七つの子 烏 なぜ啼くの 烏は山に 可愛い 七つの 子があるからよ 可愛い 可愛いと 烏は啼くの 可愛い 可愛いと 啼くんだよ 山の 古巣へ 行って見て御覧 丸い眼をした いい子だよ |
野口雨情(詩) 本居長世(曲)
よくないことが起こる前触れとして、嫌われ者の烏。
それを可愛いとして詩を作った野口雨情。
雨情が活躍した大正時代、≪帯解き式≫という行事が、
子供のいる家では盛んに行われていたそうです。
幼い子供が着る着物には〈つけひも〉といって着物に
直接縫い付けてありました。
ところが男の子は、5歳から9歳の間、
女の子は7歳の11月に行うお祝いの式で、
そのつけひもを取り払って初めて帯を締めさせました。
『この童謡は、帯解け式を迎えた7歳の女の子に、
カラスの姿を借りて、両親がすくすくと元気にいい子
に育ってほしいと祈り、夢見ている姿。』
この歌の主人公の〈山ガラス〉とは嘴細烏(はしぼそがらす)
のことです。卵は1回に3個~5個しか産まないので、
山の古巣に7羽の赤ちゃんがいることは可笑しな話です。
童謡絵本によく7羽の赤ちゃんを描いているのは間違いです。
『本居長世童話曲集』の解説の中で、
(七つの子とは七歳の子供のことで、七羽の子供の意味
ではないと思う。この童話が「小学生全集」の童話集に
載ったときの挿絵は七歳ぐらいの子供が、カラスの巣に
いるところが描いてあった)と述べられています。(引用)
いずれにしても、親の子供に対する愛情が込められた歌
には違いないようです。
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