日本農業新聞 e農ネットに「ドローン 生育調査 農薬散布 農業利用へ 操縦自動化めざす JAXAなど研究着手 (2015/5/23)」という記事がでていた。
内容は以下の通り
宇宙航空研究開発機構(JAXA)などの研究グループが今年度から、無人航空機のマルチコプター(ドローン=ことば)の農業利用に向けた研究に着手する。
生育状況の調査や農薬散布などの試験を重ね、それぞれの用途に適した機体を開発。
離陸から着陸までの操縦を自動化し、誰でも簡単に使えるシステムにする。
精密農業を身近なものにし、省力化や生産性向上につなげる。
・誤差1メートル以内に改善
農業利用への研究は、JAXAの長谷川克也研究員と九州大学農学研究院の岡安崇史准教授、農研機構・九州沖縄農業研究センターの深見公一郎主任研究員が共同で取り組む。
3年間の計画で、文部科学省の科学研究費助成事業に採択された。
無人航空機として農業で利用するヘリコプターは、価格が1000万円以上と高い。
操縦にも高度な技術と免許が必要になる。
これに対し、市販のドローンは数万円程度からあり、比較的簡単に操縦できる。
JAXAは5年ほど前からドローン研究に取り組んでおり、強風時でも安定飛行できる機種や積載重量50キロ(一般的な市販機は1~5キロ)の機種などを開発。
福島県での放射線測定などにも活用した。
こうした実績を踏まえ、農業利用の研究に入る。
長谷川研究員は「農作業に応じて求められる性能が異なる。農業用の専用設計が必要であり、JAXAの技術を活用していく」と説明する。
基盤となる技術の一つは、JAXAが運用する準天頂衛星。
既存の衛星利用測位システム(GPS)では5メートル程度の精度だったものが、1メートル以内になり、精密な作業に対応できる。
研究グループは安全性や機能面だけでなく、コストも重視する。
モーターやバッテリーなど多くの部品は市販品を活用するため、実験機の部品代は積載重量5キロのもので約5万円、50キロのタイプでも20万円を上回る程度で済む。
農作業は、農薬散布や生育状況調査が中心。
生育調査には葉色センサーや放射温度計などを利用する。
作物は水稲や麦、大豆などを想定。上空から見ることで、生育のばらつきや病虫害の被害も早期に気付き、対処ができる。
これまでも人工衛星や航空機による測定はあったが、岡安准教授は「農家が自分たちだけで、安く、必要な時に飛ばせるようになればメリットは大きい」と指摘する。
自然災害時の情報収集や物資輸送といった利用も検討する。
長谷川研究員は「農村部でさまざまな用途に活用できる。農家をはじめ全ての人が簡単に使えるものを開発したい」と意気込む。(飯島有三)
<ことば> ドローン
3枚以上の複数の回転翼を持つ無人航空機。
近年、空中撮影の用途を中心に急速に普及が進んでいる。
現行の法規制では、空港の付近や高度250メートル以上の空域以外では、届け出をしなくても飛行できる。
というもの。
嬉しいニュースである。
ドローンがてにもつを運んでいる映像を見たときから、実現できるのではと思っていたが、気になっていたのが誤差。
農薬などで使用する場合は、誤差5mは、自然に与えるダメージが大きいから。
自分が使いたい他の理由としては、棚田や用排水路のチェックや、土砂災害時の状況の把握など・・・
1mまで制度が上がるのであれば、是非ともも使ってみたいものだ。