「はらこ飯」
主な伝承地域 亘理町
主な使用食材 サケ(身、いくら)、米
歴史・由来・関連行事
宮城県には北上川、鳴瀬川、阿武隈川をはじめとする大小さまざまな河川があり、毎年秋になるとサケが産卵のために遡上する。そのため、白サケ類の漁獲量は全国トップクラス。100年以上も前から人工ふ化放流事業を行うなど、サケを守り育ててきた歴史がある。現在も県内に20ヶ所のふ化場があり、増殖と資源保護の努力が続けられている。
そんな宮城で、サケを使った郷土料理として最も有名なのが「はらこ飯」。これは、伊達政宗公が荒浜の運河工事を視察した折に、領民から献上されたことでも有名だ。「はらこ」とはこの地方でいくらを指す言葉で、サケの腹にいる子「腹子」からそう呼ばれるようになったという。
政宗公に献上する以前から、阿武隈川に遡上してくるサケを地引網で獲っていた地元の”漁師飯”として食されていた。各家庭によって味付けが異なるため、亘理では「うちのが一番」が合言葉になっている。
現代では煮上げたサケ、サケの煮汁で炊いた米、煮汁にくぐらせたいくらをそれぞれ盛り付けるが、昔はすべてを混ぜ合わせた「混ぜご飯」だったという。現在つくられているはらこ飯とは違ってシンプルな見た目だが、荒浜婦人会では、この元祖の味を伝承するべくさまざまな活動を行っている。
食習の機会や時季
サケが遡上してくる秋。9月から11月まで。この時期は、ご当地である亘理はもちろん、宮城県内の多くの飲食店で「はらこ飯」が提供されている。また秋祭りにはサケのアラ汁と共に地域の方々やお客に供される。
飲食方法
丼、もしくは大き目の茶わんに炊き込みご飯をのせ、ほぐしたサケの身、煮汁にくぐらせたいくら、彩りに三つ葉を添える。汁物や漬物とともに提供されることが多い。
保存・継承の取組(伝承者の概要、保存会、SNSの活用、商品化等現代的な取組等について)
荒浜の飲食店が加盟する「荒浜はらこめし会」が全国的なPRをおこない、今や宮城を代表する郷土料理となった。秋になると全国からこの味を求めて観光客がやってくるほどに。
*https://www.maff.go.jp/j/keikaku/syokubunka/k_ryouri/search_menu/menu/harako_meshi_miyagi.html より