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<日本の名水百選> 埼玉 元荒川ムサシトミヨ生息地

2025-01-18 08:48:31 | 名水百選

 「元荒川ムサシトミヨ生息地」

 「熊谷市ムサシトミヨ保護センター」

 熊谷市ムサシトミヨ保護センター(くまがやしムサシトミヨほごセンター)は、埼玉県熊谷市にある研究施設。

 概要

 1957年4月、埼玉県水産指導所熊谷養鱒試験池として設立(幾度かの組織変更や移転を経て、廃止時には「埼玉県農林総合研究センター水産研究所熊谷試験地」)。確認されている中では唯一のムサシトミヨ(絶滅危惧種)生息地である元荒川源流域の近くにあり、ムサシトミヨの研究・保護活動や元荒川の清流維持のため、井戸水をポンプで汲み上げて元荒川へと流す作業も行なわれていた(元荒川自体は、生活廃水などが流れており、ムサシトミヨの生息に適した環境ではなくなってしまったための生息地存続策。他地域のムサシトミヨがいなくなったことを受けて開始)。

 しかし、県組織の再編から、埼玉県農林総合研究センター水産研究所では、熊谷試験地を閉鎖し、ムサシトミヨ研究も終了することが決定。閉鎖されると、元荒川流水用のポンプも稼動停止にせざるを得なくなり、ムサシトミヨの生存が困難になってしまうため、県と市の協議の結果、ポンプ管理および実験池・実験室は県が管理継続、管理研究用施設は熊谷市に移管、ムサシトミヨ研究は県環境科学国際センター(加須市)に移管することで合意、2004年10月1日、管理研究用施設が「熊谷市ムサシトミヨ保護センター」に生まれ変わった。

 現在はさいたま水族館の職員によってムサシトミヨの飼育・繁殖・保護が行われている。また、市民グループ「熊谷市ムサシトミヨをまもる会」の活動拠点としても利用されている。

 「ムサシトミヨ」

 学名:Pungitius sp.。定まった学名がない。
 関東地方の一部(東京都西部の石神井・井の頭、埼玉県熊谷市・本庄市・川越市、群馬県、茨城県、千葉県)に生息していたことが知られているが、都市化や環境汚染などの影響で生息地が急激に減少していった。20世紀終盤以降、確実に生息が確認されているのは埼玉県熊谷市の元荒川源流域のみである。平成3年に埼玉県が県の天然記念物および「県の魚」に指定した。平成23年には熊谷市が「市の魚」に指定し、熊谷市ムサシトミヨ保護センターを拠点にして、保護下に置いている。食性はボウフラや水生昆虫、小さな甲殻類を食べている。身を守るために背には8 - 9本、腹には2本、尻には1本のトゲがあり、体長3.5 - 6cm程。鱗板は尾の付け根部分にある。体色は緑っぽい暗緑色。寿命は短く約1年で、産卵期(3月頃)には婚姻色で体色が少し黒ずむことがある。
 絶滅危惧IA類 (CR)(環境省レッドリスト)

 「ムサシトミヨ保護活動」
 ムサシトミヨの項目を見ればわかるように、ムサシトミヨは絶滅の危機に瀕している。これを食い止め、増やそうとする活動が、市民を中心に行なわれている。

 前述の「まもる会」は、密漁防止(「埼玉県希少野生動植物種保護条例」に基づく「県内希少野生動植物」に指定されており、捕獲は禁止されている)のパトロールを行い、ゴミ拾い・草刈りといった生息地の自然保護活動を行なっている。また、保護センターにおいて、ムサシトミヨの解説会を開き、ムサシトミヨを通して自然の保護の大切さを訴える啓蒙活動を行なっている。
 市管工事業協同組合青年部が、ボランティアとして清掃を行なっている。
 近隣の2小学校および1中学校では、ムサシトミヨを校内で増殖・飼育し、生息地に放流するという課外授業が毎年行なわれている。
 2008年、環境省による「平成の名水百選」にムサシトミヨ生息地が認定される。
 2013年、日本ユネスコ協会連盟のユネスコ・プロジェクト未来遺産運動に「熊谷市ムサシトミヨをまもる会」の活動が「世界で一つだけの『元荒川ムサシトミヨ生息地』保護活動」として登録される。

*Wikipedia より


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