「千両梨」
■千両梨とは?
●中国梨の一種
明治時代に中国から「鴨梨(ヤーリー)」や「慈梨(ツーリー)」などの中国梨が導入され、北海道でも広く栽培されましたが、千両梨は明治時代に余市郡余市町山道村で発見された「鴨梨(ヤーリー)」の偶発実生とされています。
別名、身不知(みしらず)とも呼ばれていますが、これは鴨梨を植えているのに違った実がなり、どこでどうなったのか分からず身元が分からない事から付けられたという説や、誰も知らない実がなった事から、ありは、身の程知らずなほどたくさんの実がなることからなど諸説あるようです。
千両梨という名称は、この梨がとても豊産性が高く、鈴なりに実を付けた事からと言われています。
かつては北海道のいたるところで栽培され、豊産性の高さも相まってありきたりな梨として安く出回っていたようですが、現在では甘く美味しい和梨が広まると共にその姿を消していったようです。
●千両梨の特徴
外見はバートレットなどの洋梨と見分けがつかないくらい洋梨にしか見えません。
大きさは平均400g前後で、表皮は黄緑色に茶色い果点があり、頭の軸の付け根の周辺にサビが広がっています。果肉は和梨と同じように石細胞を多く含みシャリシャリした食感が楽しめます。
●実際に食べてみた食味
今回入手したものは余市産で2L~3Lの物という事で、1個700g前後もありました。
どれも比較的整った洋梨形をしていました。
切ってみると果肉は白っぽく、和梨のようなざらざらした断面になります。皮を剥く時に、刃先からゴリゴリした感触が伝わってきて、あまり美味しくなさそうな不安に駆られました。ところが食べてみると程よい甘さと、リンゴにも似た優しい酸味があり思った以上に美味しかったです。
■千両梨の主な産地と旬
●千両梨の主な産地と生産量
千両梨は現在北海道でのみ作られています。政府がまとめた平成24年産の栽培面積をみると、北海道で30.9haとなっています。そのほとんどが余市にあるようです。
北海道ではかつてどこにでもあるありふれた梨の一つだったようですが、現在では他の和梨や洋梨などに転換されその生産量も極僅かなようです。
●千両梨の収穫時期と旬
収穫は10月中旬から下旬の短い期間で、出回るのもこの時期だけです。旬がとても短い品種なので、食べてみたい方は見逃さないよう注意が必要ですね。
*https://foodslink.jp/syokuzaihyakka/syun/fruit/nashi-senryo.htm より
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