「甘納豆のお赤飯」
主な伝承地域 南アルプス市、甲斐市、山梨市、甲府市
主な使用食材 もち米、うるち米、甘納豆
歴史・由来・関連行事
「甘納豆のお赤飯」とはその名のとおり、甘納豆を入れて炊いた赤飯である。味は甘く、ごま塩をかけて食べると甘じょっぱくなり美味しいと地元の人たちには人気である。ささげや小豆などは使わないため、もち米は赤くならず、かわりに食紅で色をつける。和菓子店やスーパーマーケットなどではこの甘納豆を使った甘い赤飯と、全国的に知名度のある、ささげや小豆を使った甘くない赤飯と両方がおいてある。古来より赤い色は「邪気を払う」魔除けの色と信じられていた。そのため「甘納豆のお赤飯」も、甘くない赤飯同様に祝いの日には欠かせない。甘い赤飯はとても珍しく感じるが、山梨県から遠く離れた北海道、東北の一部でも食べられている。そのルーツは諸説あり、鎌倉時代に甲斐の国(山梨県)から青森県に移った南部氏が伝えた説や、山梨県での50年前の学校給食で、青森の人から聞いて甘納豆を入れるようになった説など数多くある。
食習の機会や時季
甘納豆を使う場合、豆を水でもどしたり、ゆで汁にもち米を浸しておく必要がなく、手軽につくれるため通年つくられる。特に祝いの日に好まれて食される。
飲食方法
もち米とうるち米を混ぜ合わせ洗い、水を切り炊飯器に入れる。食紅は少量の水で溶かしておく。分量通りの水加減にした後、水に溶かした食紅を加え、炊飯器で炊く。炊きあがったら甘納豆をのせ、再度炊飯器の蓋をして少し蒸らす。さっくりと混ぜて器に盛り、ごま塩をかけて完成。山岳地方などで花豆が特産品の地域では「花豆赤飯」なども食べられている。
保存・継承の取組(伝承者の概要、保存会、SNSの活用、商品化等現代的な取組等について)
和菓子店やスーパーマーケット、コンビニエンスストアなどで購入できる。また、山梨県が次世代への継承に取り組んでいく郷土食176品目「やまなしの食」のうち、さらに代表的な47品目としてしぼられた「特選やまなしの食」に選定されている。
*https://www.maff.go.jp/j/keikaku/syokubunka/k_ryouri/search_menu/menu/ama_nattou_no_osekihan_yama_nashi.html より
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