絵本のまちいたばし講演会シリーズ「世界の書棚から」第1回「友だちや家族に贈りたいイタリアの児童書 (― Libri per bambini del 2021 da leggere e regalare―)」に行ってきました(2021.12.22)@いたばしボローニャ絵本館
各国の絵本等を紹介する講演会シリーズ「世界の書棚から」の第一弾はもちろんイタリア! 申し込み開始の翌日には満席となった程人気でした😊
「世界の書棚から」は 板橋区立中央図書館と板橋区立美術館が共同で 在日大使館の職員や各言語の翻訳家を講師に招き 各国の注目の絵本作家や作品 最新出版事情などについて話す講演会シリーズです
この日はパイロット版として イタリア文化会館図書室の稲田様より ぜひ翻訳出版してほしい また皆さんに読んでほしいイタリアの児童書を何冊かご紹介いただくとともに 板橋区立美術館館長の松岡様より コロナ禍の中での この2年でのイタリアの児童書出版やボローニャブックフェアの様子などの貴重なお話も伺いました
私の地元「絵本のまちいたばし」に 何年も通い詰めたイタリア文化会館が来るなんて💖
そして いたばしボローニャ絵本館と ボローニャの図書館が 姉妹図書館(シスターライブラリー)提携を結ぶ準備に入っており 本を通してのさまざまな交流が行われるとのことで じつに楽しみです📚 ← この日早速贈られてきた絵本を会場に展示してくださいました🎄
2005年に板橋区はボローニャ市と友好都市提携を結んでいます
Nel 2005 è stato concluso un “patto d’Amicizia e Collaborazione” con Bologna.
1967年からボローニャで開催されているボローニャブックフェアも 板橋区立美術館と長く協力関係にあります
この日ご紹介いただいた児童書は イタリア出版協会の テーマ別の今年読みたい本40冊の中の インディペンデント系の中小出版社が出したものから厳選していただいたものばかりとのこと:
* * *
1. Marcos y Marcos社 「Il mistero delle meraviglie scomparse (消えた世界遺産のなぞ)」
フィレンツェの名所がある日突然消えて 世界各国に現れた!! ひとりの少年が 犯人はアルノ川ではないかとつきとめ...
イラストレーターは 作品の世界観を壊さない人をと編集者が選んだとのことです またこのご時世でハッピーエンドが求められる傾向とのこと
この出版社では 出版後にも学校などと提携して 著者と本に出てきたスポットをまわるイベントなども行っているそうです 本を買えば参加費無料とのこと またコロナ禍でオンライン販売や自転車での本の宅配も始めたとのこと
2. Guanda社「Se tu fossi vero - storia dell'orso che scappa- (もしもきみがほんものなら - 逃げるクマの物語-」
ぬいぐるみのクマをもらったミルコ ぬいぐるみじゃなくて ほんもののクマがほしいんだ!! そしてとうとう...
3. Gammazita社「Mostro del pisolino (おひるねおばけ)」
おひるねすると出てくるおばけ... 子どもの分離不安がテーマで 作者と息子との実話から作りました イラストレーターは初めての試みでコンクールで選んだそうで ほぼそのまま絵本化される程完成度が高かったそうです
リノリウムの版画を作る映像も見せていただきました リノリウムはやわらかいのでとてもやさしいタッチの版画ですね🖼
4. KITE社 「L'ospite (フシギなお客さま)」
ある日突然 へんてこりんな乗り物にのったふしぎな子がやってきて... 新しい状況にどう対応する?? というポジティブなストーリーです
5. KITE社 「Felicità ne avete? (しあわせ ありますか?)」
魔女は自分の髪の毛に まわりからうばったしあわせなものをまきつけてゆくが それでも満たされず... ある日パーティーに招待された魔女は髪を洗い うばったしあわせを洗い流すと... 東欧のイラストレーターによる絵です しあわせって奪ったり求めたりするよりも 無心になった時に手に入るものかもね...😊
6. KITE社「Chi cerca trova (さがしてごらん みつかるよ)」
メガネさがしの旅に出た3匹のおはなしです
さらには 児童書の英語版とイタリア語版をイタリア文化会館様よりプレゼントいただき 参加者でじゃんけん大会をしたり 赤ちゃん絵本の朗読がYou Tubeで聞けることや 難民がたどりつくランペドゥーサ島に 言葉のない絵本のサイレントブックライブラリーを作るため コンクールを開いているという話なども伺いました
さらには イタリア文化会館が2020年に発行した「イタリア現代文学案内2020」も配布してくださいました
出版社や本屋さんもコロナ禍で色々大変な中 宅配サービスやオンライン販売を行いました この案内パンフレットも なかなか出かけられない状況だからこそできることを と作られたそうです
とても充実した内容の講演会でした 次の「世界の書棚から」は どこの国でしょうか?
これからのいたばしボローニャ絵本館に注目です!!
「友だちや家族に贈りたいイタリアの児童書」開催のお知らせは こちら第2回のカナダは こちら