タロー、マリー、・・・
昔、山で飼っていた 犬の名前。
何匹かいたのに二つしか名前がでてこない。死んだら同じ名前を
使っていたからか・・・。猫と同様、捨てられた子らが多かったので、
中型の雑種ばかりだった。
一番心に残っている出来事は、最後のタローの時。
母がいなかったから、私が高校2・3年のころ だったと思う。
つなげていた杭が抜けたのだろうか、鎖をつけたまま散歩へ出て
その日、帰って来なかったことがあった。おなかが減ったらいつもは
帰ってきているのだが、鎖がつながっていたのと、草木が生い茂って
いたのが気になっていた。呼べば声が聞こえるが、姿が見えない。
かなり深い茂みへ、声のする方へ、父が捜しに入って、助け出した。
が、首輪についていた針金が、タローの首にくいこんで、ザックリ
3cmぐらい深く切れていた。当時、獣医なんて聞いたこともなかった
ので、家でできる治療(消毒と赤チンぐらい)をしただけだった。
次の日、
・・・うわ~っ 気持ち悪~い
なにこれ~
・・・
なっ、なんと、傷口にウジ虫が湧いていたのだ。
二日間行方不明だった時にでも、蝿などに植えつけられたのだろう。
すごい量だったが、取れるだけ取って 消毒と赤チンを思いっきり
垂らした。タローは思いのほか元気そうなので、よく毎日こんなに
ウジが湧くなあ、と、感心しながらそういう手当てを、何日も続けた。
そのうち乾燥したら自然に治っていった。
この時ほど、「動物の生命力って、すごいんだ。」
と感じたことは、未だかつてない。