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<経産大臣指定伝統的工芸品> 京都 京友禅

2021-06-07 07:48:13 | 経済産業大臣指定伝統的工芸品

 「京友禅」

 Description / 特徴・産地

 京友禅とは?
 京友禅(きょうゆうぜん)は、京都府一帯で作られる染織品です。京友禅の特徴は、豊かな色彩と、絵画的に動物や器物を表現する友禅模様と呼ばれる文様です。
 染色の技法が独特で、着物に描く模様の輪郭に隣接する模様が混ざらないように糊を引いていきます。手描きで制作するには手間がかかるため、簡略化された手法が現代では用いられています。
 京友禅以外にも、加賀友禅という石川県で発展した加賀五彩という美しい彩りが特徴の模様染めもありますが、加賀友禅には刺繍や金銀箔がないところが華やかな京友禅との大きな違いと言えます。
鮮やかな色彩が美しい京都の雅な文化が生み育てた京友禅は、日本だけではなく世界でも人気の高い染織品となっています。

 History / 歴史
 江戸時代に、当時有名であった宮崎友禅斎という扇絵師が考案した染織品が京友禅です。扇の絵師として携わってきたデザインを模様染めに応用して染めたものが友禅染の始まりと言われています。
 もともと、染色の文化は日本特有の文化が始まった奈良時代から登場し、蝋染めや挟み染めなどが次第に発展しました。室町時代に入ると、豪華絢爛な更紗や絞縫箔などが現れ、京都での染色文化が築かれていきます。江戸時代中期になると、色が豊かで、絵画風の着物が町人のなかでもてはやされ、友禅染が流行していきました。この頃に、さまざまな技術が集約されて染色技術は完成されたと言われています。
 明治時代には、化学染料が導入されるようになると化学染料と糊(のり)で色糊を作る技術も生まれます。友禅模様を型紙で写す友禅染に、この色糊が用いられました。この技法は廣瀬治助によって考案され、それまでの友禅染をさらに発展させる転機となりました。

*https://kogeijapan.com/locale/ja_JP/kyoyuzen/ より

 

 ひと色、ひと筆に手技の冴、京友禅
 江戸時代、京都の絵師宮崎友禅斎が創始したといわれる京友禅。気高く、ゆかしい京の美意識が映しだされる染色工芸である。創業以来200年の伝統を誇る五代田畑喜八さんに、京友禅への熱い想いをお聞きした。

 
 染色とは、いわば「染めない」ことを追求した技法
 日本独自の文化が開花した奈良時代から、服飾文化においては、ろう染め・絞り染め・挟み染めなどの染色技術や刺繍などが発達した。室町時代には更紗や印金、また桃山時代には辻ヶ花・絞縫箔などの華麗なきものが作られるようになり、京都の染色工芸の基盤が始まった。そして江戸・元禄時代の人気の扇絵師であった宮崎友禅斎が、扇の柄を着物に応用するべく友禅染めを作り上げたという。「染色というのは、いかに染めないようにするかを追求した技法です。染料につければ、生地を染めるのはいとも簡単。逆に染めずに白を残すことの方が難しい。その防染方法が、ろうならろうけつ染め、糸なら絞り染めです。友禅染めは糊を使うのが特徴。特に手描友禅の場合は、線描だから精緻な筆遣いに、作家の技の冴が際立つわけです。」


 田畑家が描く「雅と幽玄」の世界
 田畑家の初代喜八は、江戸の文化文政期に日本画を学んだ後、染色業を創業。公家や武家の姫君や奥方の御衣料を承る誂染師として活躍。3代目は、特に時代衣裳(いしょう)の素晴らしさに感動し、積極的に衣裳や裂を蒐集(しゅうしゅう)し研究材料とした。日本画を基礎とした「豆描友禅」「堰出し友禅」などの田畑家独自の技法で、京友禅に新風を吹き込んだ作品を創出、昭和30年には人間国宝に指定される。桃山・江戸時代の貴重な衣裳は、後に当代が「田畑コレクション」としてまとめた。格調高い「雅と幽玄」の世界を描いてきた田畑家は、染色文化の歴史の語り部としての役割も大きい。


 代々受け継ぐ信念は、「華主」
 代々受け継がれている田畑家のこだわりは「華主(かしゅ)=主人公は着る人」。京友禅作家として高い評価を得ながらも、作家はあくまでわき役と心得る。「舞台の主人公は、あくまで着物を着る女性。私たちは、その女性がより美しく、より豊かに見えるように、その舞台を作り上げるのが役目。作家が前に出てはいけない。着物は、着姿が基本。飾って美しいだけでは着物とはいえない。主人公の着姿を想定して、柄の流れや色遣いをデザインするわけです。人の顔だちも、昔と比べて目のぱっちりした洋風な顔だちの人が増えている。こういう人には、淡い日本的な色よりも、きりっと濃い地でメリハリをきかせる方が着る人を引き立てます。」と、伝統の技に、現代に磨かれた感性を加味する。


 現代、そして未来へ。時代を超えた美を追求
 「例えば、朱色でも、昔は黄味が入っていました。黄色人種の肌には、確かにそういう色合いがしっくりくるわけです。しかし、洋風化された現代では、青味がかった朱色が好まれる傾向があります。図案にしても、より斬新なものが求められるようになりました。京友禅の品格や技の伝統は重んじながらも、現代から未来に通じる時代を超えた美を追求していきたいですね。また将来は、京都に染色を学ぶことができる美術館を作りたいと思っています。そこで、一般の人にも、友禅のよさをより多く知ってもらえる場にしたいですね。」時代の移り変わりをきちんと見据えながら、友禅の歴史を受け継ぎ、次世代に伝える重責を担えるのは、日本画を初めとする美術工芸というフィルターを通じて、染色工芸を俯瞰できるからかもしれない。


 職人プロフィール

 五代田畑喜八

 1935年京都生まれ。早稲田大学第一文学部美術専修卒業・京都市立美術大学日本画科修了。株式会社田畑染飾美術研究所代表取締役。受賞作品多数。染織に関する著書も多い。現在、(社)日本染織作家協会理事長など。

 こぼれ話

 京友禅の魅力に触れる-公開工房・染工場

 京友禅の工程は、15以上に分類され、専業・分業化されています。京都染色協同組合連合会に加盟する1250事業所の中から、公開している工房や染工場をご紹介するマップです。京都散策がてら立ち寄って、京友禅の優美さに触れてみてはいかがでしょうか?

*https://kougeihin.jp/craft/0208/ より


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