ケヴィン・ケリー氏 Kevin Kelly の新著。
最初に断っておくが、本の発売に先行して行われた講演に参加した。
ケヴィン・ケリー氏は、判りやすい英語でシンプルに独特の説得力を発していた。
本では12の今後起こるだろう現象について語っているが、講演では3つに絞って。
その内容をまず紹介したい(ある部分、本よりも先に進んでいる表現も、ある)
●Cognifyingー人工知能 彼が創った言葉。造語 本の 第2章
あらゆるモノ、が知能、ないし知性をもつようになるという意味。
知能が電気のように流れてくる、という表現が面白い。
AI に近いが、というよりは、Artificial Smartnessと呼びたい感じ(と説明していた)
●Ineracting 影響し合う、互いに。本の 第9章
高かったバーチャルテクノロジーが、スマホでいきなり安く、身近に。
スマホの次のプラットフォームで決定的にー正にポケモンGOはズバリそのこと
(彼が監修した)映画マイノリティリポートの世界現実になろうとしている。
The Internet of Experiences、not Things?!
医療・教育も含め、見聞きするようなExperience
最後に刺さった言葉 = VR will be the most social of social media!
●Tracking 本の 第10章
色々な要素で自分から望む、望まないに関わらず Track される
お互いに影響するどっちサイド(もCo-veillance)も知りつつ...
Trackされたデータから、翌日の治療法が選ばれる、かも?
どこに自分を置くかを...自分自身で選ぶことになる。
Private ⇄ Transparent
Generic ⇄ Personalised
以上で、講演から 本の感想に移るが、その前に講演全体から受けた印象を。
語り口は終始ポジティブ。
その徹底したポジティブネスに、当ブログはプログレの favorite artist を思い出した。
そのアーティストも、テクノロジーと人類の未来を極めてポジティブに表現していた。
当時、評論家からはけっこう否定されていたものだが、その彼は今だに現役。
ザマミロ!(笑)
共通点として、実は「ヒッピー」があるのかもしれない...
というのは、ケリー氏は若き日に、伝説的な雑誌「ホールアースカタログ」編集者だったからだ。
その冊子は、ジョブズの有名な某演説にも登場する、アレ!
で本。
実は、当ブログ的に上記×3も良かったが、特に刺さった章が予想外にあった!
それは、
●Screening
本がデジタル化する価値を本質的な視点から語る
また先のポジティブネスの理由も語られる章、
●Questioning
も印象的だった。
【結論】
アタマと最後に本が訴える、
「こんな、何か未来に影響できる誕生期だよ!」
を説得し続ける、400ページ。
12章のどこで刺さるかは、読者のイマジネーションに委ねられている。
今年、必読の一冊だというのは間違いない。
当ブログ恒例、年間ベスト10にランクインは確実!