末日聖徒イエス・キリスト教会には、案外大祭司がたくさんいる。理由は以前監督(bishop)や副監督、ステーク会長会に召されたり高等評議員になったりしたことがある男性会員が皆大祭司の職にあるからである。歴史的に見て、この「大祭司」の持つ三様の姿を整理してみることも意味があると思う。
まず、旧約聖書でアロンとその子たちが祭司となり、三男エレアザルの子孫が世襲的に祭司職を継いでいく。アロンを始め、祭司たちを束ねる筆頭の指導者を大祭司と見なすことができる。例、ウリムとトミムをもって神のみ旨を問うた。ただ、この大祭司は祭司の階級に属し、アロン神権者とみなされる。(1985年LDS版聖書Topical Guide)。
この体制がイスラエルの捕囚によって崩れ、帰還後一時シリアのセレウコス朝から独立を勝ち取った時、ユダヤのハスモン家の英雄ヨナタン、シモンが大祭司の地位に就くことになる。この頃を境に大祭司は宗教に留まらず政治・軍事上の頭(かしら)の役柄を担うことになっていく。短い独立の時代は終わり、すぐローマの支配下に入る。そしてポンペイウスがハスモンの子孫ヒルカヌスを大祭司に任じることになった。
それは更にヘロデやローマの意志によって、据えられ、すげかえられることになる。紀元前37年から紀元後68年の間に28人の人物がその職に就いた。ユダヤ人にとっては傀儡の屈辱の象徴ではなかったか。イエスが審問を受けた大祭司カヤパはそのような一人であり、パウロがあなたが大祭司であるとは知らなかったと威儀を正したのはアナニヤであった。手先的存在であったとは言え、ユダヤ人に対して強大な権力を握っていた。
では、ずっと時代が下って、末日聖徒の大祭司はどんな役柄を担っているのだろうか。監督はアロンの直系の子孫がなる。しかし、見つからない時は上位のメルキゼデク神権大祭司の職にある者がその職に就くことが出来る、ということで、包括的万能の職位と位置付けられている。ジョセフ・スミスは大祭司について、福音の原則・教義を教える資格があり、霊的な、また神聖な事柄を管理・執行する義務を負う、と述べた。
[画像:大祭司の皆さん、眠ってはいけません。ウークトドルフ]
万民の中から要職に就く者が選ばれ任命されて、制度としての教会が維持されていくのであるが、大祭司という職責にある者は歴史を知っておくことと、期待される役柄を認識すべきものと思う。(上記全体の記述は単純化された要約であることをお断りします。)
参考
旧約聖書:出エジプト 28:1, 29章
外典:第一マカベア書14:17, 27, 30
新約聖書:マタイ26:62, 使徒23:5
ジョセフ・フィールディング・スミス「ジョセフ・スミスの教え」(英文)p. 21, 109
イエスが生前に認めたであろう神権者は、エッセネ派のクムラン集団の組織
http://inri.client.jp/hexagon/floorA5F/_floorA5F_hEE.html
http://muso.to/h-sikaimonnjyo.htm
義の教師 (LDSのジョセフスミスに対応)
12名の弟子 (おそらくクムランの大祭司・預言者でLDSの十二使徒に対応)
祭司たち (LDSの祭司)
クムランの10人組 (LDSのHT・家庭訪問制度)
およびイエスが選んだ十二使徒たち(一部クムランの十二弟子からも選ばれたらしい)
だけだったみたいですね。
後に登場するビショップ(監督)の選定基準は既婚者で評判が良くて面倒見の良い信徒から選ぶというだけで、神権者である必然性があるのやらないのやら聖書からは読み取れないと記憶しています。
大祭司定員会は、神権者の養老院。
管理の職と言っても、肝心の管理すべき会員が居ないんじゃどうしようもない。
役員ばかり多い会社はそのうちつぶれる。
ところでビショップって突然あなたを任命しますって面接で任されるじゃないですか、でも解任もいきなりなんですよね。 理由が説明されることはなくて、自分が良かったのか悪かったのか、どう評価されていたかもワカランのですよ。 あれは精神的にまいる人が多いんじゃないかなって思います。
昔は良く監督経験者の燃え尽き症候群なんて言ったりもしたもんですが、当時は弱い人が落ちていく見たいに思ってましたが、今は彼らの気持ちも分かるんですよね。
だんしゃり
https://search.yahoo.co.jp/search?ei=UTF-8&p=%E6%96%AD%E6%8D%A8%E9%9B%A2
教会批判になってしまうけれども、モルモンはこの部分がずれてるんですよね。
70とはイスラエル12部族x6人ずつから構成された学者集団に過ぎないんだから、七十人たちが神権でもって民の中間管理職をやるという発想が目的外利用みたいなものだったりする。
指導の手が足りないからって七十名の定員会を必要分増やしていくなんて本末転倒のような気がします。
十二使徒の顧問として無償で働いてくれる千人の長(ステーク会長・伝道部長)を必要人数配属すれば事足りるはずです。
その下は百人の長(大祭司のビショップ)、五十人の長(祭司)、十人の長(HT)で十分。
複雑で困ったことが起きたら、七十人の学者の知恵を借りたらいい。
https://twitter.com/honest_kuroki/status/618477710730366976
似たようなのが、教会にも・・・
フルタイムの宣教師と言う兵隊が居ますから。
実は、その次に兵隊が居るのは、ビショップなんですけどね。
ステーク会長と言うのは、実質的に実働部隊を持たない指揮官だと思います。
ステークの役員は、直接会員に働きかけをするのは難しいですからね。
それから比べると、ビショップは会員からの信頼を得れば、強力な実働部隊を構築できる。
ただ残念なことに、それをさせないのが、その上部管理組織なんですね。
つまり、ビショップに自由に走らせない。下手な競馬の騎手みたいなもんです。鞭は入れるけど、手綱を締めすぎる。
馬を走らすには、手綱を緩める事、そうすれば鞭などなくても走るんですね。競馬の馬って走りたい習性が有るから。
兵隊が居ないのは、大祭司グループリーダーも同じで、グループには多くの大祭司が居るが、リーダーの自由に使える人材はほとんどゼロ。
で、今のところ、実働部隊として最も動けそうなのが、扶助協会なんですが、悲しい事に神権者ではなく、教会運営の意志決定から外されている。
ま、どうしようもない、難儀な組織に成ってますね・・・。
>大祭司の皆さん、眠ってはいけません。ウークトドルフ
現在は成人男性が改宗すると即座にアロン神権が与えられ、祭司になり、勤勉に信仰生活を続ければ1年も経過すると長老、数年で大祭司。
昔はもう少し修行の時間があったように思います。
大祭司は万能の職ということはドアキーパーもパスもできるということ。
ユニットの一時代先導してきたスパー神権者はすべからく自らを低くして足りない穴を埋めてくれるありがたい存在です。