日々 是 変化ナリ ~ DAYS OF STRUGGLE ~
このプラットフォーム上で思いついた企画を実行、仮説・検証を行う場。基本ロジック=整理・ソートすることで面白さが増大・拡大
 



タイトルだけだと「ああ~よくある環境系の本ね」となってしまいそう。
ものすごく誤解を生んでいるような気がするのは私だけだろうか?

原題は、Hot,flat,and crowded
日本のサブタイトルが「温暖化、フラット化、人口過密化する世界」とその訳となってはいる。
が、その意味が伝わりにくいのは言葉が違うから仕方ないと理解しつつ、英語だとその意味がしっくりくるだけに.....


なぜかというとこの本は「フラット化」の作者だけあって、その傾向が加速要因となって次にくる世界兆候の結論にしているからだ。

「フラット化」と何か。
20世紀末のテクノロジー、マーケット、地理的・政治的関係の出来事が組み合わさって、
「グローバルな経済の競技場が平らに均され」
「これまでになく多くの人々が、これまでになく様々な地域にいながらにして」
グローバルな経済に参画できるようになったことを言う。

このグローバルな市場のうごめきの中、中国、インド、ブラジルなどの新興国が力をつけている。
と同時に、環境破壊の進行のスピードが早まっている。
こうしてグリーン革命方向にこの作者が進むのは必然だということがおわかりいただけるだろう。


読んでまず感じるのは、前著でも感じたことだが、世界あらゆる場所での豊富な取材を元に書かれていること。
広い範囲にわたり、エネルギッシュに論述した結果、環境に踏み込んでいて読み応えがあった。

「アメリカ中心的発想」が本の隅々までいきわたっていることを批判する旨もある。
確かに第3章 「アメリカ人が多すぎる」(≒アメリカ人的生活を目指してる人が多すぎる)とかはtoo muchな部分はあるが、そうなってしまっているのは事実だと思うので、そういう指摘はある意味正しいが、議論の本質とは違うような気がする。


市民革命、産業革命、それに私たちの時代の I T 革命に続くとして、この世界兆候を言い表す言葉として提示しているのが、「エネルギー気候紀元」。

その結論は、いみじくもこんな言い方になる。
例えば、第5部のタイトル アメリカ=一日だけ中国になる でも二日はだめ

「解決できない難題に変装した数々の巨大ビッグビジネス」という視点に世界を転換することはやはり強い政治力も必要。
硬直化した?現在の政府機構をもって、この問題にどう取り組めば良いのか、タイムリーな問題提起だと感じた。

コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )



     


 
編集 編集