日伊文化交流会

サークル「日伊文化交流会」は板橋区で生まれ、元東都生協登録サークルとしてイタリア好きの人たちが集まり楽しく活動しています

イタリア映画「ヴァチカン美術館 天国への入り口」(4K・3D)」を見ました(2015.3.4)@シネスイッチ銀座

2015年03月05日 | イタリア映画・映画
イタリア映画「ヴァチカン美術館 天国への入り口」(4K・3D)」を見に行ってきました(2015.3.4)@シネスイッチ銀座



後半にね システィーナ礼拝堂の扉が静か~に開くんですよ 
その瞬間 6年前に訪れたまさにこの場所の記憶がいっぺんによみがえってきて それはもぉ...息を呑むというか 圧倒されたというか...

一瞬にして 時空を飛び越えてあの時のあの場所に一瞬にして引き戻された感覚にとらわれて動けなくなりました...
あれからの長い日々の中で自分の中にたまったもろもろのことが ざーっと吹き飛ばされたくらいの衝撃を受けましたね...


それと「4K3D」についてのテクニカルな説明がパンフレットにたくさん載っていたけど ほんとに不思議だったのは 平面の絵なのにいつのまにか3Dになってて 奥行きがあるんですよ 手前の絵と 背景とが 分離して立体的に写っているんですよ 不思議...


予告映像でこれはゼッタイ見たいと確信して 水曜午後のイタリア語レッスンのあと すっとんでシネスイッチ銀座に行って ぎりぎりに入ったけどどうにか座れました 

3Dのメガネはもらったのでまた使えるし 日本語吹き替えなので 字幕を読むストレスはなくて映像に集中できたのがよかったです 
パンフレットにはNHKラジオ講座でおなじみの池上英洋先生も執筆してらっしゃいました

大画面で見るヴァチカン美術館の3D映像...すごかったです いつまでやっているかはまだ未定とのこと(2015.3.4現在)

ヴァチカン美術館に行ったことのある人もない人も ぜひとも見てほしいと思いました

      *       *       *

映画は ヴァチカン美術館館長 アントニオ・パオルッチ氏の解説により ヴァチカン美術館の作品の数々が紹介されてゆきます

まずはこの美術館が他と違ってなぜ「複数形」なのかが語られます そしてピオ・クレメンティーノ美術館に収蔵された 古典彫刻「ラオコーン群像」の 至近距離で迫る激しい感情表現 また「ベルヴェデーレのトルソ」のヘラクレス(Ercole)の像は 頭も足も腕も破壊されてしまったけど それでもこの腹部のパワフルなフォルムから その物凄いエネルギーがにおいたつ程の完璧な肉体が想像できます


2台の馬のそのいななきが聞こえてきそうな程の ピーガの間の戦車を牽く2頭の馬の大理石の彫刻のその迫力

サン・ピエトロ大聖堂にある 大好きな ミケランジェロの「ピエタ」像 そのマリアの衣服のひだまでもが不思議な輝きを放つ映像の グラデーションの陰影の美しさに息を呑む...


ダ・ヴィンチの 「聖ヒエロニムス」 その絵がここに飾られるまでの変遷 ジョットの「ステファネスキの三連祭壇画」に見られる初めて絵画に表情を表した表現 

バロックの代表作である カラヴァッジョの「キリストの埋葬

そしてさらにゴッホ 忘れられたピエタ」これは画集等で目にする機会はほとんどないというもの 
シャガール そしてダリの「キリストの受難



そしていよいよ ラファエロそしてミケランジェロの登場となります

1506年教皇ユリウス2世が ミケランジェロに システィーナ礼拝堂の天井画を依頼します 

システィーナ礼拝堂の「天井画」 特に「アダムの創造」の 触れそうになる指先 4年で独りで仕上げたという壮麗な大天井画 これは私も実際に見ました 
多くの観光客のそれこそ溜息だけで「静粛」な空気が沸き立つ程沸騰しそうなくらいだったのを覚えています (静粛に 喋ってはならないと言われましたが ものすごい人いきれでわーんと響くくらいの音響でした)


1509年には ラファエロが 「ラファエロのスタンツェ(間)」に着手 「アテネの学堂」「聖ペテロの解放」「ボルゴの火災」 そしてラファエロの遺作となった「キリストの変容」が次々と紹介され... 

そして システィーナ礼拝堂の天井画の完成後 30年を経て再びヴァチカンに戻ってきた60才になったミケランジェロの「最後の審判」が 細部まであますところなくカメラで捉えられてゆき... 一人ひとりの苦悩の表情が ルネサンスから次に来るマニエリスムの始まりを表しているかのようです 


「ヴァチカンには訪れるたびに新しい発見がある ここは繰り返し見るべき価値のある 地上でもまれな場所なのです」との解説 そして この3D映画は「持ち出し不可能な美術品を その場に行って鑑賞しているかのような"臨場感のある映像"で溢れた作品」であり 「まるで美術館の中を歩いているかのような没入感に浸ることができる」作品だと言えるでしょう(パンフレットより)


素晴らしい映画を見たあとはどうしても寡黙になります...なのでひとりで見に行ってよかったかも(笑) 大画面はさすがに違いますね

彫刻の立体感 そして冒頭にも書いた システィーナ礼拝堂の扉が静かに開く瞬間の まるでそこにいるかのような空気感...忘れられないですね あの瞬間に戻りたいくらいです


映画は こちら

お知らせは こちら

* 写真は 2008年10月に訪れたヴァチカン美術館の螺旋階段(2000年に新設)

 


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