ATSUー歴女(おばさん?)のひとりごとー

見たこと・聞いたこと・ちょっと調べたこと,気ままに「My 日記」として書いています。

檀家をもたない南都六宗の寺

2016-01-05 10:31:37 | 日記
昨日,ふらっと古本屋に行きました。

そこで見つけたのが,
島田裕巳『浄土真宗はなぜ日本でいちばん多いのか』

本の題名に似合わず,とってもまじめに日本の仏教史をわかりやすく書いています。
(まだ,46ページまでしか読んでいませんが・・・)

前回,「初詣」のところで,
「法隆寺には檀家がない」ことを書きました。
その答えがわかりました。
法隆寺だけでなく,南都六宗の寺はすべて檀家がないのです。

南都六宗の寺院は,官寺または,官寺に準じる寺でした。
だから,飛鳥時代から奈良時代にかけて創建された規模の大きな寺院は,
経営を支えるため,国から墾田が与えられていました。
豪族などが氏寺として建てた私寺も,官寺に準じる地位が与えられていました。

国家が仏教を支える体制は,戦後になって
「国家仏教」と呼ばれるようになりました。
国家というスポンサーが寺の経済を支えるため,
教団を組織し,独自に経済基盤を確立する必要がなく,
経済的支援をしてもらう檀家をもつ必要がありませんでした。
そして,「葬式仏教化」することもなかったのです。

ちなみに,南都六宗の寺院の僧侶が亡くなると,
その寺の僧侶が葬儀を営むことはなく,
葬儀は他の宗派の僧侶に依頼されるし,
僧侶の墓もそうした菩提寺の中に設けられるそうです。


勉強になりました。
この島田裕巳氏は,『神も仏も大好きな日本人』
という本も書いているようです。
そのうち,この本も読もうと思います。

でも,・・・
「国家仏教」は「政教分離」の精神に反しないのでしょうか?
南都六宗の寺院は,仏教としてではなく,
歴史的な文化財として価値があるからいいのでしょうか。

コメント
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