見るのもよいです 

ともに2004年にUNESCOの世界遺産となっています


セミナーでは他にも エトルリア人の描いた作品や街はどれかを 写真を見ながら当てるというアクティビティや アーチ(arco)や 道路(vie cave)これは岩の途中に掘られた穴や マレンマ地方にある凝灰岩(tufo)を掘って作られた長い道などを 映像と共に写真集も見せていただき こんな古い時代の遺跡がちゃんと残っていることに驚嘆いたしました

それだけでなく エトルリア人が当時から鏡等を使い化粧をしていたシーン等を再現したビデオを見せていただき こんな昔の時代から化粧をしていたのだと(それは富の象徴でもあったわけですが) 閉じた鏡と開いた鏡が何を意味するかも含めて 大変興味深く見せていただきました


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以下は セミナー参加前に色々調べてみたことです:

草生期のローマ人は最初は政治的・文化的にエトルリア人の支配下にありましたが だんだんとローマの勢力が強くなってくると ついにはエトルリア人を征服してしまいます

エトルリア美術の起源は ボローニャ近郊のヴィラノーヴァ遺跡でエトルリア文化の遺物が初めて発掘されたことに端を発します

NHK『世界遺産』で以前放映された「エトルリア人」は こちら
これによると エトルリア人は死者の町ネクロポリス(ローマ近郊のチェルヴェ-テリとタルクィニァが有名)を 生きていた時のように創っていたのだとわかりますね

NHK世界遺産『チェルヴェテリとタルクィニアのエトルリア墓地遺跡』は こちら

「家型の墓」には 彼らは来世で現世と同じような生活ができると信じていたことが伺われます
エトルリア人の死生観については この番組では「番組は、男女平等の豊かな社会を営み、死・来世に対しても穏やかな考えをもっていた人々としての、エトルリア人像を描き出している」とあります

参考: 「イタリアものしり紀行」(紅山雪夫著/新潮文庫)
「イタリアの味わい方」(田之倉稔編/総合法令)他

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『楽しく学ぶイタリアの民族 第2回』は Bizantini e Longobardi  ビザンティンとランゴバルドの予定です!!

日程:2014年5月25日(日)13:00-15:00
テーマ:『ローマ時代以前の民族の活躍:ビザンティンとランゴバルド』
シチリア、エミリア・ロマーニャ州のビザンティン芸術モザイク

ピエモンテ・ロンバルディア州のランゴバルドのアート
イタリアに行った際に是非訪れたいUNESCO世界遺産遺跡をご紹介します。

詳しくは こちら

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また第2回で取り上げられる『ビザンティンとランゴバルド』についてちょっぴり:

395年に古代ローマ帝国のテオドシウス帝が没すると 帝国は正式に東西に分割されますが 西ローマ帝国の首都は 防衛上の理由からラヴェンナにおかれます
 
568年にゲルマン人の一派であるランゴバルド族が北イタリア一帯を制服してランゴバルド王国(ロンバルディ―ア州の名前の由来となります)を建てました

8世紀に入ると ローマ教会はゲルマン人のフランク族に接近し フランクのピピン(カール大帝の父)は756年に 自らが征服したラヴェンナ一帯を教皇に寄進し これがローマ教皇領の始まりとなりました (出典「イタリアの味わい方」(「中世のイタリア」より)


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今回はとてもよく聞き取れて質問も(本を読んで準備いったから?)できて とても充実したものでした
イタリア語ばかりやっているのではダメだ こういったイタリア民族の歴史なども平行して少しでも学んでゆかないと片手落ちだなぁと感じて ホントによかった!!

アリアンナ先生のイタリア語はとても聞き取りやすくわかりやすいので初級の方でも大丈夫ですし 松山代表の通訳もありますので心配いりません 

スライドや映像やクイズ等を多用して 難しいことをかみくだいてわかりやすく教えてくださるこのセミナー 実は世界史が苦手だった私にはホントにホントにありがたいものでして(:_;) ゼッタイはずせないのです!! もっともっと脚光を浴びてよいと思っております!!


今回の素晴らしい「イタリア民族セミナー」第一回 そして終了後に生徒さんの入れてくださった美味しいコーヒーも楽しませていただき(なんと5種類!!) 開催してくださいましたLCI様にこの場を借りまして 心よりお礼申し上げます<(_ _)>

LCIの開催リポートは こちら (地図や写真もあります)

さてさて 今から5月25日の第2回セミナーに期待しております(^^)/

* 写真: この日は井の頭公園の池も雪で覆われていました!!

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