日々 是 変化ナリ ~ DAYS OF STRUGGLE ~
このプラットフォーム上で思いついた企画を実行、仮説・検証を行う場。基本ロジック=整理・ソートすることで面白さが増大・拡大
 





ヘンデルは(1685-1759)の時代の人なので、音楽的にはバロックの時代。
METではこういう演目はめずらしい。
私はもともと強力にオペラな人ではなくライトクラシック・ファンだというレベルなので、途中で椅子から転げ落ちるシーンがあった。
それは、ミラノ王ベルタリード(写真:右)が初めて語る(というか歌う)シーン。

声がかん高い!(一貫して)
女性ソプラノと同じような声域で歌うのだ。
(カウンターテナー)

そして次に登場する部下のウルヌフォ。
この人もカウンターテナーで、2人がハモる。
うわ~キモいかも(笑)
人によっては こいつらゲイじゃないか?!と突っ込むかもしれない(映画 Paulのように)


あとの解説でおしえてくれるのだが、この時代ではカスラートという、少年期に声変わりを防ぐために去勢された歌手が実在した。
(そういや中学の授業で習ったような気もする)
18世紀は、そういう声質が好みだった時代だったのだ。

現在では、そんなことはありえないことなので、カウンターテナーがその領域をもカバーしているそう。
インタビューでも答えているように、かなり特殊な素質がないと勤まらない領域ではある!
主演のルネ・フレミング(写真:左)との2重唱もあるのだけれど、どちらも同じ領域で旋律が行き来するので、なんとも不思議な体験。


今回特筆すべき点でいうと、セットがシンプルそうでありながら凝っていて、それも見物だった。
シンプルにみえてしまいそうなこの物語を、上手にバックアップしていたように思う。
という感じで結局、今回もまた十二分に堪能させてもらった。

実は、こういう有名ではない演目ほど、ライブビューイングの特色が生きると考えている。
通常は入ることの出来ないMETの舞台裏を眺めながら、主演陣、スタッフによる解説で、自然に知識が頭に入ってくる。
こんなに簡単に、オペラの深い部分を教養として身につけることができるというのは素晴らしいと思う。
いつもながら、上映は今週金曜まで(急げ!)


今シーズンの新作として、シェイクスピアに基づいた物語をバロックの名旋律が彩るという、Enchanted Island という演目がある。
が、こちらでもそういうカスラート的展開もあるのだろうか?!
ほとんど恐いもの見たさな自分が(笑)

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