第79回 2015年1月6日 「紙 大変身!華やぐ空間~愛媛 大洲和紙~」リサーチャー: 藤澤恵麻
番組内容
愛媛県の内子町で、江戸時代から作られてきた大洲(おおず)和紙。近年誕生した、光によって色味が変化する華やかな紙が今、大人気。手すき和紙に金属箔を融合させたもので、今ふすまや壁紙などの空間を彩るインテリアとして用いられている。さらに、カワイイ切り絵の「あんどん」や、繭のような幻想的タペストリー、神秘のモビールなど、癒やしのインテリアも登場。新しい大洲和紙とそれを生み出す職人技に女優・藤澤恵麻が迫る。
*https://www.nhk.or.jp/archives/chronicle/detail/?crnid=A201501061930001301000 より
詳細不明につき、勝手に調べてみました。
「大洲和紙」
Description / 特徴・産地
大洲和紙とは?
大洲和紙(おおずわし)とは、愛媛県大洲市内子町で作られている手漉き和紙です。大洲では、平安時代から和紙が作られていましたが、現在のような大洲和紙になったのは江戸時代中期のことでした。一時は存続が危ぶまれるほどに職人が減ってしまった大洲和紙も、現在では高級和紙としての地位を確立しています。
大洲和紙の特徴は、楮(こうぞ)・三椏(みつまた)・雁皮(がんぴ)・麻・竹・わら・トロロアオイを原料として作られているところです。書道半紙・障子紙・凧紙・色和紙など、様々な形で利用されていますが、特に有名なのは書道半紙です。大洲和紙は薄くて漉きムラが少ないため、高級で使いやすい書道半紙として重宝されるようになりました。
3~4年たって枯れた状態の書道半紙は、さらに滑りが良くなり独特の味わいが表現できます。
History / 歴史
大洲和紙の起源は定かではありません。しかし、平安時代に書かれた延喜式(えんぎしき)という書物に登場していることから、その時代にはすでに作られていたと考えられます。紙漉重宝記(かみすきちょうほうき)によれば、歌人として有名な柿本人麻呂が岩見の国で紙漉きの技を起こしたところ、その技術が大洲に伝わったとのことです。
現在の大洲和紙となったきっかけは元禄年間にありました。宗昌禅定門が技術を導入して大洲藩の産業として発展、日本一の和紙と呼ばれたこともあります。
1910年(明治43年)には製紙工場が増設されて業者も430名にまで増えましたが、終戦時には74名に、現在ではさらに数が減ってしまいました。衰退の要因は、戦争の影響だけでなく機械化による影響も大いにありました。しかし、かたくなに手漉きにこだわった職人が技術を守り抜いたことで、現在にまで大洲和紙が受け継がれています。
*https://kogeijapan.com/locale/ja_JP/ozuwashi/ より
日仏伝統工芸の美しき融合「ギルディング和紙」をご存じですか 2019/10/09
都道府県発のとっておき「愛媛県」
EDITOR’S REPORT 街に溢れるさまざまな情報の中から、編集部員が読者の皆さまに役立つ情報を厳選してご紹介します。新しくオープンした店や、アイディアが光る新商品、地方発の注目情報など、日々の暮らしをより楽しく、豊かにしてくれる情報がきっと見つかります。
「ギルディング和紙」とは、愛媛県大洲(おおず)市内子町五十崎(いかざき)で作られる手漉きの大洲和紙に、伝統的なフランスの金箔工芸技術“ギルディング”を施したもの。和紙×金属箔の上品な華やかさが特徴です。
「大洲和紙は、実はあと少しで産業が途絶える危険性がありました」と語るのは、ギルディング和紙を考案した齋藤宏之さん。奥さまの実家があるこの地に移住したとき、大洲和紙の現場は職人の高齢化と後継者不足が深刻な状況でした。
しかし、地域全体で紡いできた歴史を絶やしてはならない、という地元の人々の想いを受け、齋藤さんは一念発起。
「伝統工芸はポテンシャルが高い。上手に展開すれば、世界に打って出られる商品になるはず。けれど和紙だけではインパクトが出しにくい。
そこで、日本の伝統工芸とフランスの伝統工芸を組み合わせるという新しい試みに挑戦しました。今の生活に根ざした付加価値のある和紙製品を作らねばならないと思いました」。
キーマンは、パリ在住の壁紙デザイナー、ガボー・ウルヴィツキ氏。ギルディングによる壁紙を製作しており、2007年にはフランス国家遺産企業の認定を受けた人物です。
齋藤さんはパリに渡り、技術を指南してほしいと直談判。その熱い想いに動かされ、一家で内子町に移住したガボー氏は、2年の歳月をかけて大洲和紙を使った商品開発・技術指導を行いました。
「フランスのギルディング技術を日本の和紙に施すということで、糊の配合など細かな作業に試行錯誤を重ねました。そして誕生したのが、五十崎にしかない『ギルディング和紙』です。今ではカードケースなどステーショナリーから、パネル、壁紙などの内装材まで幅広く展開しています」。
ギルディング和紙は注目を集め、「少しずつ若い職人も増えてきました。ぎりぎり世代交代が間に合ったかなというところです」。日本とフランスの伝統工芸技術が、大洲和紙の新しい未来をきり開きました。
五十崎社中 愛媛県喜多郡内子町平岡928
*https://www.kateigaho.com/travel/57914/ より
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