「長崎べっ甲」
Description / 特徴・産地
長崎べっ甲とは?
長崎べっ甲は、長崎県の長崎市や諫早市を中心に生産されている工芸品です。
べっ甲の材料は赤道付近に生息するの海ガメの一種「タイマイ」の甲羅。江戸時代、鎖国によって貿易が許されていたのが長崎のみであったため、べっ甲の材料が入手しやすかった長崎でべっ甲細工が発展しました。
長崎べっ甲の特徴は、職人たちの経験と技で厚みや色合いなどを絶妙に調整する、緻密で精巧な技法。
髪飾りやネックレス等の小物だけでなく、宝船等の大物製品も製造されています。
現在、ワシントン条約によりタイマイの国際間取引が禁止されているため、長崎べっ甲の材料の輸入ができなくなっており、その希少性が高くなっています。
History / 歴史
長崎べっ甲 - 歴史
日本におけるべっ甲細工の歴史は古く、飛鳥・奈良時代に中国からもたらされたと言われており、東大寺正倉院の中にも数点保存されています。17世紀以降、外国商船によってべっ甲細工の材料であるタイマイが長崎に輸入されるようになり、長崎でべっ甲細工作りが始まりました。当時、べっ甲は長寿を祝うめでたいものとされ、かんざし、櫛などが各地の大名などの富裕層に愛用されました。
しかし、高価であることに加え、元禄時代には「奢侈禁止令」により禁止されるなど、庶民には手の届かない非常に貴重なものでした。
江戸時代後期に各国との間に開港条約が締結され、長崎に多くの外国人が出入りするようになると、長崎べっ甲は外国人にも愛されるようになります。職人たちは海外の生活にも合うように研究を重ねていくことによって、長崎べっ甲に対する評価が国内外で高まり、長崎県の名産品のひとつとして知られるようになりました。
*https://kogeijapan.com/locale/ja_JP/nagasakibekkou/ より
*https://kougeihin.jp/craft/140611/ より
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