・日本の将来を憂慮しておられる良識ある国民の皆さま、私たちの掲げる旗への理解と共感を広げ、共に誇りと活力のある日本をつくっていこうではありませんか。
・この「綱領」を党再生の礎、党結束の象徴として、私は不退転の決意で自民党再生の道を切り開いていくことを、お誓い申し上げます。
谷垣総裁はこのように国民へ呼びかけ、「自由民主党が何をする党が分からない。」と言われたことに危機感を抱いたと語りますが、一番にやるべきことは「草莽崛起」だったのではないでしょうか。
「草莽崛起」をウイキペディアが、次のように説明しています。
・ 江戸時代末期に、吉田松陰が庶民・大衆主体の改革を望んで唱えた思想として知られる。
・志を持った在野の人々が一斉に立ち上がり、大きな物事を成し遂げようとすることを意味する語。
新しい国を作ろうという大きなことをするのですから、過去の「立党宣言」を懐に抱いて、自由民主党の議員が全員郷里へ戻り、党の理念と政策を懸命に人々に訴えるのが先だったような気がしてなりません。これがいわゆる「草莽崛起」の活動でしょう。
鳩山一郎首相が作った「立党宣言」と小泉首相が作った「50年立党宣言」の中身が、時代にそぐわないというのなら改定の必要があるのかもしれません。
しかし「立党宣言」、「50年立党宣言」、「平成22年綱領」の3文書を並べて読みますと、「50年立党宣言」と「平成22年綱領」の内容に大きな違いが見つかりません。
谷垣総裁たちが余計なことに労力を費やすから、シリーズの18回目に書いたような誤解が生じます。
・説明を読んで、「平成22年綱領」と【 平成22年綱領解説 】のいずれが正式の「立党宣言」なのか、「ねこ庭」は判断できなくなりました。
・双方の文書には重複した項目が幾つもあり、何のために二種類を作ったのか目的が説明されていません。
「平成22年綱領」と【 平成22年綱領解説 】の話ですが、「50年立党宣言」との違いが説明されていないのですから、「50年立党宣言」を知っている国民はもっと混乱します。
「ねこ庭」から見ますと、「自由民主党が何をする党か分からなくしている。」のは、谷垣総裁以下の「新綱領策定委員会」のメンバーではないかと思いたくなりました。
前回総裁の挨拶文を読んで、「平成22年綱領」が党の正式文書だと分かりましたので、以後は【 平成22年綱領解説 】の検討をやめることにしました。
細かなことと言われるかもしれませんが、過去二回の文書が「宣言」という言葉を使っているのに、今回は「宣言」の言葉を使用せず、「宣言」の内容である「綱領」に変更しています。何故わざわざそのようにしたのか、意味が分かりません。
「ねこ庭」が、谷垣総裁と「新綱領策定委員会」メンバーの苦労を脇に置いて批判するのには、理由があります。「アメリカの属国」から脱却するためには、何をおいても「憲法改正」と「皇室護持」が日本の優先課題だからです。
二つの課題を解決しない限り、日本の未来像は描けず、国際社会で役に立つ日本にもなれません。小泉首相が公表した「50年立党宣言」には、曖昧ながらも該当する文章が書かれていました。
それなのに議論を尽くしたという「平成22年綱領」では、二つの重要課題の旗印がさらに曖昧になり、抽象的になっています。言いたくはなかったのですが、やはりリベラリストの谷垣総裁が作った「自由民主党の憲法」はこの程度のものだったのかという失望です。
首相になった石破氏が、つい最近まで「女系天皇もあり得る」と言ったり、「憲法改正」について曖昧な態度なのは、谷垣総裁のもとで「新綱領策定委員会」のメンバーだった影響があるのでしょうか。
これでは「アメリカの属国からの脱却」が出来ず、日本の独立が遠のいてしまいます。アメリカは喜ぶのでしょうが、国を愛する国民は「新綱領策定委員会」のメンバーの仕事に失望します。
従って「50年立党宣言」と「平成22年綱領」の検討作業は、今回で終わりにしたいと思います。両文書は自由民主党のホームページにありますので、興味と関心のある方は各位で確認されることをお勧めいたします。
参考のため、両文書の構成を紹介しておきます。
〈「50年立党宣言」〉
前 文 新綱領 ( 8項目 ) 新理念 ( 6項目 )
〈「平成22年綱領」〉
現状認識 綱領 ( 3項目 ) ・・ さらに3項目が、それぞれ3つ、6つ、6つに分かれる。
次回は、今回のシリーズのまとめを致します。興味のある方だけ、お越しください。