「小田原漆器」
小田原漆器とは
小田原漆器の概要
1.小田原漆器とは
神奈川県小田原市で作られている漆器で、ろくろ機械を使って素材を削り、漆を塗り込み作り上げる工芸品です。
2.小田原漆器の特徴
素材は主に欅(ケヤキ)を使用し、木地の木目の美しさを際立たせる漆塗りの手法と欅の持つ堅牢さが特徴です。
欅は丈夫でゆがみが少なく、磨き上げると美しい艶が出ます。昔は社寺建築材として、ヒノキと並んで重宝されていました。
使用する木材
主に欅を使用しています。
耐湿・耐久性に優れていますが、狂い(木が成長する時にできる反りや捻れ)が落ち着くまでにはかなりの乾燥期間が必要とされます。
建築材・家具材など幅広く用いられており、中でも寺社建築に使用されることが多く、天井・床木・大黒柱が代表的です。
欅の語源は「際立って目立つ」「美しい」といった意味の「けやけし」から来ており、その名の通り木目がとても美しい木材です。
小田原漆器の歴史
1.はじまり
室町時代中期、ろくろ挽きを得意とする人々が箱根や伊豆の豊富な木材を使用し作った器に漆を塗ったのが始まりとされています。
2.発展
室町時代後期、北条氏第3代当主氏康が小田原漆器をさらに発展させるため塗師を招き、彩漆塗(いろうるしぬり)の技法を取り入れました。
江戸時代には、おぼんやお椀に加え武具にも漆を塗り始めたことで、実用性を高めていきました。
3.国の伝統的工芸品に指定
昭和59年5月31日に経済産業大臣(元通商産業大臣)指定の「伝統的工芸品」に指定されました。
*https://www.japan-kogei.com/odawarashikki-about.html より
*https://kougeihin.jp/craft/0508/ より
Description / 特徴・産地
小田原漆器とは?
小田原漆器(おだわらしっき)は神奈川県小田原市で作られている漆器です。小田原漆器の特徴は素材を活かした美しい木目が際立つ艶やかな仕上がりです。自然の木目を活かした漆塗りが美しく、丈夫でゆがみが少なく実用性に優れています。漆塗りの手法は主に「木地呂塗り(きじろぬり)」と「すり漆塗り」があります。
木地作りは木材をロクロ機械を使って削り上げ、漆を幾度も塗りこんでは磨いていきます。使われる生漆(きうるし)は漆の木から採取した樹液で抗菌・耐水・断熱防腐性といった効能があります。朱色や黒色などの色を使う場合は生漆を加工し、中塗りや上塗りの過程で使用され、漆は塗る回数が多いほど丈夫です。また、素材に使われる木材は主に国産のケヤキであることも、丈夫でゆがみが少ない漆器を生み出しています。実用品として流通してきたため、経年劣化しても漆を塗り直すことで長く使い続けることができます。
History / 歴史
小田原漆器の起源は室町時代中期頃と言われています。その頃小田原にはろくろ挽きを得意とする集団が住んでおり、箱根や伊豆を背後に控え豊富であった良質な木材を利用した器作りが始まりました。ろくろを使って木を回転させることで細工する木地挽きの器に漆を塗るという手法は、小田原城建設のために集められた漆職人の手によって小田原漆器として発展していきました。戦国時代には、北条氏3代目の北条氏康が更なる小田原漆器発展を模索し、漆器職人を招いて「彩漆塗り(いろうるしぬり)」の技術が培われました。このことにより江戸時代中期には小田原漆器の技術が確立され、お椀や盆などの日用品だけでなく武具類も作られるようになりました。
また当時、実用漆器としても江戸にも出荷されたほか、城下町であることや利便性の高い東海道屈指の宿場町として栄える小田原の恰好の土産物として今日までその伝統が受け継がれています。
*https://kogeijapan.com/locale/ja_JP/odawarashikki/ より
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